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AkaiKKRでウルツ鉱構造ZnO

AkaiKKR(machikaneyama)をもちいてAkaiKKRでルチル構造SnO2 その1その2ではルチル構造の計算をし、AkaiKKRで岩塩構造 BaO2では岩塩構造の計算をしました。今回はそれらに続いてウルツ鉱構造のZnOの計算を行います。

wZnO.png
Fig.1: ウルツ鉱構造のZnO



ウルツ鉱構造


Fig.1に示したのがウルツ鉱構造のZnOです。亜鉛原子を六方最密充填構造のように配置し、その四面体格子間位置のうち、半分のサイトを酸素が占めたような結晶構造をしています。この入力ファイルは、以下のようにしました。
四面体サイトのうち半分しか酸素が存在しないので、残りの格子間位置にも空孔をおくほうが精度が上がる可能性はありますが、今回はそのままにしてあります。

c------------------------------------------------------------
go data/ZnO
c------------------------------------------------------------
c brvtyp a c/a b/a alpha beta gamma
hcp 6.1415 , 1.602064 , , , , ,
c------------------------------------------------------------
c edelt ewidth reltyp sdftyp magtyp record
0.001 1.5 sra mjw nmag 2nd
c------------------------------------------------------------
c outtyp bzqlty maxitr pmix
update 8 200 0.035
c------------------------------------------------------------
c ntyp
2
c------------------------------------------------------------
c type ncmp rmt field mxl anclr conc
Zn 1 1 0.0 2
30 100
O 1 1 0.0 2
8 100
c------------------------------------------------------------
c natm
4
c------------------------------------------------------------
c atmicx atmtyp
1/3a 2/3b 0c Zn
2/3a 1/3b 1/2c Zn
1/3a 2/3b 0.3819c O
2/3a 1/3b 0.8819c O
c------------------------------------------------------------


結果


Fig.2-3がZnOのバンド構造と状態密度です。やはり、バンドギャップが小さく出ていて、半導体なのか金属なのか微妙です。

wZnO-DOS.png
ZnO-band.png

Fig.2-3: ウルツ鉱構造ZnOの状態密度とバンド構造


フェルミエネルギー付近を拡大した計算を行うと(ewidth=0.8Ry)、一応バンドギャップがあるらしいことは確認できます。ただし、フェルミエネルギーが価電子帯の中にめり込んでしまっています。前回同様、この点は気にし無い事にします。

ZnO-band2.png

Fig.4: フェルミ準位付近を拡大したバンド構造


関連エントリ





    参考URL




    付録


    このエントリで使用したファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


    参考文献/使用機器




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tag: AkaiKKR machikaneyama KKR ウルツ鉱構造 ZnO 

comment

Secret

DOSの計算について

たいへんご無沙汰しております。約1年半前に第一原理計算コードについて質問させて頂いた者です。
AkaiKKRは候補から外れましたが、自分にとって最適な計算コードを選ぶのに非常に有益な情報を頂き、とても感謝しております。

あれから紆余曲折や中断などがあり、つい最近、やっと第一原理コードを動かせるようになりました。xTAPPという計算コードを使用してます。

今後は、これまでにgomisaiさんが計算された物質について同様の計算を行ない、さらに勉強していこうと考えています。

非常に初歩的な質問で恐縮ですが、状態密度の計算範囲(ZnOの計算では-1.5~0.5Ry)はどの様に決定されているのでしょうか?
(0.5Ry以上のところに大きな山が出てくる事はないのでしょうか?)

長々とすみません。
お手数おかけいたしますが、ご回答のほどよろしくお願い致します。

Re: DOSの計算について

あたさん、お久しぶりです。

計算コードを選ぶ上でお役に立てたということでうれしいです。

さて、状態密度の計算範囲なのですが、極論すれば、自分が計算したいと思う範囲を計算すればよいと思います。
ただ、現実問題としては、電子構造に依存する物性は、フェルミ準位近傍(金属の場合)、あるいはバンドギャップの大きさやVBMとCMB付近(絶縁体の場合)だけで決まると思います。
例えば、下記エントリでは自由電子近似からもとめたアルミニウムのフェルミ分布関数を計算しています。

Scilabで金属の化学ポテンシャル
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-536.html

仮に2万ケルビンまで温度を上げたとしても、フェルミ準位よりも0.5Ry上のところでは、わずかに裾野を引く程度です(Fig.1のインセットの赤線)。
金属の融点は高々数千ケルビン程度なので、仮に0.5Ryよりも高いエネルギー準位に高い状態密度を持っていたとしても、普通の温度条件では、物性値に影響を与えないでしょう。
この辺りは第一原理計算の初歩というよりは、固体電子論の初歩なので、教科書を読まれるのが良いと思います。私のオススメは金持 徹著固体電子論です。

ただし、AkaiKKRのセルフコンシステント計算(go計算)に限って言えば ewidth は注意深く決める必要があります。

AkaiKKRのewidth その1
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-708.html
AkaiKKRのewidth その2
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-709.html

No title

早速のご回答ありがとうございました。
状態密度の計算範囲とその考え方については理解できました。

約1年半前と同様、まだまだ知識が浅いため、ご回答の後半部分はあまり理解できてませんが、今後勉強を進めていく上でとても良い指針を頂いたと感じております。

今後もいろいろとご質問させていただくかと思いますが、その際はよろしくお願い致します。
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