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AkaiKKRでグラファイトのバンド構造

AkaiKKR(machikaneyama)を用いて、グラファイトのバンド構造を計算しました。
グラファイトは隙間の多い構造なので、マフィンティン近似には、あまり向いていないと思われるため、隙間の部分に空孔を設定しました。どういう配置にするのが正しいのか良く分からないまま計算した割には、そこそこ良い結果が得られているように思います。ただし空孔をたくさん入れると計算時間が長くなってしまうデメリットもあります。

001_201502231325207e0.png
Fig.1: グラファイトの結晶構造



マフィンティン近似と密でない結晶


AkaiKKR(machikaneyama)はマフィンティン近似を使っています。マフィンティン近似は密な結晶では良い近似ですが、スカスカな結晶にはあまり良くありません。AkaiKKRでダイヤモンド型構造半導体では、空いている空間に原子番号がゼロである空孔を置くことによって計算精度を上げるテクニックを使っています。

今回は、さらにスカスカなグラファイトについて計算を試みます。(ただしどこまで良い方法なのかはよくわかりません。)
Fig.1はVESTAを用いてグラファイトの結晶構造を表示したものです。結晶のファイルは結晶構造ギャラリーのものを使わせていただきました。
基本的な方針は、ダイヤモンドのときと同様にスカスカのところに空孔を入れることにします。どのように入れるのが良いのかは良く分かりませんが、あまり真面目に検討はしていません。

格子定数は a = 2.464 Å ≒ 4.656 Bohr および c = 6.711 Å から c/a = 2.7236 としました。
結局入力ファイルはgraphite_in.txtとなりました。

結果と議論


得られた状態密度とバンド構造を以下に示します。

002_2015022313251971e.png

Fig.2: グラファイトの状態密度


金属の状態密度はフェルミ準位に大きな状態を持つ特徴があり、半導体の状態密度には、バンドギャップがあるという特徴がありました。
グラファイトの状態密度の形状は、これらのちょうど中間の様な特徴を持っていて、半金属(semimetal)と呼ばれます(参考: 半金属(バンド理論) - Wikipedia、なお元素としての半金属やハーフメタルと用語が非常に紛らわしい)。

003_20150223132519956.png

Fig.3: グラファイトのバンド構造


金属電子論〈上〉 (材料学シリーズ)には二次元格子モデルを用いて計算したグラファイトのバンド構造が載っています。今回の三次元の計算では二次元のものと比較してK点におけるπバンドなどの縮退が解けています。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したAkaiKKRのインプットファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




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