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ダイヤモンド号で行く地底旅行

電子工作ブログであるねがてぃぶろぐの読者の方々には、興味のある方は少ないかもしれませんが、地球深部の物理・化学について、一般の方にも比較的分かり易く書かれている入舩徹男著ダイヤモンド号で行く地底旅行を紹介します。




フロンティアと探査機


探査機はやぶさが、小惑星イトカワから、その表面のサンプルを持ち帰った事は記憶に新しいと思います。こういったニュースを聞くと、人類の科学技術の進歩により、地球以外の惑星でさえも人類にとって、いずれ到達することの出来るフロンティアとなるだろうと感じます。

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小惑星イトカワに着地する「はやぶさ」(想像図) (c) 池下 章裕
JAXAのウエブページより


一方で、人類未踏の領域があるのは、なにも地球の外だけではありません。
それは、地球の深部です。
宇宙開発と比べると、いささか地味に感じられるかもしれませんが、地球の内部は、宇宙以上に良く分かっていない場所です。

岡山大学理学部地球惑星科学科のウエブページには、高校生向けの研究紹介として地球の内部構造の図が掲載されています。



岡山大学の描いた地球の内部構造図では、地球内部で起きている色々な現象が表現されています。実は、小惑星イトカワに向かって探査機『はやぶさ』を送り出したのと同様に、地球内部を調べるための探査船『ちきゅう』を使って、海の底から穴を掘って調べようと言うプロジェクトが存在します。

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地球深部探査船『ちきゅう』の写真。真ん中に建っている鉄塔からドリルを降下させて海の底をゴリゴリと掘り進んでいく。JAMSTECのウエブページより


陸ではなく、わざわざ海の底を掘るのは、一般的に、海洋地殻(岡山大の図で、水色で示したのが海、その下の茶色の部分)の方が大陸地殻(緑の部分)よりも薄く、上部マントル(薄黄色の部分)まで到達するために、掘らなければいけない量が少なくて済むからです。
しかしながら、2011年10月16日現在において、上部マントルまで穴を掘った人はいません。

ダイヤモンド号で行く地底旅行


したがって、地球内部の構造は、観測事実(地震波、磁場、地表で取れる岩石の化学組成、隕石の化学組成など)と実験や計算の比較を行うことから得られた推定です。

ダイヤモンド号で行く地底旅行は、こういった最新の研究を、あたかもダイヤモンドで出来た探査船に乗って見てきたかのように解説している本です。

岡山大学の地球断面図のコールドプリュームと書かれた部分に注目すると、(茶色で示した)海洋地殻物質が(薄い黄色の)上部マントルや(濃い黄色の)下部マントルの中まで沈み込んでいることが分かります。
『ダイヤモンド号』の旅は、この下降流(コールドプリューム)に乗って地球の深部まで進み、図の反対側に書いてある上昇流(ホットプリューム)に乗って帰ってくると言う旅程を進みます。

ダイヤモンド号で行く地底旅行は、専門書と大衆向けレーベルの中間ぐらいの難易度ですが、ダイヤモンド号からの『眺め』などは、とても詩的な表現がなされていて楽しい本です。

章構成は、下記の通りです。

  1. 未知への旅に出よう!
  2. 地球内部の運動と構造
  3. 沈み込むプレートに乗って
  4. 上部マントルの物質学
  5. 横たわるプレート
  6. 下部マントルをゆく
  7. 中心核へ
  8. 上昇するプリューム
  9. 帰還


地球科学カテゴリに関して


Twitterのプロフィールにもあるとおり私は電子工作が趣味の大学院生です。専攻は地球惑星科学と言うことになっています。

電子工作ブログに、地球惑星科学の話題もどうかと思いますが、最近は電子工作に割く時間も少なくなってきたし、科学・技術に興味がある方にとっては、地球科学も面白いはずだと信じてカテゴリ新設となりました。

実際のところ、高校地学は暗記教科の様相を呈していてあまり面白くありませんが、一方で、研究として行う地球科学は面白い学問だと思っています。
逆に、高校の物理・化学・生物学が面白いと感じた人は、生粋の物理・化学・生物学よりも地球科学のほうが専攻する学問として楽しめるのではないかとさえ感じます。

まあ、大抵の学問は何でも面白いのですが!

今回は、地球科学カテゴリのエントリの最初のものとして、私の研究分野で有名な愛媛大学の入舩徹男先生の本を紹介することにしました。

参考URL




参考文献/使用機器




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tag:  マントル ダイヤモンド 

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