スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


超音波距離計 第五回:ドライバの出力抵抗

超音波素子の等価回路でモデル化した超音波送信回路のLTspiceシミュレーションから、ドライバの出力抵抗が送信強度に与える影響を調べました。
その結果、200Ωの出力抵抗に対しても出力強度は1割り程度しか減衰しないことが分かりました。

007_20101031155757.png 008_20101031155756.png


超音波素子の等価回路で、超音波素子のSPICE等価回路モデルをかきました。今回は、送信用ドライバの出力抵抗が、出力エネルギーに与える影響をLTspiceを利用してシミュレーションします。

出力抵抗ゼロのときの駆動電流


秋月電子通商の超音波デジタル距離計キットでは、その出力ドライバにCMOS4000シリーズの4069を並列にしたものを用いています。


001_20101031155738.png
fig.1: 秋月超音波距離計の出力ドライバ


4000シリーズの標準ロジックが利用されているのは、74HCシリーズなどと比較して高い電源電圧で使える(≒送信強度を上げられる)ためだとおもいます。
このときの出力抵抗をゼロと仮定して、電源電圧VDD=9Vで駆動したときの定常状態におけるシミュレーション結果をfig.2-3に示します。


002_20101031155737.png
003_20101031155737.png
fig.2-3: 出力抵抗ゼロのときの電流波形


スパイク状の電流部分を除いて、およそ4mAp-0の正弦波となっていることが分かります。

4000シリーズの出力抵抗


CMOS4050の出力抵抗にて、4050の出力抵抗の測定を行いました。


004_20101008032452.png
fig.4: 4050の出力抵抗


その結果、電源電圧VDD=9Vで、出力電流が~10mA以下の領域では、出力抵抗が定抵抗的な振る舞いをすることが分かりました。
秋月超音波距離計で使用されているドライバは同じ4000シリーズの4069なので、特性が比較的似ているはずです。


005_20101031155737.png
fig.5: 4069の出力電流特性

006_20101031155737.png
fig.6: 4050の出力電流特性


東芝セミコンダクタ4000シリーズCMOSロジックIC一覧表から4069と4050の出力電流特性の項目を比較したところ、電源電圧VDD=10Vで25℃のときの出力電圧降下ΔV=0.5Vという(実際の超音波距離計の使用条件に近い)条件における出力電流は、4069でIoh=-2.2mA,Iol=3.2mAと4050のIoh=-2.5mAと近い値でありました。

したがって今後のエントリでは、9V動作時の4069の出力抵抗は測定した4050の特性と近いと仮定します。
fig.4より、出力電流が4mA以下の領域では、出力抵抗は定抵抗的であり、バッファ1個あたりでおよそ200Ωです。これを2並列・2直列として、トータルで(200//200)+(200//200)=200Ωの出力抵抗としてモデル化します。

出力抵抗による出力強度への影響


超音波素子の等価回路での考察から、R1における消費電力が超音波の送信強度の指標となると考えます。
出力抵抗の効果を見るために、0Ω(1mΩ),100Ω,200Ωと出力抵抗のパラメータをスイープしてシミュレーションを行いました。


007_20101031155757.png
008_20101031155756.png
fig.7-8: 送信強度に対するドライバの出力抵抗の影響


赤・緑・青の順に出力抵抗が大きくなります。
200Ωのときの出力抵抗の存在は、定性的に送信強度を1割り程度小さくすることが分かります。
最も重要な問題は、このR1における消費電力の変化が、現実の測定可能距離に対してどの程度の影響を与えるかという点ですが、それは残念ながらシミュレーションだけから判断するのは難しいでしょう。

しかしながら、私には、200Ωという直感的に言って大きく感じられる出力抵抗と比較して、受ける影響が小さいと感じられました。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。


tag: LTspice 

comment

Secret

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRScilabmachikaneyamaKKRPSoCCPAOPアンプPIC強磁性モンテカルロ解析常微分方程式トランジスタodeインターフェース状態密度DOSecalj定電流PDS5022スイッチング回路半導体シェルスクリプト乱数レベルシフトHP6632A温度解析ブレッドボードI2CR6452A分散関係トランジスタ技術可変抵抗確率論数値積分反強磁性セミナー非線形方程式ソルバ絶縁バンドギャップ熱設計偏微分方程式バンド構造GW近似カオス三端子レギュレータLEDフォトカプラシュミットトリガISO-I2CA/DコンバータLM358USBカレントミラーTL431マフィンティン半径PC817C数値微分アナログスイッチ発振回路サーボ直流動作点解析74HC40532ちゃんねる標準ロジックチョッパアンプLDAアセンブラFFTbzqltyイジング模型ブラべ格子開発環境補間量子力学電子負荷BSchパラメトリック解析単振り子基本並進ベクトル熱伝導繰り返しGGAMaximaTLP621ewidthSMP相対論抵抗位相図ランダムウォークスピン軌道相互作用六方最密充填構造不規則合金FETコバルト失敗談QSGWcygwinスレーターポーリング曲線スイッチト・キャパシタラプラス方程式gfortranキュリー温度状態方程式条件分岐格子比熱TLP552LM555TLP521三角波NE555過渡解析FXA-7020ZRWriter509テスタ詰め回路MCUマントルダイヤモンドQNAPデータロガーガイガー管自動計測UPS井戸型ポテンシャルawk第一原理計算仮想結晶近似ブラウン運動差し込みグラフ平均場近似fsolve起電力熱力学OpenMPスーパーセル固有値問題最適化最小値VCAシュレディンガー方程式VESTAubuntu最大値面心立方構造PGAOPA2277L10構造非線型方程式ソルバ2SC1815fccフェルミ面等高線ジバニャン方程式ヒストグラム確率論マテリアルデザイン正規分布結晶磁気異方性interp1フィルタ初期値ウィグナーザイツ胞c/aルチル構造岩塩構造スワップ領域リジッドバンド模型edeltBaOウルツ鉱構造重積分SIC二相共存ZnOquantumESPRESSOCapSensegnuplotmultiplot全エネルギー固定スピンモーメントFSM合金ノコギリ波フォノンデバイ模型ハーフメタル半金属TeXifortTS-110不規則局所モーメントTS-112等価回路モデルパラメータ・モデルヒストグラムExcel円周率GimpトラックボールPC直流解析入出力文字列マンデルブロ集合キーボードフラクタル化学反応三次元Realforce縮退日本語最小二乗法関数フィッティング疎行列シンボル線種ナイキスト線図陰解法負帰還安定性熱拡散方程式EAGLECrank-Nicolson法連立一次方程式P-10クーロン散乱Ubuntu境界条件MBEHiLAPW軸ラベルトランスCK1026MAS830L凡例PIC16F785LMC662AACircuit両対数グラフ片対数グラフグラフの分割specx.f

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。