LTspiceでデジタル回路 その1
しかしながらデフォルトでは"H"レベルが1Vとなっているので、そのままでは標準的な5Vロジックのシミュレーションには向きません。
そこで、各素子のSpiceLineにパラメータを指定して5V系や3.3V系でのシミュレーションをする方法を書きます。


○インバータのシミュレーション
以下のような、単純なインバータのシミュレーション例を示します。
まずは、[Component]のなかの[Digital]フォルダからInvを選択して、回路図上に配置します。
次に、Invの上で右クリックします。すると、fig.3のような「Component Attribute Editor」ダイアログが立ち上がります。
SpiceLineの欄に
Vhigh=5V Vlow=0V Vt=2.5V
と入力します。この際に、となりの「Visible」チェックボックスにチェックを入れるとスケマティック上にSpiceLineに入力した項目が表示されます。
各パラメータの意味は、大体想像通りだと思いますが、以下のとおりです。
Vhigh : "H"レベル出力電圧
Vlow : "L"レベル出力電圧
Vt : しきい値(スレッショルド)電圧
上記の例では、5V動作でしきい値が2.5Vというわけです。
○シュミットトリガインバータのシミュレーション
シュミットトリガインバータの場合、ただのインバータのときに加えてヒステリシス幅を設定する必要があります。
やることは同じで、SpiceLineにVh=0.5Vを追加します。
Vhigh : "H"レベル出力電圧
Vlow : "L"レベル出力電圧
Vt : しきい値(スレッショルド)電圧
Vh : ヒステリシス幅
○付録
このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。
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