LTspiceでビヘイビア電源ほか

以下のLTspiceの基本素子を簡単に列挙しました。

  • 電圧制御電圧源(E)
  • 電圧制御電流源(G)
  • 電圧源を電流計として使う
  • 電流制御電流源(F)
  • 電流制御電圧源(H)
  • ビヘイビア電源(BV,BI)
  • 電圧制御抵抗(VCR)
  • 電圧制御スイッチ(SW)


今回書いたサンプルは、きわめて基本的な使用方法ですが、中村 利男(NAKAMURA Toshio)さんのフリーソフトで楽々エンジニアリングの中にあるBehavioral Model の使い方には、より詳しい使い方が解説されています。


電圧制御電圧源(E)


電圧制御電圧源は、回路上の2点間の電圧に比例した電圧を発生する電源です。
周波数特性等のない理想的なOPアンプと考えることもできます。


001_20101109233349.png
fig.1: 電圧制御電圧源

002_20101109233348.png
fig.2: V1の2倍の電圧を発生


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧制御電流源(G)


電圧制御電流源は、電圧制御電圧源と良く似た電源で、入力された電圧に比例した電流を出力する電流源です。


003_20101109233348.png
fig.3: 電圧制御電流源

004_20101109233348.png
fig.4: V1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧源を電流計として使う


LTspiceでは、素子に流れる電流を表示することができます。しかし、ブリッジ回路のように理想的には短絡している部分の電流値を測りたいと考える場面もあります。
そういった場合は、0Vの電圧源を挿入して電流形の代用とします。


005_20101109233347.png

006_20101109233347.png
fig.5-6: ホイートストンブリッジの検流計




電流制御電流源(F)


名称からある程度想像できると思いますが、ある点に流れる電流に比例する電流を流す電流源です。
電流の検出には、前述の電圧源を電流計として利用する方法を用います。


007_20101109233414.png
fig.7: 電流制御電流源

008_20101109233414.png
fig.8: I1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのSpiceLineに電流検出用の電圧源の名称を、valueの欄に増幅率を指定します。



電流制御電圧源(H)


もはや説明の必要も無いでしょう。
電流値に比例した電圧を出力する電圧源です。


009_20101109233413.png
fig.9: 電流制御電圧源

010_20101109233413.png
fig.10: I1の2倍の電圧出力




ビヘイビア電源(BV,BI)


これまで触れた電(圧|流)制御電(圧|流)源は、ひとつの入力に対して、単純に比例する出力を得るものでした。
これに対してビヘイビア電(圧|流)源は、複数の入力に対して、複雑な関係となる出力を得ることが出来ます。

使い方はV=F(...)となっているところに直接数式を打ち込みます。
数式の中で使える関数や演算子はLTspiceのHelp TopicsからB. Arbitrary behavioral voltage or current sources.の欄を参照してください。


011_20101109233413.png
fig.11: ビヘービア電圧源で作った絶対値回路

012_20101109233413.png
fig.12: V(in)の絶対値を出力


電圧制御抵抗(VCR)


電圧によって電圧や電流を制御できるならば、抵抗値が変化する素子が合ってもいいと考えるのは自然な流れだと思います。
LTspiceでは比較的簡単に実現できます。LTspiceで電圧制御抵抗(VCR)をどうぞ。

応用例としてはLTspiceで自己発熱するサーミスタなど。

電圧制御スイッチ(SW)


入力に対して非線形に抵抗値が変化する、電圧制御スイッチもあります。


013_20101109233913.png

014_20101109233913.png
fig.13-14: スイッチ


SPICE Directiveをつかってモデルを指定する必要があります。
このとき指定できるパラメータには、ON抵抗やOFF抵抗、また、制御入力のしきい値などがあります。制御入力はヒステリシスを持たせることもでき、指定方法はLTspiceでデジタル回路 その1のしきい値の書式と同じです。



ねがてぃぶろぐの付録


本ブログでは、LTspiceを用いてシミュレーションを行った場合、できる限り読者の方々が自分のPCで再現ができるように、回路図ファイルとプロットファイルを公開するようにしています。

例えばLTspiceクイック・スタートでは、エントリの最後の方に付録としてrelax-osc_asc.txt(回路図ファイル)とrelax-osc_plt.txt(プロットファイル,どの信号をグラフ上に表示するかを指定するファイル)へのリンクを設けています。

このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


上記のとおり、relax-osc_asc.txtからrelax-osc.ascへ名前を変更します。
LTspiceが既にインストールしてあれば、アイコンの形がテキスト形式のものからNPNトランジスタの形へ変化し、ダブルクリックからLTspiceで開けるようになります。
LTspiceのインストールをしていない方はLTspiceのインストールと初期設定を参考にインストールしてください。


001_20101116055220.png
fig.1: _asc.txt → .asc


同様にrelax-osc_plt.txtからrelax-osc.pltへ名前を変更します。こちらは、テキスト形式のアイコンから、未登録ファイルのアイコンへ変わるはずです。

関連エントリ




参考URL




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。


tag: LTspice 定電流 

comment

Secret

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoC強磁性CPAPICOPアンプecalj状態密度常微分方程式モンテカルロ解析odeトランジスタインターフェースDOS定電流PDS5022スイッチング回路半導体分散関係シェルスクリプトレベルシフト乱数HP6632A可変抵抗I2Cトランジスタ技術温度解析R6452Aブレッドボード数値積分確率論バンド構造バンドギャップセミナー反強磁性絶縁熱設計偏微分方程式非線形方程式ソルバA/Dコンバータフォトカプラカオス三端子レギュレータISO-I2CPWscfLM358GW近似シュミットトリガLEDマフィンティン半径数値微分サーボ発振回路TL431直流動作点解析USBカレントミラー補間PC817Cアナログスイッチ74HC4053VESTAbzqlty電子負荷イジング模型アセンブラQuantumESPRESSOLDAチョッパアンプBSch開発環境単振り子量子力学2ちゃんねるFFT基本並進ベクトル標準ロジックブラべ格子パラメトリック解析位相図キュリー温度ラプラス方程式繰り返し抵抗熱伝導スイッチト・キャパシタ状態方程式MaximaSMP失敗談gfortran六方最密充填構造コバルトTLP621不規則合金スピン軌道相互作用ランダムウォーク最適化ewidth相対論FETQSGWスレーターポーリング曲線VCA仮想結晶近似GGAcygwinQuantum_ESPRESSO条件分岐詰め回路NE555LM555固有値問題最小値ガイガー管QNAPUPSダイヤモンドマントルデータロガーゼーベック係数TLP552シュレディンガー方程式ZnO最大値CIF格子比熱xcrysdenMCUハーフメタル井戸型ポテンシャル三角波ブラウン運動フェルミ面awk差し込みグラフスーパーセルFXA-7020ZR過渡解析起電力fsolveOpenMPUbuntuWriter509テスタ熱力学第一原理計算TLP521ubuntu平均場近似自動計測CK1026MAS830LトランスPIC16F785フィルタAACircuitCapSense負帰還安定性ノコギリ波ナイキスト線図EAGLE2SC1815P-10PGAOPA2277MBELMC662入出力FSMTeX結晶磁気異方性非線型方程式ソルバ固定スピンモーメント全エネルギーmultiplotgnuplotc/aL10構造fcc等高線ジバニャン方程式ヒストグラム確率論正規分布初期値面心立方構造ウィグナーザイツ胞interp1合金半金属電荷密度重積分SIC二相共存磁気モーメント不純物問題cif2cellPWgui擬ポテンシャルウルツ鉱構造BaOquantumESPRESSOフォノンデバイ模型edeltリジッドバンド模型岩塩構造ルチル構造スワップ領域マテリアルデザインspecx.fフラクタルマンデルブロ集合キーボードRealforceクーロン散乱三次元疎行列縮退化学反応関数フィッティング最小二乗法Excel直流解析PCTS-110TS-112日本語パラメータ・モデル等価回路モデル文字列状態図熱拡散方程式HiLAPW両対数グラフ陰解法Crank-Nicolson法ifort境界条件連立一次方程式片対数グラフグラフの分割円周率ヒストグラム不規則局所モーメントGimpシンボル軸ラベル凡例線種トラックボール

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ