LTspiceでHS15P湿度計

秋月の湿度計キットから再設計されたe電子工房湿度計(その2)の回路をLTspiceでシミュレーションしました。
湿度80%以下の領域では数%の誤差範囲内に収まっていること、5~45℃の温度範囲で温度補償がなされていることが確認できました。

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○不幸にして秋月のキットを購入したみなさまへ
秋月電子通商のキットは製作が難しいものも多いことで有名ですが、中でも多くの人がに失敗しているものとして、デジタル湿度計キットが挙げられます。

このキットは、e電子工房湿度計の記事によると、設計ミスが存在するため、そのまま組み立てても正常動作させることは出来ないとのこと。

e電子工房のEinsteinさんは湿度計(その2)のページで、秋月のキットの部品を流用しつつ、新規に設計した湿度計の回路を公開されています。
実は私も、2005年の今頃、秋月の湿度計キットをそのまま組み立て、動作させることが出来ず、このページの回路にお世話になった経験があります。

○初心者・入門者の集うスレ 22
以上の回路について、2ちゃんねるの電気電子板電子工作入門者・初心者の集うスレ 22にて

95 名前:774ワット発電中さん[sage] 投稿日:2009/06/26(金) 03:52:30 ID:8iihpNHk
丸投げで悪いんだけど、これって動くと思う?
LTSpiceでシミュレーションしても、tolerance云々とかいうエラーでうまく動かなくて
ttp://einst.hp.infoseek.co.jp/hum/hum2.html

仮想接地でなく、理想電源与えた上でのシミュレーションでは、発振回路と対数変換・半波整流回路はほぼ正しく機能した
発振のみ実際組んでみたけど、不安定ながらも動く時は動いた
けど次の2点が不安

・仮想接地ってOPアンプで作ってるけど、これが正常に機能するのは
その接地に流れる電流がOPアンプの吸い込み、吐き出し電流量以内のときだよね?
大きい電流流すような使い方じゃないから、どっちみち無問題だとは思うんだけど

・真ん中辺りの調整方法の回路図、差動増幅っぽい使い方だけど、典型的なものとは違うよね
これで正常に機能する?


と言う質問が出ていました。
懐かしい回路でもあるので、LTspiceにてシミュレーションしてみたいと思います。

○HS15Pのモデル化
湿度センサHS15Pの値の変化はインピーダンスで表されますが、これは(おそらく)リアクタンス成分を持っているのからではなく、直流を印加すると壊れるという理由からであると思います。よって、モデルは純粋なレジスタンスだけで考えます。



000.jpg
fig.0: HS15Pの温湿度特性
http://einst.hp.infoseek.co.jp/hum/hum.htmlより



頼りになるのはfig.0の特性図だけですが、5℃、25℃、45℃のグラフの代表的な何点かを読み取り、Excelで関数フィッティングを行い、数式化します。


001_20090627001017.png
fig.1: Excel累乗近似


フィッティング関数の選択には何か根拠があるわけではありませんが、累乗近似を選びました。シミュレーションの成否のほとんどはモデル化で決まるので、本当は一番まじめにやるべきところですが、他によいアイデアも浮かばなかったので。なんとなく下に凸の曲線も再現されているので良しとします。


002_20090627001017.png
fig.2: 数式から作ったLTspice上のHS15Pのモデルを使ったスケマティック

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fig.3: LTspiceでの湿度-インピーダンス特性


○25℃でのシミュレーション
湿度計(その2)の回路をそのままLTspiceのスケマティックにしました。


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fig.4: 湿度計のスケマティック

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fig.5: 横軸に時間、縦軸に出力電圧をとったグラフ

006_20090627001138.pngfig.6: 横軸が相対湿度、縦軸が出力電圧(緑)と理想的な出力電圧(青)とこれらの誤差(赤)


温度が25℃の条件でのシミュレーションで、相対湿度を30%から90%まで5%きざみでスイープさせました。
fig.6は、湿度計が表示する相対湿度(緑)と実際の相対湿度(青)をあらわしていて、赤はこれら二つの誤差です。これらの単位はすべて%です。相対湿度80%以下では誤差が数%以内となり、80%以上では大きくなる点は、

湿度が高い場合(80%以上)、ダイオードの対数特性に影響されます。


とする湿度計(その2)の記事と調和的です。

○5℃、45℃でのシミュレーション
同様に5℃、45℃でのシミュレーションも行いました。


007_20090627001018.png
fig.7: 5℃でのスケマティック

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fig.8: 5℃でのグラフ



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fig.9: 45℃でのスケマティック

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fig.10: 45℃でのグラフ


載せたグラフにはありませんが、tempをスイープさせてみると確かに温度補償がされていることが分かります。
しかしながら、高湿度側での誤差は25℃のときよりも顕著になっています。

○関連エントリ


○参考URL


○付録
このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


○フィードバック

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tag: LTspice 温度解析 

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