LTspiceで出力インピーダンス

電源の出力インピーダンスなどのように、電源の出力インピーダンスは、電源内部に抵抗(インピーダンス)を持つモデルとして表されます。
しかしながら、この内部抵抗は負荷などのさまざまな条件によって値を変えます。
そこで、本エントリでは負荷変動に対して出力インピーダンスがどのように変化するのかのシミュレーションをLTspiceを用いて行いました。

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出力インピーダンスの測定


電源の出力インピーダンスは、負荷抵抗をスイッチングすることによって測定することができます。この負荷抵抗の値を連続的に変化させると、各負荷領域における出力インピーダンスを測定することができそうです。(参考:HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編)

HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編で求められた出力インピーダンスは、HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験の結果と比較しても、ミノムシクリップの接触抵抗が主要な成分であると考えられます。そのため、出力インピーダンスは負荷にかかわらず一定です。
しかしながら、乾電池の内部抵抗などは負荷電流に対して変動します。

そこで、より一般的には、出力インピーダンスは負荷抵抗に対する微分の形で表されるはずです。

微分から求める出力インピーダンス



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fig.1: 出力インピーダンス測定回路


スイッチを開いたときと閉じたときの回路についてそれぞれ式を立てると

V=(R_o + R_L) \times I

V=(R_o + R_L + \Delta R) \times (I + \Delta I)


これをRoいついて解くと
R_o = - R_L - \Delta R - I \frac{\Delta R}{\Delta I}


ΔR→0,ΔI→0のとき
_eq_1b18.png


電流源の出力インピーダンス


電源の出力インピーダンスでは、電流源では出力インピーダンスが大きい方が優れた電源であると書きました。これは、出力インピーダンスの大きさが負荷が変動したときの電流の変動のしにくさを表していると言うことと関係しています。

LTspiceのグラフウインドウではd()/d()を使って微分を表すことができます。


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fig.2-3: 出力インピーダンス100kΩの電流源


fig.2-3は出力インピーダンスR1を微分から求めたものです。
多少の計算誤差が見られるようですが、ほぼ100kΩとなることがグラフから読み取れます。

TL431による10mA定電流源


これまでは、負荷変動に対して一定な出力インピーダンスを持つ電源の出力インピーダンスのシミュレーションをしました。
次により現実的な、負荷変動に対して出力インピーダンスが非線形に変化する回路のシミュレーションを行います。

以下に示すのはTL431で低抵抗測定用10mA定電流源で設計した定電流回路です。


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fig.4-5: TL431による定電流回路


グラフ中の緑のラインが定電流回路の出力インピーダンスです。
負荷が30Ωより小さいときは、およそ150kΩの出力インピーダンスを持つ理想的な電流源として振舞います。負荷が30Ω以上になると出力インピーダンスが470Ω程度まで下がり、出力電流を表す赤のグラフも負荷抵抗に応じて下がっていきます。

470Ωというのは、R1+R3の抵抗値です。
電源電圧が5Vと言う今回の条件では、R1+R2+R3が500Ωをこえると10mAの電流が取れなくなるため、TL431の制御から外れて定電流制御が出来なくなります。

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付録


このエントリで使用したBSch3V形式の回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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