スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


超音波距離計 第六回:送信パルス数

超音波素子の等価回路のSPICEモデルを用いて、超音波距離計の測定用送信パルスの数を変化させたときの出力エネルギーの変化をLTspiceを用いた過渡解析から調べました。

その結果、定常状態へ至るまえにオーバーシュート様の消費電力ピークが見られ、此処まで到達するためには30程度の送信パルスが必要であることがわかりました。
001_20101102040216.png 002_20101102040215.png 003_20101102040215.png


送信パルス数と計測距離の関係


超音波距離計 第五回:ドライバの出力抵抗では、超音波送信素子での消費電力に対するドライバの出力抵抗の影響を調べ、影響があまり大きくないことが分かりました。

一方で、計測可能距離に大きく影響するパラメータとして、ドライバの送信パルス数が知られています。
基本的には送信パルス数を増やす方が、最大計測可能距離が増します。しかしながら、実際の測定距離が短いときに過剰に長くパルスを送信すると、反射波が到達するときにまだ送信を続けていて、送信波形の回り込みと反射波の見分けが付かなくなるという問題もあります。
そこで秋月距離計では、3m以下を測定する場合は5パルス程度、10mまで測定することを目標にする場合は、30パルス程度を送信するしようとなっているようです。

今回のエントリでは、LTspiceを用いた過渡解析からパルス数と送信素子における消費電力の関係をシミュレーションしてみます。

シミュレーション結果


シミュレーションしたパルス数は、秋月超音波距離計に倣って5パルス・30パルス・1000パルス(実質的に無限)としました。fig.1-2にシミュレーションのスケマティックとR1での消費電力を示します。


001_20101102040216.png
fig.1: ドライブ回路のスケマティック

002_20101102040215.png
fig.2: パルス数による送信出力の変化


過渡解析では、共振が安定するまでに消費電力の激しいオーバーシュートが見られます。
5パルスではオーバーシュートの頂点まで達しませんが、30パルスは頂点まで達していますが、波形が安定するまでは至っていません。

パルス数と測定可能領域


パルス数を増していっても、いずれ出力強度が安定する定常状態へと達します。
一方で、受信回路の過渡解析における検波回路の出力もパルス数に応じて出力電圧が上昇した後に安定するという挙動を示しています。
したがって、パルス数を増して行ってもいずれかの時点で測定可能距離が増加しなくなることが予想されます。
このことを、模式的に表したのがfig.3のピンクのラインです。星型のシンボルで表したのが測定可能距離が飽和するパルス数です。


003_20101102040215.png
fig.3: パルス数-測定距離特性による測定可能領域


ピンクのラインに加えて、反射による測定距離の下限を考慮すると、超音波距離計の測定可能距離は定性的にピンクと青のラインに囲まれた領域となることが分かります。
マイコン制御で広い測定可能領域をもつ超音波距離計を作成するならば、測定距離に応じて送信パルス数を可変するアルゴリズムを取り入れるのが効果的でしょう。

反射による下限のラインは定量的に引くことができるので、問題は計測可能距離が飽和する星型のシンボルであらわした点の送信パルス数です。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。


tag: LTspice 

comment

Secret

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoC強磁性CPAPICOPアンプecalj状態密度モンテカルロ解析常微分方程式トランジスタodeDOSインターフェースPDS5022定電流スイッチング回路分散関係半導体シェルスクリプトレベルシフト乱数HP6632A可変抵抗トランジスタ技術R6452AI2C温度解析ブレッドボードバンドギャップ確率論反強磁性セミナーバンド構造数値積分偏微分方程式非線形方程式ソルバ熱設計絶縁三端子レギュレータISO-I2CA/DコンバータシュミットトリガフォトカプラカオスPWscfGW近似LM358LEDマフィンティン半径発振回路USB数値微分TL431PC817Cサーボアナログスイッチ直流動作点解析補間カレントミラー74HC4053bzqltyチョッパアンプFFT2ちゃんねる開発環境量子力学単振り子電子負荷VESTAQuantumESPRESSO標準ロジックパラメトリック解析ブラべ格子イジング模型アセンブラLDA基本並進ベクトルBSchSMPTLP621失敗談六方最密充填構造コバルト位相図QSGWGGAスイッチト・キャパシタewidth状態方程式VCAキュリー温度繰り返し最適化仮想結晶近似不規則合金熱伝導gfortran相対論抵抗FETMaximaQuantum_ESPRESSOcygwinランダムウォークラプラス方程式スピン軌道相互作用スレーターポーリング曲線マントルシュレディンガー方程式ZnO自動計測QNAP固有値問題ダイヤモンドデータロガー井戸型ポテンシャルTLP552CIFxcrysdenゼーベック係数熱力学条件分岐MCU最小値UPS格子比熱最大値ガイガー管平均場近似過渡解析Writer509スーパーセルFXA-7020ZR差し込みグラフ第一原理計算テスタ起電力OpenMP三角波ubuntuLM555NE555ブラウン運動詰め回路ハーフメタルawkfsolveUbuntuフェルミ面TLP521トランスMAS830LPGACK1026OPA2277フィルタトレーナーバトルEAGLEノコギリ波負帰還安定性ナイキスト線図MBEP-10LMC6622SC1815CapSenseAACircuitPIC16F785入出力固定スピンモーメントFSMTeX結晶磁気異方性全エネルギーc/a合金multiplotgnuplot非線型方程式ソルバL10構造正規分布等高線ジバニャン方程式ヒストグラム確率論初期値interp1fcc面心立方構造ウィグナーザイツ胞半金属デバイ模型磁気モーメント電荷密度重積分SIC不純物問題擬ポテンシャル状態図cif2cellPWgui二相共存ウルツ鉱構造edeltquantumESPRESSOフォノンリジッドバンド模型スワップ領域BaO岩塩構造ルチル構造マテリアルデザインspecx.fフラクタルマンデルブロ集合キーボードRealforceクーロン散乱三次元疎行列縮退化学反応関数フィッティング最小二乗法Excel直流解析PCTS-110TS-112日本語パラメータ・モデル等価回路モデル文字列ポケモンGO熱拡散方程式HiLAPW両対数グラフ片対数グラフ陰解法Crank-Nicolson法ifort境界条件連立一次方程式グラフの分割軸ラベルヒストグラム不規則局所モーメントスーパーリーグ円周率Gimp凡例線種シンボルトラックボール

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。