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AkaiKKRで合金の置換サイト その1

DO3構造Fe3Siの鉄の一部を遷移金属と置換した際に、最近接する鉄の数が8となるFeIサイトと最近接する鉄の数が4となるFeIIサイトのどちらにより入りやすいかをAkaiKKR(machikaneyama)を用いて計算しました。

001_20150403180107e19.png

Fig.1: 遷移元素をFeIサイトとFeIIサイトへ入れたときの全エネルギーの差。負の値はFeIサイトを正の値はFeIIサイトを置換するときがより安定。


その結果、定性的には周期表の左側にある元素がFeIに入りやすく、右側にある元素がFeIIに入りやすいという結果を再現しました。


DO3構造Fe3-xTxSiの置換サイト


DO3構造はfcc構造を対角線方向に1/4ずつずらしたものを4つ含む構造です。Fe3Siはそのうち一つのサイトをシリコンが占め、残りの3つの位置を鉄が占めます。鉄が占めるサイトは2種類あり、最近接原子が全て鉄となるFeIサイトと4つの鉄と4つのシリコンとなるFeIIサイトです。

DO3構造のFe3Siは、鉄の一部がほかの遷移金属元素と置換したFe3-xTxSi合金を作ることが知られています。興味深いことに、このときに遷移金属元素は、その遷移金属元素が周期表において鉄の左側に来る場合(バナジウムなど)ではFeIサイトへ入り、右側にある場合(ニッケルなど)ではFeIIサイトへ入ることが知られています。

今回は色々な遷移金属元素を x = 0.1 だけ固溶させたときにFeIサイトとFeIIサイトのどちらがエネルギー的に安定になるかをAkaiKKR(machikaneyama)を用いて計算します。

入力ファイル


Fe2.9V0.1Siの入力ファイルの例がDO3Fe3VSi_in.txtです。
置換する濃度は x = 0.1 のみとし、すべてがFeIまたはFeIIのどちらかだけに入り、両方に少しずつ入る場合は考慮しません。
格子定数はすべて a = 10.50 Bohr に固定し、合金化による変化は考慮しないものとします。

結果と議論


Fig.1が計算結果です。縦軸のエネルギーは全てFeIサイトへ入れた場合の全エネルギーから、すべてFeIIサイトへ入れた場合の全エネルギーを引いたもの。負の値なら置換する遷移元素はFeIサイトへ入りやすく、正の値ならFeIIへ入りやすいことを意味します。
大まかなトレンドは実験結果を再現しています。

エネルギー差は10-3~10-2 (Ry)程度です。ボルツマン定数kB = 1.38×10-23 (J/K) = 6.33×10-6 (Ry/K)とE~kBTの関係から温度へ換算すると100-1000Kのオーダーです。KKR-CPAでは絶対零度の計算なので、有限温度では多少の変化があってもおかしくない範囲です。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したAkaiKKRの入力ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器



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tag: AkaiKKR machikaneyama KKR CPA 

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