ecaljの実行手順(GW近似)

ecaljはLDAとGW近似の両方の計算ができる第一原理計算パッケージです。GW近似を用いた計算でも、通常のLDA計算とほとんど変わらない手続きで計算を行うことができます。今回は、ecaljでGW近似を用いた計算を行う手順をまとめます。

  1. 結晶構造ファイル ctrls.si の作成
  2. 制御ファイル ctrl.si の作成
  3. 構造のチェック(省略可): lmchk
  4. 計算の前準備: lmfa
  5. GW計算入力ファイル GWinput の作成
  6. ワンショットGW計算: gwsc
  7. QSGW収束計算: gwsc
  8. ポスト処理(状態密度の描画など)



ecaljのLDA計算とGW近似計算


ecaljは通常の局所密度近似(LDA)計算とGW近似を用いた計算の両方ができる第一原理計算パッケージです。ecaljでシリコンのバンド構造(LDA計算)では、ecaljの実行手順(LDA計算)でまとめた計算手順に従ってシリコンのバンド構造を描画しました。

次にシリコンのバンドギャップがGW近似によってどの程度改善されるかを見る事を考えます。今回のエントリではその前にGW計算の手順をまとめておきます。基本的には、LDA計算のときの手続きとほぼ同じです。GW近似計算を行う前に、必ずしもLDA計算を行っておく必要はないため(というか勝手にやってくれるようなので)、最初からGW近似計算をやることもあると思うので、全く同じ部分も省略せずにecaljの実行手順(LDA計算)と同じ内容を書いておきます。

ecaljのファイル命名規則に書いた通りecaljのファイル名は ctrls.si の様に拡張子の部分に物質名を書く規則なので、今回のエントリで si となっている部分は、計算したい系に応じて適宜読み替えてください。

1. 結晶構造ファイル ctrls.si の作成


結晶構造を指定するファイルは ctrls.si です。
このファイルには、最低限で以下の3つの情報が必要です。
  • 格子定数 a (Bohr)
  • 基本並進ベクトル
  • 基底の原子位置

#で始まる行はコメント、%constで始まる行は定数の定義です。
ファイルの内容はLDA計算のときとまったく同一です。

2. 制御ファイル ctrl.si の作成


このステップもLDA計算と同じです。結晶構造ファイルctrls.si から半自動的に制御ファイルのテンプレート ctrl.si を作成することができます。
ctrlgenM1.py si
cp ctrlgenM1.ctrl.si ctrl.si

結晶構造ファイル ctrls.si と非常に名前が良く似ていますが、制御ファイル ctrl.si は別のファイルです。

3. 構造のチェック: lmchk


省略

4. 計算の前準備: lmfa


lmfa si

LDA計算と同様に計算の前準備をします。

5. GW近似用ファイルの作成


ここからがGW計算に必要なステップです。
mkGWIN_lmf2 si

上記のようにタイプするとn1=のように、値を聞かれるので3回とも2などの整数を入力します。

cp GWinput.tmp GWinput

mkGWIN_lmf2が半自動的にGW計算の入力ファイルのテンプレートを作成してくれるので、ユーザーは本番用にコピーします。

6. ワンショットGW計算


まずワンショットGW計算を行います。
gwsc 0 -np 2 si

gwsc に続く整数の部分に0を指定するとワンショット計算になります。

7. QSGW収束計算


収束させる場合は gwsc に続けて整数を指定します。
gwsc 5 -np 2 si

この整数の値はイテレーションの回数+1です。

8. ポスト処理


ポスト処理はLDA計算と同じです。以下の例は全状態密度を計算します。
job_tdos si -np 2


関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。


tag: ecalj GW近似 QSGW 

comment

Secret

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRScilabmachikaneyamaKKRPSoCOPアンプPICCPA強磁性モンテカルロ解析常微分方程式トランジスタode状態密度インターフェースDOSPDS5022ecaljスイッチング回路定電流半導体シェルスクリプトレベルシフト乱数HP6632A温度解析ブレッドボードI2CR6452A分散関係トランジスタ技術可変抵抗確率論数値積分反強磁性セミナー非線形方程式ソルバ絶縁バンドギャップ熱設計偏微分方程式バンド構造GW近似カオス三端子レギュレータLEDフォトカプラシュミットトリガISO-I2CA/DコンバータLM358USBカレントミラーTL431マフィンティン半径PC817C数値微分アナログスイッチ発振回路サーボ直流動作点解析74HC40532ちゃんねる標準ロジックチョッパアンプLDAアセンブラFFTbzqltyイジング模型ブラべ格子開発環境補間量子力学電子負荷BSchパラメトリック解析単振り子基本並進ベクトル熱伝導繰り返しGGAMaximaTLP621ewidthSMP相対論抵抗位相図ランダムウォークスピン軌道相互作用六方最密充填構造不規則合金FETコバルト失敗談QSGWcygwinスレーターポーリング曲線スイッチト・キャパシタラプラス方程式gfortranキュリー温度状態方程式条件分岐格子比熱TLP552LM555TLP521三角波NE555過渡解析FXA-7020ZRWriter509テスタ詰め回路MCUマントルダイヤモンドQNAPデータロガーガイガー管自動計測UPS井戸型ポテンシャルawk第一原理計算仮想結晶近似ブラウン運動差し込みグラフ平均場近似fsolve起電力熱力学OpenMPスーパーセル固有値問題最適化最小値VCAシュレディンガー方程式VESTAubuntu最大値面心立方構造PGAOPA2277L10構造非線型方程式ソルバ2SC1815fccフェルミ面等高線ジバニャン方程式ヒストグラム確率論マテリアルデザイン正規分布結晶磁気異方性interp1フィルタ初期値ウィグナーザイツ胞c/aルチル構造岩塩構造スワップ領域リジッドバンド模型edeltBaOウルツ鉱構造重積分SIC二相共存ZnOquantumESPRESSOCapSensegnuplotmultiplot全エネルギー固定スピンモーメントFSM合金ノコギリ波フォノンデバイ模型ハーフメタル半金属TeXifortTS-110不規則局所モーメントTS-112等価回路モデルパラメータ・モデルヒストグラムExcel円周率GimpトラックボールPC直流解析入出力文字列マンデルブロ集合キーボードフラクタル化学反応三次元Realforce縮退日本語最小二乗法関数フィッティング疎行列シンボル線種ナイキスト線図陰解法負帰還安定性熱拡散方程式EAGLECrank-Nicolson法連立一次方程式P-10クーロン散乱Ubuntu境界条件MBEHiLAPW軸ラベルトランスCK1026MAS830L凡例PIC16F785LMC662AACircuit両対数グラフ片対数グラフグラフの分割specx.f

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ