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LTspiceでサーミスタ(温度係数を持つ抵抗)

LTspiceで温度解析で、LTspiceを使って温度解析をする方法を書きました。トランジスタやダイオードといった半導体に関して、SPICEはその温度係数を表すパラメータを持っています。
しかしながら、温度係数を持つ部品はトランジスタとダイオードだけではありません。
普通の抵抗器も温度係数を持ちますし、積極的に温度係数を持たせて温度計として利用する素子としてサーミスタもあります。

これらのモデルは、通常の抵抗器のモデルの抵抗値のパラメータの部分に温度を表すtempを含む式を入力することで作ることができます。
今回は、この方法を用いてサーミスタのシミュレーションを行います。
004_20081221000220.png 005_20081221000226.png

温度係数を持つ抵抗


はじめに温度係数(TEMPCO)を持つ抵抗のモデルです。
このモデルは、25℃で1kΩの抵抗値を持ち、1℃あたり0.3%の抵抗値変化をもつ抵抗器です。
抵抗値を入力する欄に{1k+3*(temp-25)}と入力します。


001_20081221000132.png
fig.1: 温度係数を持つ抵抗モデルのスケマティック

002_20081221000138.png
fig.2: 温度係数を持つ抵抗モデルのグラフ。横軸が温度で縦軸が抵抗値。


サーミスタ


つぎに温度係数を持つ抵抗のモデルよりも複雑な数式で表されるサーミスタのモデルです。
サーミスタは、温度変化に対して以下の式で表されるような抵抗値変化をする素子です。


003_20081221000206.png


ここで、Rthは温度Tにおける抵抗値で、RrはTrのときの抵抗値です。Bはサーミスタ定数です。
ただし、TとTrは摂氏ではなく絶対温度です。
以下では、村田製作所のNTC型サーミスタNTH4G39A 10E02の定数を使ったモデルです。
抵抗値は25℃で10kΩでB=3900です。
抵抗値を入力する欄に{10k*exp(3900*((1/(temp+273.15))-(1/298.15)))}と入力します。


004_20081221000220.png
fig.3: サーミスタモデルのスケマティック

005_20081221000226.png
fig.4: サーミスタモデルのグラフ。横軸が温度で縦軸が抵抗値。

006_20081221000232.png
fig.5: サーミスタモデルのグラフ。横軸が温度で縦軸が抵抗値の片対数グラフ。


温度補償


最初に取り上げた温度係数を持つ抵抗は、半導体の温度補償を行うために使われるようです。
pcm1723さんのブログSX-150 の VCO の温度補償 (2) -- 回路と LTSpice シミュレーション (2)のエントリでは温度補償用抵抗を用いた温度補償のシミュレーションが行われています。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。



tag: LTspice 温度解析 直流動作点解析 サーミスタ 温度補償抵抗 可変抵抗 

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Re: サーミスタを使用した回路について

こんにちは。

すみません。
ご質問やご相談など、お返事を期待されるものは「公開」での書き込みをお願いします。

非公開の書き込み内容を勝手に公開するわけには行きませんし、書き込み内容に触れずにお返事をすることは難しいです。

No title

申し訳ございません。
公開で大丈夫です。

よろしくお願いします。

Re: No title

竹田さん、こんにちは。
早速ですが前のコメントの全文を引用させていただきます。

> 突然のコメント申し訳ございません。
> ブログとても参考にさせていただいております。
> 現在、サーミスタを用いた回路の研究を行っています。
> 抵抗の発熱によりサーミスタが作動する回路を制作しているのですが、
> 抵抗の発熱量をサーミスタにパラメータとして入れる方法をなかなか見つけることができず、苦労しています。
> よければ知恵を貸していただけないでしょうか?
> サーミスタは複数使用しているため、temperatureでは無理なようでした。
> よろしくお願いします。

どういった解析のためのモデルが必要なのか、よく分かりませんが、数パターン考えました。簡単な方から順を追ってエントリにまとめようと思っています。

方法① 個別に素子の温度を設定する方法
> サーミスタは複数使用しているため、temperatureでは無理なようでした。
とのことですので、個別のサーミスタに別々の温度を割り当てられれば十分なのでしょうか。と、すれば簡単です。

LTspiceは素子の温度を表現するためのパラメータとして、tempを持っています。このエントリでは、この変数を積極的に利用していますが、サーミスタの挙動をモデル化するのに無理にtempを使う必要は無く、「温度っぽい別の変数」を個々のサーミスタに割り当てればよいはずです。例えば、あるサーミスタの温度は「temp1」で表し、別のサーミスタは「temp2」で表すと言った具合です。そしてこれらのパラメータを.stepでスイープします。

実を言うと、tempはグローバルな変数ではなく、ローカルな変数、すなわち個別の素子に対して設定することもできます。この方法を使えば、自作のサーミスタモデルだけでなく標準的なトランジスタやダイオードのモデルにも対応できます。

このことに関しては、新たに記事を書きました。

LTspiceで温度勾配のある回路
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-436.html

方法② VCRの考え方で発熱量から抵抗値を変化させる
このエントリのサーミスタモデルでは、周囲温度としてtempを用いています。各サーミスタのtempの部分に、抵抗による加熱に起因する温度上昇を加算してやればよいと思います。

抵抗での発熱は、LTspiceで素子の発熱を見る(http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-311.html)のとおり、抵抗の両端の電位差と抵抗に流れる電流の積から求めることができます。
LTspiceで電圧制御抵抗(VCR)(http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-393.html)の要領で前述の積を加算すればよいです。

例として新しくエントリを書くつもりです。予定しているのは、サーミスタの自己発熱による抵抗変化のシミュレーションです。

【予定】LTspiceで自己発熱するサーミスタ

方法③ 熱抵抗と熱容量の考え方で熱的特性を電気回路モデルで表現する方法
以上の議論は、温度に対して直流的な解析ですが、セメント抵抗の温度特性 その2(http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-entry-433.html)でも書いたとおり、素子の発熱量の変化と温度の変化にはタイムラグが存在します。
方法②の応用で過渡解析を行う場合は、こういった熱時定数のモデル化が必要になると思います。単純なRCローパスフィルタのモデルでもそこそこ使えるのではないかと思いますが、まだやってません。
これについてもエントリを書くつもりです。セメント抵抗へのステップ的な電流駆動に対して、熱結合されたサーミスタの抵抗変化が遅れる様子のシミュレーションができたらと計画しています。

【予定】LTspiceでサーミスタの過渡解析

No title

コメントありがとうございます。
方法2のやり方で何とか解決することができそうです。
今回はありがとうございました。

話題は変わるのですが、
現在卒業論文を書いておりまして、論文にこちらのブログを参考文献として、記載させてもよろしいでしょうか?

Re: No title

竹田さん、こんにちは。

> 方法2のやり方で何とか解決することができそうです。
> 今回はありがとうございました。

お役に立てたのなら幸いです。

> 話題は変わるのですが、
> 現在卒業論文を書いておりまして、論文にこちらのブログを参考文献として、記載させてもよろしいでしょうか?

もちろん問題ありません、光栄です。

卒業論文の執筆頑張ってください。
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