Scilabで2次元の放物運動

Scilabで霧雨粒の落下運動Scilabで大きな雨粒の落下運動を更に拡張して速度の2乗に比例する空気抵抗が存在する条件での2次元の放物運動をScilabでシミュレーションしました。

001_20130710093246.png

Fig.1: 色々な角度で投げ上げた物体の軌跡


Scilabで霧雨粒の落下運動Scilabで大きな雨粒の落下運動では空気抵抗を受ける(霧)雨粒の落下運動を題材に1次元の物体の運動を計算しました。

これらに引き続き、今回も微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)の例題3の再現として2次元空間での物体の運動の計算をScilabで行います。


速度の2乗に比例する抵抗


これまでに速度に比例する空気抵抗速度の2乗に比例する空気抵抗という条件の下で運動方程式を立ててきました。今回も空気抵抗は速度の2乗に比例するとして計算を進めます。その比例係数をbとして dx/dt = ... の形にした運動方程式は以下の連立方程式となります。

\frac{\mathrm{d}x}{\mathrm{d}t} = v_x

\frac{\mathrm{d}v_x}{\mathrm{d}t} = -\frac{b}{m}v_x \sqrt{v_x^2 + v_y^2}

\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d}t} = v_y

\frac{\mathrm{d}v_y}{\mathrm{d}t} = -\frac{b}{m}v_y \sqrt{v_x^2 + v_y^2} - g


(x: 水平方向の位置, y: 鉛直方向の位置, vx: 水平方向の速度, vy: 鉛直方向の速度, t: 時間, b: 速度の2乗に比例する空気抵抗の係数, m: 物体の質量, g: 重力加速度)

上記と何も変わらないのですが、d/dt をドットにして行列の要素として書き直すと

\begin{displaymath} \left( \begin{array}{cc} \vspace{10pt} \dot{x} \\ \vspace{10pt} \dot{v_x} \\ \vspace{10pt} \dot{y} \\ \dot{v_y} \\  \end{array} \right) = \left( \begin{array}{cc} \vspace{5pt}v_x \<br />\vspace{5pt}\displaystyle -\frac{b}{m}v_x\sqrt{v_x^2+v_y^2} \\ \vspace{5pt}v_y \\ \displaystyle -\frac{b}{m}v_y\sqrt{v_x^2+v_y^2}-g \\  \end{array} \right) \end{displaymath}


となります。

比例定数bはScilabで大きな雨粒の落下運動の方法と同じように1次元運動の終端速度の考察から決定できますが、今回は微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)と全く同じパラメータを用いることとします。

プログラム


以下にScilabに移植したプログラムを示します。

clear;

// *** 入力パラメータ ***
m = 1; // 物体の質量 (g)
b = 0.15; // 速度の2乗に比例する空気抵抗の係数 (g/s)
g = 9.8; // 重力加速度 (m/s^2)
v0 = 10; // 初期速度 (m/s)

// 解くべき方程式の定義
function dx = parab(t,x)
// dx/dt = vx
dx(1) = x(2)
// dy/dt = vy
dx(3) = x(4)
// dvx/dt = - (b/m) * vx * √(vx^2 + vy^2)
dx(2) = - b / m * x(2) * sqrt(x(2) ^ 2 + x(4) ^ 2)
// dvy/dt = - (b/m) * vy * √(vx^2 + vy^2) - g
dx(4) = - b / m * x(4) * sqrt(x(2) ^ 2 + x(4) ^ 2) - g
endfunction

// 度からラジアンへの変換
function ret = torad(angle)
ret = %pi * angle / 180;
endfunction

// *** 常微分方程式の計算 ***
// 時間ベクトル
T = linspace(0,2,1000); // 2(s)後まで計算
// 常微分方程式の数値解
for k = 1:5 do
deg = 15 * k; // 15度ごとに75度まで計算
th = torad(deg); // 度からラジアンへの変換
vx0 = v0 * cos(th); // 水平方向(x)の初速度
vy0 = v0 * sin(th); // 垂直方向(y)の初速度
X0 = [0; vx0; 0; vy0]; // 初期条件(位置と速度)ベクトル
X = ode(X0, 0, T, parab); // 常微分方程式ソルバ
plot2d(X(1,:),X(3,:),k);
end

// グラフの体裁
zoom_rect([0, 0, 6, 3]); // 地面まで落下したあとは表示しない
xlabel("x position (m)");
ylabel("y position (m)");


2次元の運動であっても1次元ずつの方程式を立てて連立させればScilabのode関数を利用して微分方程式を解くことが出来ます。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




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