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LTspiceの標準デバイスでまにあわせる

LTspiceは比較的簡単にメーカー製のSPICEモデルを導入できます。
しかしながら、複数のPCの間でファイルを共有しようとすると、LTspiceだけでなくSPICEモデルも複数のPCに導入しなければならないので手間がかかります。

一番簡単な解決方法は、メーカー製SPICEモデルを極力使わないことですが、この選択肢もなかなか悪くないのです。


ねがてぃぶろぐの付録


本ブログでは、LTspiceを用いてシミュレーションを行った場合、できる限り読者の方々が自分のPCで再現ができるように、回路図ファイルとプロットファイルを公開するようにしています。

例えばLTspiceクイック・スタートでは、エントリの最後の方に付録としてrelax-osc_asc.txt(回路図ファイル)とrelax-osc_plt.txt(プロットファイル,どの信号をグラフ上に表示するかを指定するファイル)へのリンクを設けています。

このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


上記のとおり、relax-osc_asc.txtからrelax-osc.ascへ名前を変更します。
LTspiceが既にインストールしてあれば、アイコンの形がテキスト形式のものからNPNトランジスタの形へ変化し、ダブルクリックからLTspiceで開けるようになります。
LTspiceのインストールをしていない方はLTspiceのインストールと初期設定を参考にインストールしてください。


001_20101116055220.png
fig.1: _asc.txt → .asc


同様にrelax-osc_plt.txtからrelax-osc.pltへ名前を変更します。こちらは、テキスト形式のアイコンから、未登録ファイルのアイコンへ変わるはずです。

付録していないエントリ


一方で、ダウンロードできるようになっていないエントリもあります。
古いエントリの場合は、単純に公開しようと考えていなかっただけというのもありますが、新しいエントリでも、外部のSPICEモデルを利用している場合には、そのままダウンロードしても、各自でSPICEモデルをインストールしてもらわないと使えないことがあるときは、公開しないことにしています。

たとえばTL431で定電流ソースなどです。

とは言うものの、要は、LTspiceで標準でインストールされている素子以外を使うのがよくないので、LTspice標準のデバイスモデルでシミュレーションを間に合わせればいい事になります。

標準デバイスで表現したTL431で定電流ソース


TL431の構成は、データシートのブロック図通り、2.5Vの基準電圧源とエラーアンプ、出力トランジスタの3つの要素でできています。


002_20101116055220.png
003_20101116055220.png
fig.2-3: テキサスインスツルメンツのデバイスモデルと同じような結果


上に示したとおり、このシミュレーションではテキサスインスツルメンツのSPICEモデルを使ったときと似たような結果となっています。

いいモデルを使えばいいというものでもない


どんな回路をシミュレーションするときでも、とにかく一番正確なモデルを、使うのが良いと考えている人が少なくなく存在していると思います。

確かに間違ってはいないのですが、アマチュア用途では多くの場合オーバースペックですし、逆にメーカー製モデルではシミュレーションで再現できない場合もあります。TL431で言うならLTspiceでTL431がまさにそれです。

やはり、シミュレーションの成否を決めるほとんどの要素はモデル化です。
目標としているシミュレーションに適したモデル化が出来るようになりたいものです。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: LTspice 定電流 TL431 

LTspiceでビヘイビア電源ほか

以下のLTspiceの基本素子を簡単に列挙しました。

  • 電圧制御電圧源(E)
  • 電圧制御電流源(G)
  • 電圧源を電流計として使う
  • 電流制御電流源(F)
  • 電流制御電圧源(H)
  • ビヘイビア電源(BV,BI)
  • 電圧制御抵抗(VCR)
  • 電圧制御スイッチ(SW)


今回書いたサンプルは、きわめて基本的な使用方法ですが、中村 利男(NAKAMURA Toshio)さんのフリーソフトで楽々エンジニアリングの中にあるBehavioral Model の使い方には、より詳しい使い方が解説されています。


電圧制御電圧源(E)


電圧制御電圧源は、回路上の2点間の電圧に比例した電圧を発生する電源です。
周波数特性等のない理想的なOPアンプと考えることもできます。


001_20101109233349.png
fig.1: 電圧制御電圧源

002_20101109233348.png
fig.2: V1の2倍の電圧を発生


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧制御電流源(G)


電圧制御電流源は、電圧制御電圧源と良く似た電源で、入力された電圧に比例した電流を出力する電流源です。


003_20101109233348.png
fig.3: 電圧制御電流源

004_20101109233348.png
fig.4: V1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧源を電流計として使う


LTspiceでは、素子に流れる電流を表示することができます。しかし、ブリッジ回路のように理想的には短絡している部分の電流値を測りたいと考える場面もあります。
そういった場合は、0Vの電圧源を挿入して電流形の代用とします。


005_20101109233347.png

006_20101109233347.png
fig.5-6: ホイートストンブリッジの検流計




電流制御電流源(F)


名称からある程度想像できると思いますが、ある点に流れる電流に比例する電流を流す電流源です。
電流の検出には、前述の電圧源を電流計として利用する方法を用います。


007_20101109233414.png
fig.7: 電流制御電流源

008_20101109233414.png
fig.8: I1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのSpiceLineに電流検出用の電圧源の名称を、valueの欄に増幅率を指定します。



電流制御電圧源(H)


もはや説明の必要も無いでしょう。
電流値に比例した電圧を出力する電圧源です。


009_20101109233413.png
fig.9: 電流制御電圧源

010_20101109233413.png
fig.10: I1の2倍の電圧出力




ビヘイビア電源(BV,BI)


これまで触れた電(圧|流)制御電(圧|流)源は、ひとつの入力に対して、単純に比例する出力を得るものでした。
これに対してビヘイビア電(圧|流)源は、複数の入力に対して、複雑な関係となる出力を得ることが出来ます。

使い方はV=F(...)となっているところに直接数式を打ち込みます。
数式の中で使える関数や演算子はLTspiceのHelp TopicsからB. Arbitrary behavioral voltage or current sources.の欄を参照してください。


011_20101109233413.png
fig.11: ビヘービア電圧源で作った絶対値回路

012_20101109233413.png
fig.12: V(in)の絶対値を出力


電圧制御抵抗(VCR)


電圧によって電圧や電流を制御できるならば、抵抗値が変化する素子が合ってもいいと考えるのは自然な流れだと思います。
LTspiceでは比較的簡単に実現できます。LTspiceで電圧制御抵抗(VCR)をどうぞ。

応用例としてはLTspiceで自己発熱するサーミスタなど。

電圧制御スイッチ(SW)


入力に対して非線形に抵抗値が変化する、電圧制御スイッチもあります。


013_20101109233913.png

014_20101109233913.png
fig.13-14: スイッチ


SPICE Directiveをつかってモデルを指定する必要があります。
このとき指定できるパラメータには、ON抵抗やOFF抵抗、また、制御入力のしきい値などがあります。制御入力はヒステリシスを持たせることもでき、指定方法はLTspiceでデジタル回路 その1のしきい値の書式と同じです。



ねがてぃぶろぐの付録


本ブログでは、LTspiceを用いてシミュレーションを行った場合、できる限り読者の方々が自分のPCで再現ができるように、回路図ファイルとプロットファイルを公開するようにしています。

例えばLTspiceクイック・スタートでは、エントリの最後の方に付録としてrelax-osc_asc.txt(回路図ファイル)とrelax-osc_plt.txt(プロットファイル,どの信号をグラフ上に表示するかを指定するファイル)へのリンクを設けています。

このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


上記のとおり、relax-osc_asc.txtからrelax-osc.ascへ名前を変更します。
LTspiceが既にインストールしてあれば、アイコンの形がテキスト形式のものからNPNトランジスタの形へ変化し、ダブルクリックからLTspiceで開けるようになります。
LTspiceのインストールをしていない方はLTspiceのインストールと初期設定を参考にインストールしてください。


001_20101116055220.png
fig.1: _asc.txt → .asc


同様にrelax-osc_plt.txtからrelax-osc.pltへ名前を変更します。こちらは、テキスト形式のアイコンから、未登録ファイルのアイコンへ変わるはずです。

関連エントリ




参考URL




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tag: LTspice 定電流 

LTspiceクイック・スタート

LTspiceのインストールと初期設定でLTspiceのダウンロード、インストール、初期設定の方法を順を追って書きました。
本エントリでは、回路シミュレータの使いどころで紹介した、2石弛張発振回路を例にLTspiceの具体的な使用方法を説明します。

  1. 回路図を描く
  2. 解析条件の設定
  3. 実行(RUN)
  4. 信号のグラフ表示


なお、本エントリ中で紹介する回路図の色設定や抵抗のシンボルは、インストール直後のものと異なっていますが、操作方法には影響ありません。
色の変更方法は、LTspiceの色変更(改訂版)に解説があります。


2石弛張発振回路


回路シミュレータの使いどころでは、LTspiceのシミュレーション例としてトランジスタ2石弛張発振回路のシミュレーションを行いました。


001_20100111052224.png
fig.1a: 実際に製作した弛張発振回路の回路図

003_20100111051422.png
fig.1b: LTspiceシミュレーション用の回路図


この回路は、規模が小さいながらもどういった挙動をするのか想像しにくいといった点、小信号トランジスタ2SC1815/2SA1015や赤色のLEDといった定番部品を使っていると点などはじめての回路シミュレーションにはちょうどよい題材だと思います。

今回は、この回路を題材に実際のシミュレーションの手順を解説します。

LTspiceの起動と設定


最初にLTspiceを起動するとfig.2のようなウインドウが立ち上がります。
LTspiceのインストールと初期設定にまとめた初期設定が終わっていない場合は、先にそちらから済ませます。これは、LTspiceのインストール後、最初の一回だけ行えばよい設定です。


002_20100425043201.png
fig.2: LTspice起動画面


LTspiceの基本操作


LTspiceの基本的な操作は、ウインドウ上部に表示されたアイコンをクリックすることによって行います。
以下に示すのは私が良く使うアイコンの一覧です。

名前アイコン動作説明
New Schematicnew.png回路の新規作成
Runrun.pngシミュレーションの実行
Halthalt.pngシミュレーションの停止
Zoom to rectanglezoom.png拡大
Zoom backunzoom.png縮小
Zoom full extentsfit.png全体を表示
Wirewire.png配線
Groundgnd.pngGND
Label Netlabel.pngラベル
Resistorres.png抵抗
Capacitorcap.pngコンデンサ
InductorL.pngコイル
Diodediode.pngダイオード
Componentcom.pngその他の部品
Movemove.png接続を切って部品を移動
Dragdrag.png接続を維持したまま部品を移動
Textcomment.png
コメントの書き込み
SPICE Directivespicedirective.pngSPICE命令の埋め込み
table.1: 良く使うアイコン


以降では順を追って一連の操作を説明します。

回路図の新規作成


入力する回路図の目標は、前述のfig.1です。
新しい回路図を作成するためには、ウインドウの左上にある新規作成のアイコンnew.pngをクリックします。

部品の選択


部品の選択は、NANDの形をしたコンポーネントのアイコンcom.pngをクリックして立ち上がるウインドウから行います。


003_20100423221007.png
fig.3: コンポーネントの選択ウインドウ


2SC1815や2SA1015といったトランジスタや発光ダイオードは、とりあえず標準のNPNトランジスタとPNPトランジスタ、標準のダイオードを選んでおいてください。後ほど「モデルの選択」の段階で対応するSPICEモデルを呼び出します。
電池や電源の部分は、電圧源(Voltage Source)をあらわすvoltageを選択します。

抵抗(res.png)コンデンサ(cap.png)コイル(L.png)ダイオード(diode.png)などの良く利用する部品は専用のアイコンが存在しているので、そちらから選択することもできます。


004_20100424001653.png
fig.4: 部品の選択後

005_20100424001652.png
fig.5: 部品の配置


配置する部品を選択した状態で、回路図上にカーソルを持っていくとfig.4のようになります。この状態でクリックすると、fig.5のようにその場所に部品が配置されます。

部品の回転・左右反転


部品の回転や反転は、アイコンをクリックする方法もありますが、キーボードから行う方が簡単です。部品を選択後、配置を確定する前に(fig.4)CTRL+Rで部品の回転CTRL+Eで部品の反転ができるので、配置したい向きになったら、クリックして確定します。

配線


鉛筆のアイコン(wire.png)をクリックすると部品の配線モードの切り替わります。接続したい部品の端点(四角くなっているところ)同士を線で結びます。
配線の途中で折り曲げたい場合は、折り曲げたいところでクリックを行います。CTRLキーを押しながらで、斜めの配線を行うことができます。


006_20100424001652.png
fig.6: 配線


部品や配線の削除


間違って配置してしまった部品や配線の削除を行うためには、はさみのアイコン(cut.png)をクリックして、カーソルをはさみの形にします。このはさみでクリックされた部品が削除されます。


007_20100424001652.png
fig.7: 配線の削除


部品の移動:MoveとDrag


配置した部品の移動には、Move()または、Drag()を利用します。

Moveは、部品の接続を切断して部品を移動させます。BSch3Vでいうところのセレクタに相当します。


00A.png
fig.A: Moveは部品の接続を切断


Dragは、部品の接続を維持したまま部品を移動させます。BSch3Vのドラッグに相当します。


00B.png
fig.B: Dragは部品の接続を維持


GNDの配置


回路図中に必ずひとつ以上のGND記号を配置してください。
GNDを配置せずにシミュレーションを実行してもエラーメッセージは出ませんが、シミュレーションはできません。
GNDのアイコン(gnd.png)を選択して回路図上に配置します。

パラメータの設定


部品やGNDの配置・配線が完了したら、続いて抵抗器の抵抗値やコンデンサの容量を指定します。


008_20100425035722.png
fig.8: 抵抗上で右クリック

009_20100425035722.png
fig.9: Resistance[Ω]に220kと入力


指定したい部品の上にマウスカーソルを当てると、fig.8のようにカーソルの形が指の形に変わります。ここで右クリックをするとfig.9のようなウインドウが立ち上がるので、R1には220kとC1には10uを指定します。他にも(特にコンデンサには)たくさんの値の入力項目がありますが、省略してかまいません。

モデルの選択


次にトランジスタや発光ダイオードのモデルの選択を行います。
残念ながらLTspiceには標準で2SC1815などの日本製のトランジスタのモデルが入力されていません。今回は、似たような小信号トランジスタのモデルで代用します。
もちろんLTspiceでは、メーカーのウエブページなどで公開されているSPICEモデルを入力して使うこともできます。


010_20100425035722.png
fig.10: Pick New Transistorをクリック

011_20100425035722.png
fig.11: 2N3904を選択


R1のときと同様にQ1のNPNトランジスタを右クリックすると、fig.10のようなウインドウが立ち上がるので、Pick New Transistorをクリックします。するとfig.11のウインドウが立ち上がるので2N3904を選択します。
同様に2SA1015と赤色LEDも近いモデルを選びます。

日本製デバイス対応するSPICEモデル
2SC18152N3904
2SA10152N3906
赤色LEDQTLP690C
table.2:似たようなSPICEモデル


ラベルの配置


それぞれのノード(同じ配線でつながっている部分)は、特に指定しなければ番号で管理されますが、電圧波形をグラフに表示したいノードにはあらかじめラベルで名前を付けておくと便利です。
今回は、Q1のベースにbase、D1のアノードにanodeというラベルを付けます。

ラベルのアイコン(label.png)をクリックすると、fig.12のようなダイアログが立ち上がるので、付けたい名前を入力します。この例ではbaseと入力しています。
すると、マウスカーソルがラベルの形になるので、ラベルを付けたい位置をクリックして決定します。


012_20100523192448.png
fig.12: ラベル名の入力

013_20100523192448.png
fig.13: ラベルの位置の確定


なお、fig.12のダイアログでPort Type:を変更するとラベルの形を矢印にすることができます。これは回路図を読む人間が分かりやすいようにするためなので、どの形を選んでもシミュレーション結果には影響しません。

解析条件の設定


解析の種類の選択、及び解析の設定をします。
SimulationからEdit Simulation Cmdを選択します(fig.14)。するとfig.15のようなダイアログが立ち上がるので、行いたい解析のタブを選択します。今回は過渡解析なのでTransientです。

過渡解析では、基本的にグラフに表示する開始時間(Time to Start Saving Data)と終了時間(Stop Time)を設定します。今回は0秒から1秒までを表示します。解析条件を回路図上の分かりやすい位置に設置します(fig.16)。


014_20100523192448.png
fig.14: Simulation → Edit Simulation Cmd

015.png
fig.15: 解析種類の選択・設定

016.png
fig.16: 回路図上に解析条件を表示


シミュレーションの実行


以上で、シミュレーションの前段階の設定は終了です。
この状態でRUNアイコン(run.png)をクリックするとfig.17のように表示が回路図ウインドウとグラフウインドウに分割されます。


017.png
fig.17: 実行結果


以降では、回路図ウインドウとグラフウインドウを最大化し、どちらか一方のみを表示しますが、グラフウインドウを閉じてしまわないようにしてさい。閉じてしまった場合は、もう一度RUNを行う必要があります。

グラフ表示


グラフ表示の基本は、回路図上の電流と電圧です。
今回の例では、発光ダイオードに流れる電流、及び、コンデンサC1に充電されている電圧(baseとanodeの間の電位差)をグラフに表示します。

RUNを行った後の回路図上で、素子の端子付近にマウスのカーソルを持っていくと、カーソルの形状が電流プローブのような形に変化します。この状態でクリックをします。
fig.18は、発光ダイオードD1の電流を測ろうとしているところです。


018.png
fig.18: 電流の表示、カーソルが電流プローブの形状になる


電圧も同様に、測りたい部分をクリックすれば、グラフ上に表示されます。
この際、電圧の基準点はGNDになります。

GND以外を基準とした2点間の電圧を測りたい場合は、測りたい2点間でマウスをドラッグします。fig.19では、baseとanodeの間の電圧を測定する場合を示しています。baseでマウスの左ボタンを押し、指を離さないままanodeまでマウスカーソルを移動した後、マウスの左ボタンから指を離すと、baseの電位からanodeの電位を引いた値のグラフが表示されます。


019.png
fig.19: 電位差の表示、2点間をドラッグする


このようにして表示されたグラフがfig.20です。


020.png
fig.20: 表示されたグラフ


グラフウインドウの基本操作


グラフの表示の仕方は色々と変更することができます。
基本的な機能として、グラフを複数のパネルに分割する方法と簡単な演算結果をグラフに表示する方法を書きます。

まずは、コンデンサの電圧と発光ダイオードの電流を別々のパネルに分けて表示する方法です。
Plot SettingsからAdd Plot Paneを選択。あるいは、グラフウインドウ上で右クリック→Add Plot Paneとすると、グラフウインドウに新しいパネルが追加されます。

この状態で、移動したいTraceの名前(今回はV(base,anode))を新しいパネルの上にドラッグします(fig.21-23)。


021.png

022.png

023.png
fig.21-23: ドラッグでパネル間をTraceが移動


次はごく簡単な算術演算結果をグラフに表示する方法です。
先ほど2点間の電位差を表示するために、回路図上でドラッグを行いましたが、2点の電位V(base)とV(anode)を引き算することによっても2点間の電位を表示することができるはずです。

上のパネルに移動した、Traceの名前の部分(V(base,anode)と書いてあるところ)を右クリックするとfig.24のようなウインドウが立ち上がります。そこでEnter an algebraic expression to plot:と書いてあるテキストボックスに表示したい数式を書き込みます。今回はV(base)-V(anode)です。


024.png
fig.24: 数式の入力

025.png
fig.25: 演算結果のグラフ


fig.25が結果です。当然ながらfig.23とおなじ形状のグラフとなります。
この機能は非常にさまざまな応用が利きます。たとえばLTspiceで素子の発熱を見るでは、電圧と電流の掛け算からその素子での消費電力を計算しています。この場合、LTspiceは計算結果の単位も自動的に表示してくれます。

ファイルの保存


最後にファイルの保存、というよりも保存するファイルの種類について。
LTspiceにおいて、重要なファイルは"ASC形式"のもの、"PLT形式"のもの、"RAW形式"のものの3種類です。

基本的に、LTspiceでのファイルの保存はファイルの保存アイコン(save.png)をクリック、あるいは、FileSave(またはSave As)で行います。普通のWindowsプログラムと特に変わったところはありません。
保存されるファイルの種類は、アクティブになっているウインドウの種類によって変わります。

回路図ウインドウがアクティブな状態で保存を行った場合、ASC形式のファイルが保存されます。これは、回路図の接続情報を保存したファイルです。

グラフウインドウがアクティブな状態で保存を行った場合、PLT形式のファイルが保存されます。これは、グラフ上にどの情報を表示するかを保存したファイルです。今回の例では、「C1の両端の電圧と発光ダイオードに流れる電流を別々のパネルに表示する」という情報です。

"RAW形式"のファイルは、計算結果をすべて保存するファイルで、シミュレーションをRUNするときに自動的に保存されます。このため、このファイルは他の二つに比べて大きなファイル容量を持つ場合が多く、また、他の二つがテキスト形式であるのに対して、バイナリ形式となっています。

私のブログでは、しばしばASC形式のファイルとPLT形式のファイルをエントリの付録としてアップロードしています。

例えば、本エントリあるいは回路シミュレータの使いどころの付録の項目には、今回のエントリでシミュレーションしたトランジスタ2石弛張発振回路のASCファイルPLTファイルを公開しています。
relax-osc_asc.txtASCファイルです。ダウンロードした後に、relax-osc.ascという様に名前を変更します。
同様にrelax-osc_plt.txtPLTファイルで、ダウンロードした後にrelax-osc.pltとリネームします。
これら2つのファイルを同じフォルダにおいて、relax-osc.ascをLTspiceでRUNすると、今回試したものと同じシミュレーションができます。

関連エントリ



付録


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tag: LTspice 

LTspiceで出力インピーダンス

電源の出力インピーダンスなどのように、電源の出力インピーダンスは、電源内部に抵抗(インピーダンス)を持つモデルとして表されます。
しかしながら、この内部抵抗は負荷などのさまざまな条件によって値を変えます。
そこで、本エントリでは負荷変動に対して出力インピーダンスがどのように変化するのかのシミュレーションをLTspiceを用いて行いました。

001_20100306101843.png 004_20100306101843.png 005_20100306101843.png


出力インピーダンスの測定


電源の出力インピーダンスは、負荷抵抗をスイッチングすることによって測定することができます。この負荷抵抗の値を連続的に変化させると、各負荷領域における出力インピーダンスを測定することができそうです。(参考:HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編)

HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編で求められた出力インピーダンスは、HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験の結果と比較しても、ミノムシクリップの接触抵抗が主要な成分であると考えられます。そのため、出力インピーダンスは負荷にかかわらず一定です。
しかしながら、乾電池の内部抵抗などは負荷電流に対して変動します。

そこで、より一般的には、出力インピーダンスは負荷抵抗に対する微分の形で表されるはずです。

微分から求める出力インピーダンス



001_20100306101843.png
fig.1: 出力インピーダンス測定回路


スイッチを開いたときと閉じたときの回路についてそれぞれ式を立てると

V=(R_o + R_L) \times I

V=(R_o + R_L + \Delta R) \times (I + \Delta I)


これをRoいついて解くと
R_o = - R_L - \Delta R - I \frac{\Delta R}{\Delta I}


ΔR→0,ΔI→0のとき
_eq_1b18.png


電流源の出力インピーダンス


電源の出力インピーダンスでは、電流源では出力インピーダンスが大きい方が優れた電源であると書きました。これは、出力インピーダンスの大きさが負荷が変動したときの電流の変動のしにくさを表していると言うことと関係しています。

LTspiceのグラフウインドウではd()/d()を使って微分を表すことができます。


002_20100306101917.png

003_20100306101917.png
fig.2-3: 出力インピーダンス100kΩの電流源


fig.2-3は出力インピーダンスR1を微分から求めたものです。
多少の計算誤差が見られるようですが、ほぼ100kΩとなることがグラフから読み取れます。

TL431による10mA定電流源


これまでは、負荷変動に対して一定な出力インピーダンスを持つ電源の出力インピーダンスのシミュレーションをしました。
次により現実的な、負荷変動に対して出力インピーダンスが非線形に変化する回路のシミュレーションを行います。

以下に示すのはTL431で低抵抗測定用10mA定電流源で設計した定電流回路です。


004_20100306101843.png

005_20100306101843.png
fig.4-5: TL431による定電流回路


グラフ中の緑のラインが定電流回路の出力インピーダンスです。
負荷が30Ωより小さいときは、およそ150kΩの出力インピーダンスを持つ理想的な電流源として振舞います。負荷が30Ω以上になると出力インピーダンスが470Ω程度まで下がり、出力電流を表す赤のグラフも負荷抵抗に応じて下がっていきます。

470Ωというのは、R1+R3の抵抗値です。
電源電圧が5Vと言う今回の条件では、R1+R2+R3が500Ωをこえると10mAの電流が取れなくなるため、TL431の制御から外れて定電流制御が出来なくなります。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したBSch3V形式の回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: LTspice 定電流 

LTspiceのインストールと初期設定

LTspiceのダウンロードとインストール、および早い段階でしておいた方がよい設定の紹介をします。

LTspiceのインストールは、他の普通のソフトウエアのインストールと比べて特別難しい点があるわけではありませんし、バージョンによって細かい違いもあると思うので大雑把に流れを書くにとどめています。
ただし、数点ほど注意点もあるので、斜め読み程度に読んでいただければ発見があるかもしれません。


LTspiceのダウンロード


LTspiceのダウンロードページへアクセスします。
一見すると、アカウントに登録しなければLTspiceが使えないような印象を受けるページですが、登録する必要はありません。


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fig.1: 登録せず、ソフトウェアのダウンロードのみ行います。


「登録せず、ソフトウェアのダウンロードのみ行います。」をクリックしてインストーラをダウンロードします。

LTspiceのインストール


ダウンロードした"LTspiceIV.exe"を実行するとLTspiceのインストールが始まります。
インストーラは英語ですが、基本的には普通のソフトウエアのインストールと同じ手順です。


002_20100126020846.png
fig.2: ライセンス条項に同意する


ライセンス条項が表示されるので、同意するならば"Accept"をクリックします。

次にLTspiceをインストールするフォルダを選択します。
初期状態では"C:\Program Files\LTC\LTspiceIV"が入力されていますが、Windows Vista以降では自動アップデートに失敗することがあるようです。
インストール先を"C:\LTspiceIV"などにすることによって回避できます。


003_20100126020846.png
fig.3: "C:\LTspiceIV"に変更


また"C:\Program Files\LTC\LTspiceIV"にインストールしてしまった場合でも、LTspice自体を管理者権限で実行することにより"Sync Release"からアップデートができます。

LTspiceの初期設定


以上で、LTspiceのインストールは完了です。
ここまで終われば、シミュレーションを始められますが、その前にしておいた方がよい設定項目がいくつかあります。

  • 文字化けの回避
  • 抵抗シンボルの変更
  • 回路図/グラフの色設定


文字化けの回避


LTspiceを日本語版のWindowsで使うと"μ"が文字化けします。
そこで"μ"の代わりにアルファベットの"u"を表示するように設定します。


004_20100126020846.png
fig.4: Control Panel

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fig.5: "Netlist Options"タブの"Convert 'μ'to'u'[*]"にチェック


[Tools] -> [Control Panel]とたどります。
[Netlist Options]タブを選択し"Convert 'μ'to'u'[*]"にチェックを入れます。
[OK]をクリックして設定完了です。

抵抗シンボルの変更/色設定の変更


LTspiceの抵抗シンボルは、見栄えがあまりよくありません。
私はKimio Kosakaさんの抵抗シンボルを使わせていただいています。
導入方法は、Kimio KosakaさんのLTspice/SwitcherCAD III を使いやすくするを参照してください。

ただし、Kosakaさんのページの記述はLTspiceのバージョンが古いためフォルダのパスが変わっています。そこで"C:\Program Files\LTC\SwCADIII"を"C:\LTspiceIV"または"C:\Program Files\LTC\LTspiceIV"と読み替えます。

また、変更した抵抗シンボルはLTspiceの自動アップデートのたびに元に戻ってしまいます。この場合は、面倒ですが手動で変更しなおさなければなりません。

回路図やグラフの色設定変更方法は、別のエントリにまとめました。
LTspiceの色変更(改訂版)を参照してください。

関連エントリ




参考URL




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