LTspiceモンテカルロ解析の定数分布 その5

LTspiceでは「.func」を用いて関数の定義が出来ます。
標準のmc関数に倣い、「3σ=公称誤差」となる正規分布のモンテカルロ解析関数gmc(val,tol)を定義し、シミュレーションを行いました。

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○公称誤差からσを決める
LTspiceモンテカルロ解析の定数分布 その1、その2、その3、その4と現実の部品からモデルを作ってシミュレーションをする方法を書きました。しかし、部品のばらつきの分布を実測することは手間がかかります。また、ある時刻・温度条件で測定した値も経年変化・温度変化に対して変わってしまう値です。

正規分布では、±3σ以内に分布の99.74%が収まると言うことが知られています。
そこで、部品定数の分布の形を正規分布であると仮定し、さらに、公称誤差が3σとなる正規分布のモンテカルロ関数をgmc(val,tol)として定義します。使い方はLTspice標準のmc(val,tol)と同じです。

○関数の定義
LTspiceでは、.funcというSPICE Directiveを利用することで関数を定義できます。

平均μ=val 3σ=val*tol なので σ=val*tol/3

となります。
したがって

.func gmc(val,tol){val+gauss(tol*val/3)

と定義しました。

○LTspiceシミュレーションとヒストグラム
以下にLTspiceでのシミュレーションとヒストグラムを示します。
抵抗は10kΩ±5%を想定し、モンテカルロシミュレーションの繰り返し回数は1000回としました。


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fig.1: スケマティック

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fig.2: 緑がgmc関数、青がmc関数によるモンテカルロシミュレーション

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fig.3: 赤がgmc関数、緑がmc関数のヒストグラム。青は正規分布の確率密度関数の曲線。


○問題点
3σを公称誤差とあわせたモデルは、温度変化・経年変化を含む現実の定数のばらつきに対して、かなり現実に近いだろうと予想されるシミュレーションを行うことが出来ます。
しかしながら、3σ以内に99.74%が収まると言うことは、逆に0.26%は公称誤差範囲内に収まらないと言うことでもあります。


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fig.4: 紫の円で囲ったものは公称誤差範囲外


今回の1000回の繰り返しでも、公称誤差範囲内に収まらない値が3点見られました。
fig.4の紫の円で囲った点です。

○関連エントリ


○付録
このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: LTspice モンテカルロ解析 

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