AkaiKKRの使い方

AkaiKKR(machikayema)は、東京大学の赤井久純先生が開発された第一原理計算パッケージです。結晶の電子状態を計算することのできる第一原理計算パッケージは、多くの種類が公開されていますが、AkaiKKRはKKR-CPA法を採用することで化学的な不規則(不純物、不規則合金、固溶体)のバンド計算が可能であるというのが最大の特徴です。また、入力ファイルも単純であり、スペックの低い旧式のwindowsノートパソコンでも動作するといったところも優れています。

今回のエントリでは、これまでに書いたAkaiKKR関連のエントリを整理してリンクします。


1. はじめに

この章では、AkaiKKRのインストール方法とテスト計算、及び、使い方の最初の一歩についてまとめます。AkaiKKRは、公式なマニュアルであるKKR-Green関数法によるバンド計算Machikaneyama2000の使用に関するメモ及び、計算機マテリアルデザイン入門 (大阪大学新世紀レクチャー)密度汎関数法の発展 -マテリアルデザインへの応用を用いて独習することも可能ですが、やはり年に二回開催されているCMD®ワークショップに参加するのが最大の近道です。

2. 基本的な使い方

第一原理計算の出力結果として基本的なものは、全エネルギー、状態密度、バンド分散です。第2章では、面心立方構造(fcc)、体心立方構造(bcc)、六方最密充填構造(hcp)、ダイヤモンド構造、そして立方晶ペロフスカイト構造に関して状態密度とブロッホスペクトル関数(バンド分散)を出力する入力ファイルの例を示します。

3. 応用的な計算

第2章が基礎編とするならば、第3章は応用編となります。例えば平衡格子定数を計算したい場合は、格子定数を変化させながら、全エネルギーが最小となる点を探します。

4. 設定パラメータ

第一原理計算は、格子定数と原子番号以外には入力パラメータが必要ないということになっていますが、実際には計算の精度に関するパラメータなどを指定しなければなりません。この章ではパラメータの意味と決定方法について書きます。

5. その他

6. 参考URL

6.1 AkaiKKR関連

6.2 第一原理計算全般

7. 参考書籍


8. データベース

9. あとがきと更新履歴

私は、AkaiKKRの開発者である赤井先生、及び、大阪大学の固体電子論グループとは何の関係も無い一個人であり、自分の固体物理の勉強のためにAkaiKKRを利用させていただこうとしている身です。更に言うなら、バンド計算屋さんではなくただの電子工作趣味人です。従って、このブログの内容の正しさに関しては一切保障できませんので、真似をされる方は自己責任でお願いします。おそらくブログ内の記述には、間違っている点もたくさんあると思います。間違いを見つけられた方は、該当エントリのコメント欄にてお知らせください。


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tag: AkaiKKR machikaneyama KKR CPA  

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AkaiKKRについて

はじめまして。
趣味で固体物理の勉強をしようと思い、第一原理計算のソフト(フリー)を探しているうちに、gomisaiさんのページにたどり着きました。
gomisaiさんは固体物理の勉強目的で、AkaiKKRを選ばれたそうですが、このソフトを選ばれた理由を教えて頂ければと思います。

Re: AkaiKKRについて

あたさん、こんにちは。

私がAkaiKKRを選んだのは、色々な要素があります。

教科書的に言うならAkaiKKRが、私の興味のある物質の計算に適したコードであったというのが理由のひつとです。

ご存知かもしれませんが、第一原理計算ソフトにはそれぞれに特徴があり、適する用途と適さない用途があります。

このエントリにも書いてありますが、AkaiKKRはコヒーレントポテンシャル近似(CPA)という、化学的な不規則を、単位セルで計算することができる(スーパーセルを必要としない)という珍しい特徴を持っています。私は不規則合金に興味があったので、AkaiKKRを選んだのは結果的に大正解でした。

逆にAkaiKKRに適さない計算もあります。
AkaiKKRの使うKKR法は、全電子法の一種ですが、残念ながらフルポテンシャルではありません。マフィンティン近似か原子球近似(ASA)のどちらかを利用します。これらは、金属のよう最密充填に近い構造ではよい近似ですが、グラファイトのように結晶構造が「すかすか」な結晶の計算には適さないようです。
そして有限温度の物性を見積もるのにも向いていないようです。
第一原理分子動力学(MD)はもちろんのこと、密度汎関数摂動論(DFPT)でフォノンのバンド構造を計算することもできません。
ただ、これらの問題もまったく手が出ないわけではなくAkaiKKRでグラファイトのバンド構造( http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-641.html )やAkaiKKRで金属の熱物性( http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-646.html )などで挑戦はしています。



教科書的な理由のほかに、現実的な理由として、日本語のマニュアルがあるコードの中で比較的インストールや使用が簡単であるという点があります。
色々なコードは、それぞれ物性値を計算するために便利な機能があったりしますが、やはり基本となるのは「全エネルギー」「バンド構造」と「状態密度」です。これらは、おおよそほとんどどのような第一原理バンド計算ソフトでも計算できるはずなので、基本的な計算をすることが目的なら、機能の豊富さよりもインストールと使用が簡単なものを選ぶのがよい事になります。
なんといっても年2回開催されているCMDワークショップ( http://phoenix.mp.es.osaka-u.ac.jp/CMD/ )で使い方を習うことができるのが大きいです。私もすでに2回ほど参加させていただいています。(第23回CMDワークショップ参加報告 http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-565.html )
またCMDワークショップに参加せずとも、インストールや実行のやり方にはほとんど悩まないはずです。コンパイラはgfortranでもifortranでもmakefileを書き換えるだけでコンパイルできます。(つまづくとしたらopenmpの設定のあたりぐらいと思います。)

No title

AkaiKKR選定理由の他、第一原理計算全般についていろいろとご教示頂き、ありがとうございました。

第一原理計算およびソフトについては全くと言っていいほど知らないため、前半の部分はとても参考になりました。とはいっても、書かれている内容を本当に理解するまでには、時間がかかりそうだと思いますが・・・。

使う立場にとっては、そのソフトが実用的なものか(きちんと計算が出来るものなのか)、マニュアルが整備されてあるのかがとても重要なのですが、gomisaiさんの説明でAkaiKKRが安心して使えるものだと納得できました。
第一候補として検討してみたいと思います。

Re: No title

あたさん、こんにちは。

ねがてぃぶろぐの記事が、AkaiKKRのチュートリアルとして役に立てば幸いです。
私も初心者なので内容が怪しい記事もあるかと思いますが、何か疑問点や気づいた点があれば、その記事にコメントをしてください。

また、どの計算コードを選ぶにしても、最初の1種類に慣れれば、他のコードのセットアップの方法も理解しやすくなるかと思います。実際私も最近ではフォノンの計算をすることを考えてQuantum ESPRESSOを触り始めました。
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