Scilabで一次元のラプラス方程式 その1

Scilabで熱拡散方程式 その1その2その3では一次元の熱拡散方程式をScilabで数値的に解きました。今回はこれらプログラムをよりよく理解するために、より簡単な一次元のラプラス方程式を解いてみます。

\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} = 0

実を言うと一次元のラプラス方程式は、Scilabで連立一次方程式で計算した連立一次方程式になってしまうので簡単に計算することが出来ます。


ラプラス方程式


ラプラス方程式は、熱拡散方程式や波動方程式に対して、時間の偏微分の項をゼロとしたものです。

2u=0

一次元の場合は

\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} = 0

です。

時間による偏微分がゼロということなので、この式は定常状態の物理現象を表しています。

ラプラス方程式の解法


一次元のラプラス方程式を、0 ≦ x ≦ 1 の範囲で、下記の境界条件で解くことを考えます。

u = 1 (x = 0)
u = 0 (x = 1)

この解は、数値計算をするまでもなく直感的に (x,u)=(0,1) と (1,0) を通る直線となることが想像できます。

つまり

u = 1 - x

です。

このことを実際に差分化を行った数値計算から確認します。
簡単のため、空間の分割数は極端に少なくすることにします。(Fig.1)


001_201402170611560b6.png
Fig.1: ラプラス方程式の差分化


2u/∂x2 を差分化すると

\frac{\partial^2 u}{\partial x^2} = \frac{1}{(\Delta x)^2} (u_{i+1} - 2u_{i} + u_{i-1})

ラプラス方程式は ∂2u/∂x2 = 0 なので差分化したラプラス方程式は

ui+1 - 2ui + ui+1 = 0

となります。(参考:偏微分方程式の数値解法入門)

先ほどの境界条件とあわせると

u1 = 1
u1 - 2u2 + u3 = 0
u2 - 2u3 + u4 = 0
u4 = 0

となり、これは実のところScilabで連立一次方程式で解いた連立一次方程式以外の何物でもありません。

よって行列Aとベクトルu, bを以下の様におくと

A = \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 & 0 \\ 1 & -2 & 1 & 0 \\ 0 & 1 & -2 & 1 \\ 0 & 0 & 0 & 1 \\ \end{pmatrix}

\mathbf{u} = \left(   \begin{array}{c}     u_1 \\     u_2 \\     u_3 \\     u_4   \end{array} \right)

\mathbf{b} = \left(   \begin{array}{c}     1 \\     0 \\    0 \\     0   \end{array} \right)

連立方程式は、以下の様に行列の式で表現することが出来ます。

Au=b

Scilabで連立一次方程式と同様に計算すればラプラス方程式が解けたことになります。

clear;

// *** 連立方程式の定義 ***
A = [1 0 0 0;
1 -2 1 0;
0 1 -2 1;
0 0 0 1];
b = [1;
0;
0;
0];

// *** ラプラス方程式の解 ***
u = A \ b;

// *** グラフのプロット ***
// グラフ用のx座標
x = linspace(0,1,4);
// グラフのプロット
plot(x,u,'-ob');
// グラフの装飾
xlabel("x");
ylabel("u");
zoom_rect([0,0,1.2,1.2]);


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




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