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PSoC/SMP効率測定

AN2097は、負荷電流と効率の関係を表すグラフが無かったので、この関係を調べるため測定をしました。
その結果、最高の条件下では出力電流は100mA程度まで取り出せ、効率は80%前後になることが分かりました。

001_20090807133548.png 003_20090807133548.png


AN2097


PSoCのSMPについて書かれた文章としては、AN2097:Power Management - Switch Mode Pumpが挙げられます。このアプリケーションノートでは、3.3V動作と5V動作のそれぞれに関して、インダクタンス・入力電圧・周囲温度を変更したときの最大出力電流・変換効率に関してのデータがまとめられています。

一般的に、DCDCの変換効率を低下させる損失は、低負荷電流領域ではコントローラの静的な消費が、高負荷電流領域ではコイルやスイッチ(MOSFET,SBD)でのジュール損がそれぞれ支配的です。

バッテリー動作において、その動作可能時間を見積もるために必要なのは、その負荷電流領域におけるバッテリの初期電圧から終端電圧までの変換効率です。
そこで、本エントリではSMPの負荷電流-効率特性の測定を行いました。

想定する動作条件


今回の測定では、1.5V乾電池を3直列で初期電圧4.5Vから終端電圧3.0Vまで使用することを想定して、以下の条件としました。

  • 出力電圧:5V
  • 入力電圧:3.0~4.5V(1.5V電池3直列)
  • システムクロック周波数:6MHz,24MHz


実験回路


実験に使用した回路の回路図を以下に示します。


001_20090807133548.png
fig.1: 全体の構成

002_20090807133649.png
fig.2: SMP基板の回路構成


負荷は自作の電子負荷、電圧測定はR6452A、電流測定はMETEX P-10のGreenとYellowを用いました。

インダクタはトーキンSNT-D20TFノーマルモードチョーク1.5A/10μH/45mΩを、ショットキーバリアダイオード(SBD)は11EQS04をそれぞれ用いました。どちらも秋葉原の鈴商で購入できます。

fig.2の回路は、PSoC/SMP電流増強の回路の流用ですが、PNPトランジスタの部分は今回は使用していません。

結果


以下に結果のグラフを示します。


003_20090807133548.png
fig.3: 負荷電流-効率曲線


低負荷電流領域では、コントローラの静的消費により効率が低い。高負荷電流領域に行くにしたがって静的消費の割合が相対的に減るため効率が上昇するが、インダクタやスイッチのジュール損の影響で頭打ちになる。同じ負荷電流では、入出力電位差が小さい方がコイルやスイッチに流れる電流が小さくなるため、効率がよくなり、システムクロック周波数が低い方が静的消費が少なくなるため効率がよくなる。といったことが読み取れます。

無負荷時の入力電流・消費電力


ブーストコンバータの効率低下の要因は、静的消費とジュール損です。
システムクロック周波数に応じて静的消費が変化すると考えれば、同一クロックにおける入力電圧に起因する入力電力の変化は、入力電力にともなうジュール損の変化を表していると考えられます。

3.0V 24MHz4.5V 24MHz3.0V 6MHz4.5V 6MHz
入力電流[mA]38.619.423.38.73
入力電力[mW]115.887.1269.6737.66


CPUのトリップ


fig.3において、Input:3.0V,6MHz(青の点)100mA付近での効率が特異的に悪化しているのは、SMPの出力電流の限界を超えてしまい、出力電圧が低下し、CPUがトリップして動作が不安定になったためMCUでの消費電力が増えたのではないかと考えています。


004_20090807133649.png
fig.4: 負荷電流過多による出力電圧の低下


結果の意味するところ


PICマイコンのNOPとGOTOの消費電力等を見ても分かるとおり、MCUの消費電力は、その実行している命令の種類や動作させている内部モジュールの種類や数・設定に応じて変化します。
このため、スイッチングレギュレータ制御ICでつくったDCDCコンバータと同様な理屈で効率を議論するのは、少しおかしく感じるかもしれません。

今回の効率測定の結果は、あくまで最大値だと考えるべきでしょう。

関連エントリ




参考URL




参考文献




付録


このエントリで使用したBSch3V形式回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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