ecaljで反強磁性NiO

ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算では、ecaljのマニュアルに従って、スピン分極計算の例として強磁性の体心立方構造(bcc)鉄の計算を行いました。
今回は、反強磁性の計算例として、やはりマニュアル通り、NiOの計算を行いました。

001_20150927023611089.png

Fig.1: 反強磁性NiOのバンド構造



反強磁性半導体NiO


ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算では、金属強磁性体のbcc鉄の計算を行いました。今回はecaljを用いて反強磁性半導体であるNiOの計算を行います。
とはいえbcc鉄のときと同様に行う事は結晶構造ファイル ctrls.nio に初期モーメントを反強磁性になるように与えることと制御ファイルにnspin=2を設定することだけです。

結晶構造ファイル ctrls.nio (初期スピンモーメントの指定)


(前回もそうでしたが)結晶構造ファイルは~/ecalj/MATERIALS/にあるものをそのまま使います。もし存在しないようならMATERIALSディレクトリでjob_marerials.pyのスクリプトを(--noexecオプション付きで)実行するとファイルが作成されると思います。
#id  = NiO
# NOTE set MMOM. (it will be included in this...)
%const bohr=0.529177 a=7.88
STRUC ALAT={a} PLAT= 0.5 0.5 1.0 0.5 1.0 0.5 1.0 0.5 0.5
SITE ATOM=Niup POS= .0 .0 .0
ATOM=Nidn POS= 1.0 1.0 1.0
ATOM=O POS= .5 .5 .5
ATOM=O POS= 1.5 1.5 1.5
SPEC
ATOM=Niup Z=28 MMOM=0 0 1.2 0
ATOM=Nidn Z=28 MMOM=0 0 -1.2 0
ATOM=O Z=8 MMOM=0 0 0 0

ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算で書いた通り、スピン分極を含む計算を行うときには、初期スピンモーメントを与えておく必要があります。反強磁性にするために重要な点は、アップスピンとダウンスピンのニッケルに符号が逆の初期モーメントを与えておくことです。

SITE で定義する ATOM はサイト名です。これまでは単純に原子の名前を付けてきましたが、同じ原子でもサイトが異なれば、別の名前を付ける必要があります(だと思います)。今回は同じニッケルでもNiupとNidnの2種類が存在します。これらが何の原子であるかを指定するために SPEC にて 原子番号 Z=28 が指定されています。酸素に関しても SPEC で指定されていますが、結晶の中でどれか一つでも SPEC を書いたなら(今回はNiupとNidn)、すべての原子について SPEC に原子番号やスピンモーメントを指定しなければなりません(だったと思います)。

制御ファイル ctrl.nio (スピン分極計算の設定)


ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算のときと同様です。
ctrlgenM1.py nio --nspin=2
cp ctrlgenM1.ctrl.nio ctrl.nio


002_20150927023610043.png

Fig.2: 反強磁性NiOの状態密度


関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器




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