Scilabで単振り子 その1 解析解との比較

これまで微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)から運動学の章で紹介されている微分方程式をScilabを用いて計算してきました。
今回から4回は単振り子の微分方程式をScilabで計算します。

001_20130720182725.png

Fig.1: 単振り子の問題設定



単振り子の微分方程式と解析解


導出は次回に回しますが、単振り子の運動を表す微分方程式は、以下のように書くことが出来ます。

\frac{\mathrm{d}\theta}{\mathrm{d}t} = q
\frac{\mathrm{d}^2\theta}{\mathrm{d}t^2} = - \frac{g}{L}\sin\theta

(θ: 振れ角, t: 時間, q: 角速度, g: 重力加速度, L: 糸の長さ)

この微分方程式は、解析的に解を求めることが出来ます。
例えば、初角度θ0から初角速度q0=0で振動を開始したとすると下記のようになります。

t(\theta) = - \sqrt{\frac{L}{2g}}\int^{\theta}_{\theta_0}\frac{\mathrm{d}\theta}{\sqrt{\cos\theta - \cos\theta_0}}

しかしながら、この積分は初等関数で表せる形に出来ないので、結局は数値積分をせざるを得ません。

今回は、これまでと同様にScilabの常微分方程式ソルバodeを用いて振りこの運動をシミュレーションするとともに、解析解に対する数値積分も行い、これら二つを比較します。

プログラミング


常微分方程式ソルバはode関数を使います。(参考:常微分方程式のタグが付いたエントリ)

解析解のほうの数値積分はintegrate関数を用いました。(参考:Scilabで数値積分: 固体の比熱,integrate - 求積法による積分)

// *** 解析解とソルバ解の共通部分 ***
// 初期振幅の入力
g = 9.8; // 重力加速度
l = g / (2 * %pi) ^ 2; // 糸の長さ
// 初期条件
th0 = input("th0 = "); // 初角度
q0 = 0; // 初角速度
X0 = [th0; q0];

// *** 常微分方程式ソルバによる解 ***
// 解くべき微分方程式の定義
function dx = pend(t,x)
dx(1) = x(2);
dx(2) = - g / l * sin(x(1));
endfunction
T = linspace(0,2,200); // 時間ベクトル
TH = ode(X0, 0, T, pend); // 常微分方程式ソルバ
plot(T,TH(1,:),'-r'); // プロット

// *** 解析解 ***
THanaly = linspace(- th0, th0, 20);
Tanaly = - sqrt(l / (2 * g)) * integrate('1 ./ sqrt(cos(th) - cos(th0))','th',th0,THanaly);
plot(Tanaly,THanaly,'og');

// *** グラフの体裁 ***
legend("o.d.e","integration",1);
xlabel("t[s]");
ylabel("$\theta \mathrm{[rad]}$");


計算結果


以下に、初角速度q0=0で初角度θ0を0.1ラジアン、2.9ラジアンの2通りの値で計算した結果を示します。

002_20130720182725.png

003_20130720182724.png

Fig.2-3: 厳密な単振り子の解。sinθ≒θの近似が成り立つときの周期が1秒となるように糸の長さLを調整している。振幅(初角度)が小さいとき(θ0=0.1; グラフ上)は周期が1秒となっているが、振幅(初角度)が大きいとき(θ0=2.9; グラフ下)は周期が1秒を大きく超えている。


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




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