LTspiceで入力インピーダンス

増幅回路において、入力インピーダンスは重要なパラメータの1つです。今回はLTspiceを用いて交流アンプの入力インピーダンスの評価をしてみました。
その結果、ブートストラップ方式の非反転増幅回路が高い入力インピーダンスを持つことを確認しました。

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交流アンプの入力インピーダンス


OPアンプを用いた直流増幅回路を考えたとき、入力インピーダンスが入力抵抗によって決まってしまう反転増幅回路よりも、非反転増幅回路のほうが入力インピーダンスを高くすることができます。

しかしながら、これをそのまま交流結合した非反転増幅回路に転用しようとしても、入力インピーダンスはあまり大きくすることができません。なぜなら、直流カットコンデンサとバイアス抵抗の直列合成インピーダンスによって、入力インピーダンスが決まってしまうからです。

こういった場合は、ブートストラップの手法を用いて入力インピーダンスを大きくすることができます。
本エントリでは、LTspiceを用いてブートストラップ式高入力インピーダンス交流非反転増幅回路の入力インピーダンスを評価する方法を書きます。

ブートストラップ回路のシミュレーション


fig.1にブートストラップ回路のスケマティックを示します。
回路の出典は、岡村 廸夫 著「定本 OPアンプ回路の設計」の「7.2 ブートストラップの技法」で私の手元にある第21版ではP195です。


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fig.1: スケマティック

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fig.2: 周波数-入力インピーダンス特性


10Hzの段階でも1.2MΩ程度の入力インピーダンスを持ち、周波数があがるにつれ上昇しますが、3kHz付近で頭打ちになります。
頭打ちになる理由は、ボルテージフォロワ自体の入力抵抗と容量と定本にはあります。

蛇足


定本の解説では、10Hzで12MΩの入力インピーダンスになるとありますが、シミュレーション結果は一桁低い値でした。
何かシミュレーションの方法が間違っている可能性もあります。

実を言うと、定本の回路図のコンデンサの容量には、「2」と書いてあるだけで単位がついていません。今回は2uFでシミュレーションをしましたが、20uFでシミュレーションをすれば10Hzで12MΩになります。

なお、反転増幅回路において、入力インピーダンスを高くする手法としてはT型帰還回路を用いる方法があります。

付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


参考文献




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tag: LTspice OPアンプ 

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2

私の手元にあるハードカバー版のボルテージ・フォロワ回路(p105)を確認しましたが、これも"2"とだけ書いてあります。

この回路で、100Hzの時のXC1,XC2の値を計算した結果が約800Ωとされているので、ここから逆算すると、C1は2uFであることがわかります。

きっと、"μ"活字を後で入れようとして忘れたのでしょう。

私の本では、非反転増幅器の解説(p.107)に「Aを理想増幅器とした場合、入力インピーダンスは100Hzで約250MΩにすることができます。」と、さらに威勢のよいことが書いてあります。

Re: 2

のりたんさん、こんにちは。

> 私の手元にあるハードカバー版のボルテージ・フォロワ回路(p105)

版によってページ数が違うのですね。

> きっと、"μ"活字を後で入れようとして忘れたのでしょう。

なるほど、納得です。
最初は、いろいろ悩んでしまいました。
小信号のコンデンサは"μ"を省略して書いても良いという作法があるのではないか?とか、実は本当に2Fなのではないか?とかです。
単純に回路図エディタ上で"μ"が出せなかったのでしょうね。

> 私の本では、非反転増幅器の解説(p.107)に「Aを理想増幅器とした場合、入力インピーダンスは100Hzで約250MΩにすることができます。」と、さらに威勢のよいことが書いてあります。

私の手元の本(21版)にも同じことが書いてあります。ただ、非反転増幅器の回路ではR1=R2=470kとなっていて、このパラメータでシミュレーションをしてみると、100Hzでの入力インピーダンスは280MΩぐらいになりました。
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