AkaiKKRのブラベ格子

結晶学において、三次元のブラべ格子は14種類存在します。
AkaiKKR(machikaneyama)でも結晶構造の指定にこのブラべ格子を利用し、入力ファイルでは各ブラべ格子に対応したキワードを用います。


プログラム内部では各キーワードに対応した番号が振られているようです。source/ibrava.fのコメントには、以下のように書かれています。

c-----------------------------------------------------------------------
c This program returns the index of the bravais lattice.
c (1)fcc (2)bcc (3)hcp(hex) (4)sc (5)bct (fct) (6)simple tetragonal
c (7)face centered orthorhombic (8)body centered orthorhombic
c (9)base centered orthorhonbic (10)simple orthorhombic
c (11)base centered monoclinic (12)simple monoclinic
c (13)triclinic (14)rhombohedral (trigonal) (15)fct (bct)
c (16)aux (primitive unit vector are to be read in)
c for a practical reason, fct and bct are treated differently.
c coded by H.Akai, April, 1992, Osaka
c revised 26 Dec. 1994, Osaka
c-----------------------------------------------------------------------


キーワード番号ブラべ格子Bravais lattice軸長軸間角度
fcc1面心立方face centered cubica=b=cα=β=γ=90°
bcc2体心立方body centered cubica=b=cα=β=γ=90°
hcp3六方最密hexagonal closed packeda=b≠cα=β=90°, γ=120°
sc4単純立方simple cubica=b=cα=β=γ=90°
bct5体心正方body centered tetragonala=b≠cα=β=γ=90°
st6単純正方simple tetragonala=b≠cα=β=γ=90°
fco7面心斜方face centered orthorhombica≠b≠cα=β=γ=90°
bco8体心斜方body centered orthorhombica≠b≠cα=β=γ=90°
bso9底心斜方base centered orthorhombica≠b≠cα=β=γ=90°
so10単純斜方simple orthorhombica≠b≠cα=β=γ=90°
bsm11底心単斜base centered monoclinica≠b≠cα=γ=90°≠β
sm12単純単斜simple monoclinica≠b≠cα=γ=90°≠β
trc13三斜triclinica≠b≠cα≠β≠γ≠90°
rhb14菱面体rhombohedrala=b=cα=β=γ≠90°
fct15面心正方face centered tetragonala=b≠cα=β=γ=90°
trg14三方trigonala=b=cα=β=γ≠90°
hex3六方hexagonala=b≠cα=β=90°, γ=120°
aux16


ブラべ格子は14種類しか存在しないはずなのに、キーワードは18種類存在します。
このことに関して順に見ていきます。

純金属の結晶構造はほとんどが面心立方構造(fcc)、体心立方構造(bcc)、六方最密充填構造(hcp)なので最初の3つは、これらの結晶構造を作るのに便利なブラべ格子が並んでいます。
ここで注意が必要なのは、本来、六方晶系には六方最密というブラべ格子は存在しないという事です。したがってAkaiKKRにおけるhcpというキーワードは、実は六方最密では無く、単純六方です。実際表の最後から2番目に単純六方を示すhexというキーワードが存在し、その番号はhcpと同じ3です。
ただ、やはりhcpやhexという単純六方のブラべ格子を表すキーワードは、六方最密充填構造という結晶構造を意識したもののようで、入力ファイルにおいて軸比c/aを省略すると、六方最密充填構造における理想値であるc/a=2*√2/√3=1.633が指定されるようです。

更に単純立方(simple cubic)、正方晶系(tetragonal)、斜方晶系(orthorhombic)、単斜晶系(monoclinic)、三斜(triclinic)と続きます。14番の菱面体構造(rhombohedral)は三方晶(trigonal)と同じです。ここまでが14種類の独立なブラべ格子です。面心正方(face centered tetragonal)は体心正方(body centered tetragonal)と等価なブラべ格子ですが、AkaiKKRでは別物として分けてあるようです。

最後に、ブラべ格子ではなく基本ベクトルで結晶構造を指定するためにauxというキーワードが用意されています。

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