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千石ガイガーキットのバックグラウンド経時変化

千石ガイガーキット組み立てのガイガーカウンターは、時間と共に感度が下がっていくように感じられました。
そこで、電源投入後から放電に従ってどのようにバックグラウンド計数値が変化するかを1分おきに測定しました。

その結果、電源投入から15分程度までの感度の変化は充分小さく、キャリレーションさえ行えば、ある程度の定量的な測定にも耐えそうだという結論に至りました。

001_20110614090106.png


時間と共に計数が減る?


千石ガイガーキット組み立てで組み立てた、千石電商で発売されているCK1026を使用したガイガー・ガウンターキットは、電源ボタンを押すと高電圧がコンデンサに充電され、その高電圧が放電されてしまうまでの間に放射線量をカウントすることが出来ます。

これを実際に使ってみると、電源投入直後は元気良く放射線量をカウントしているのですが、時間がたつにつれて感度が下がるように感じられました。

まんぼうのつれづれ日記さんの千石電商のCK1026ガイガーカウンタキットを組み立てたの記事によると

色々測定してみましたが、高圧電源が放電して電圧が下がっていと、カウント数がどんどん少なくなっていきます。計測する場合は、ボタンを押してからのタイミングをとらないときちんと比較できません。
ボタン押した直後3分で計測すると、大体105cpm位になってます。


との事です。

そこで、本エントリでは電源投入直後からのカウント数を1分間各で測定し、時間に応じてどのように計数が変化するかを確認しました。

測定方法


カウンタのリセットボタンを押した後、充電開始スイッチを1秒程度押してバックグラウンドの放射線測定を開始しました。
カウント数の記録は、ノートPC付属のカメラで1分おきにカウンタを写真撮影しました。


snap0000.jpg

snap0001.jpg

snap0002.jpg
fig.1-3: 測定中のガイガーカウンター


結果と考察


以下に測定結果を示します。


001_20110614090106.png
fig.4: 測定結果


横軸は時間で単位は分(minute)です。
縦軸は、1分あたりの計数(CPM:counts per minute)です。

電源投入直後から、15分程度までは、多少の減少傾向はありますが、ほぼ一定の計数を保っていることが分かります。ただし、万歩計カウンターは多少のパルスの取りこぼしをするようなので、実際の計数はより大きい可能性があります。
これに対して20分頃には計数が急速に減少してしまい、実用範囲で無くなることが読み取れます。

CK1026に限らない話ですが、ガイガー計数管の感度は、アノード電圧に依存しますが、電圧に対して比例して感度が変化するわけでは無く、規定の電圧範囲ではほぼ一定の感度になります。
この規定の電圧範囲をプラトー電圧と呼びます。

CK1026データシートによるとおよそ800Vから1000Vくらいまでがプラトー電圧のようです。


2011y06m14d_075308781.png
fig.5: CK1026のプラトー電圧


測定結果fig.4から、電源投入後およそ20分ぐらいでアノード電圧が700V程度まで下がってしまうのではないかと推定がつきます。

また、CK1026のデータシートからはバックグラウンドのカウント数は、標準値で60CPM、最大値で100CPMということになっています。
しかし、今回のエントリの測定からは、バックグラウンドが110CPM前後とやや高めの値を示しています。

原因はよく分かりません。回路自体の性能に起因する誤カウント、ガイガー管の経年劣化、本当にバックグラウンドの放射線量が高いなど、可能性なら色々考えられると思います。いずれにせよ、実用的なガイガーカウンターとして使うには標準線源を用意してキャリブレーションする必要があるでしょう。

元気が無いように感じる理由


主観的な解釈になりますが、ガイガーカウンターの電源投入後からのカウント数が見る見る減っていくような気がするのは、ブザーの『カリカリ音』が次第に弱くなっていくからでは無いかと思いました。

データシートから引用したfig.5のプラトー電圧のグラフには"Count / Minute vs. Anode Voltage"のほかに"Pulse Amplitude vs. Anode Voltage"のグラフも描かれています。
これは、放射線が入射したときの発生パルスの強さとアノード電圧の関係を表したものだと思います。
この図から、ガイガー管の計数感度と比較して、出力パルスの大きさはアノード電圧につよく依存することが読み取れます。パルス電圧が高くなると、その分ブザーを駆動するパルス幅が大きくなるので、体感的にはブザーの『カリカリ音』が大きくなります。
電源投入直後から、次第に元気が無くなっていくように感じるのは、主にこの影響ではないかと思います。

結論


千石ガイガーカウンターキットを電源投入からずっと観察していると、次第に元気が無くなっていくように感じます。
しかしながら、それは主にブザーの音量が小さくなっていくことが原因で、ガイガー管の感度自体は、電源投入15分後程度まで、ほぼ一定のまま変化しません。

電源投入から15分以降では、急速に感度が下がってしまうため連続しようのためには再充電が必要です。

バックグラウンドがデータシートの値よりもかなり高く出ているので、定量的な測定が行いたい場合は、標準試料となる線源でキャリブレーションが必要となるでしょう。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用した測定データを添付します。


参考文献/使用機器



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tag: ガイガー管 CK1026 

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Secret

質問

はじめまして。
CK1026の不安定さの原因を調べていて、このサイトにきました。
私も同じようにカウントの現象を検証しました。
結論は同じです。カウンティングはチャージ後しばらくは安定するようです。
ところが、私のキットではもう一つ不思議な問題が発生しました。はじめのチュージでは120CPMぐらいなのですが、途中でまたチャージすると、カウントが200CPM、さらに行うとどんどんあがり、360CPMぐらいまで上昇します。限度はそのくらいです。
カウントが多いですが、カウンティングは安定します。
こんな現象はおきますでしょうか?
コンデンサの異常でしょうか?
もしもご存知でしたらお教えください。

Re: 質問

たかはしさん、はじめまして。

その現象は、認識していませんでした。
私も追試をしてみようと思います。

No title

お返事ありがとうございます。
パーツの破損なのか、この装置の特性なのか
切り分けにこまってます。
でも、部品をはずして検証もつらいし。
現象を確認いただけるととても助かります。

よろしくお願い致します。

たかはし

Re: No title

たかはしさん

追試を行いました。以下がその結果です。
横軸が時間(minute)で、縦軸がカウント数(CPM)です。
値がゼロになっている2点で、再充電を行いました。

http://blog-imgs-17.fc2.com/g/o/m/gomisai/geiger2.png

再充電の後にカウント数が上昇しているところまでは再現しています。
ただし、2倍や3倍までは上昇していません。
また、カウント数が通常より高い点からの方が、カウント数の減少も早いようです。

ちょっと解釈に悩む感じなので、取り急ぎ結果まで。

No title

残念だけど、上昇しましたか。。。

グラフまで作成いただきありがとうございます。
45分の検証とはおそれいりました。

せっかくグラフを作成いただいたので、週末に同じ時間軸で検証してみます。
ちなみにチャージはどのくらいですか1sec, 2sec?
感覚的にですが、同じようなグラフになりそうです。ただカウントが極端におちるタイミングはもう少し長いような気がします。検証したことがありません。チャージ時間は1secぐらいです。

2倍、3倍等になるには、チャージのタイミングが違います。通電して1分後にチャージを行ってみてください。

私の装置はビックリするほど上がっていきます。

Re: No title

たかはしさん

チャージ時間は、比較的長めに取りました。2-3秒くらいだったと思います。
これ以上追い込もうと考えるなら、少々手間でも電圧を測ることを考える必要があるのではないかと思います。
入力インピーダンスの高いプローブを自作する必要があるかもしれませんが。

感謝いたします。

再チャージではカウント上昇により、想定的な測定しかできないため、再チャージなしでのキャリブレーションを行いました。

10Secごとのカウント数を計測しました。
(ビデオに撮って、気力で180ポイントの計測値をおとし込みました。)
※10secごとのキャプチャーがおとせる動画編集ソフトがあればよかったのですが。。。

生データをアップしておきます。
http://fine.ap.teacup.com/konkonkon/html/gmtest20110626.xls

実際に測れるかどうかはやはりホットスポットに行かなければ実証できないかと思います。

実家は福島市ですので、近くタイミングがあれば行ってみて、使えるようであれば置いてこようと思っております。

いろいろと検証およびアドバイスをいただき、感謝しております。

これからも製作、がんばってください。

たまに遊びに来たいと思っております。

たかはし

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