異なるGNDレベル間でI2C その3

異なるGNDレベル間でI2C その1で考えた低速版の回路をブレッドボード上で試作し、性能を測定しました。その結果、10kHzでもシミュレータから得られた結果よりも性能が劣り、実用は難しそうだということが分かりました。
実用を考えると、異なるGNDレベル間でI2C その2の高速版のほうがよいと思います。

今回は、低速版の実測結果について書きます。

001_20081206032741.png 002_20081206032748.png

異なるGNDレベル間でI2C その1では、I2Cなどの双方向シリアル通信を、絶縁された回路間で行うためのアイソレータを汎用フォトカプラを使って実現する方法を考えました。LTspiceによるシミュレーション結果によると、送信クロックが10kHz程度までなら、波形がなまるながらも動作するという結果が得られました。
今回は汎用フォトカプラPC817Cを用いた低速版の回路に関して、ブレッドボード上で試作したものの特性を測定しました。

回路



001_20081206032741.png
fig.1: 低速版試験回路


試験回路は、異なるGNDレベル間でI2C その1でシミュレーションした回路を基本に一部パラメータを変更しました。
送信クロック源は、LMC555を用いた50%デューティー・サイクル・オシレータとしました。発振周波数は約10kHzです。

測定条件


波形・周波数測定にはPDS5022Sを用いました。
電源は送信側・受信側を共通にし、電源電圧は5Vとしました。電源装置は安物のスイッチング電源です。

結果



002_20081206032748.png
fig.2: 赤が送信側,橙が受信側の波形

003_20081206032819.png
fig.3: 11.1kHz,4.9Vpp


fig.2,3がオシロスコープで測定した波形です。赤のラインが送信側、橙のラインが受信側です。

考察・その他



001_20081115162753.png
fig.4: シミュレーションした回路

002_20081115162815.png
fig.5: シミュレーション結果の波形


異なるGNDレベル間でI2C その1でのシミュレーション結果をfig.4,5に示します。今回実測した波形は、シミュレーションよりはるかになまっています。このシミュレーション時の回路と実測した回路の抵抗R2,R3の値が異なっているのは、実測する際に波形が一番まともに見えるようにパラメータを調節した結果です。

R2,R3の値を大きくするほど、受信波形の立ち上がりが早くなるという点で有利です。その一方で、受信側の"L"レベルの電圧が上がります。これはフォトトランジスタのドライブ能力に起因するものだと考えられます。

今回実際に製作したほうのパラメータでもシミュレーションをしました。

004_20081206032825.png
fig.6: 実測した回路

005_20081206032830.png
fig.7: シミュレーション結果


PC817Cの代わりに、手元にあったTLP521でも実測してみましたが、傾向はほぼ同じでした。
抵抗のパラメータを変更することや、フォトカプラを選別することでより高周波で動作させることができないかとも思いましたが、望みは薄そうです。やはり、TLP552を用いた高速版の方が現実的なようです。

参考文献/使用機器





tag: I2C 絶縁 フォトカプラ PC817C TLP521 インターフェース  ISO-I2C ブレッドボード 

comment

Secret

No title

31.25 kbps のMIDI入力用に PC817 を高速化して使う実験を1年ほど前に行いました。
URL 欄のリンク先にまとめてあります。 参考になるかも知れません。
高速化のポイントはカレントミラーを使って、フォトトランジスタの飽和を防ぐことです。

No title

pcm1723さん、ありがとうございます。
すばらしいです。まさしく問題の核心でした。

フォトトランジスタは、デジタル的な使い方をするのだから飽和させなければならないものだとばかり思い込んでいました。やはりアナログ的な素子は、アナログ的な思考をもって設計しないと性能を発揮することができないのですね。
FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoC強磁性CPAPICOPアンプecalj常微分方程式モンテカルロ解析状態密度トランジスタodeDOSインターフェース定電流スイッチング回路PDS5022半導体シェルスクリプト分散関係レベルシフト乱数HP6632AR6452A可変抵抗トランジスタ技術温度解析ブレッドボードI2C反強磁性確率論数値積分セミナーバンドギャップバンド構造偏微分方程式非線形方程式ソルバ熱設計絶縁ISO-I2Cカオス三端子レギュレータLM358GW近似マフィンティン半径A/DコンバータフォトカプラシュミットトリガLEDPC817C発振回路数値微分直流動作点解析サーボカレントミラーTL431アナログスイッチUSB74HC4053bzqltyVESTA補間電子負荷アセンブライジング模型BSch量子力学単振り子2ちゃんねるチョッパアンプLDA開発環境基本並進ベクトルFFT標準ロジックブラべ格子パラメトリック解析抵抗SMPMaxima失敗談ラプラス方程式繰り返し位相図スイッチト・キャパシタ熱伝導状態方程式キュリー温度gfortranコバルトTLP621不規則合金Quantum_ESPRESSO六方最密充填構造ランダムウォーク相対論ewidthスピン軌道相互作用FETQSGWVCAcygwinスレーターポーリング曲線GGA仮想結晶近似PWscfシュレディンガー方程式LM555ハーフメタル固有値問題NE555最小値ガイガー管QNAPUPS自動計測ダイヤモンドマントルTLP552格子比熱最適化MCU井戸型ポテンシャル最大値xcrysdenCIF条件分岐詰め回路フェルミ面差し込みグラフスーパーセルfsolveブラウン運動awk過渡解析起電力三角波第一原理計算FXA-7020ZRWriter509Ubuntuテスタ熱力学データロガーTLP521OpenMPubuntu平均場近似MAS830LトランスCK1026PIC16F785PGA2SC1815EAGLEノコギリ波負帰還安定性ナイキスト線図MBEOPA2277P-10フィルタCapSenseAACircuitLMC662文字列固定スピンモーメントFSMTeX結晶磁気異方性全エネルギーc/a合金multiplotgnuplot非線型方程式ソルバL10構造正規分布等高線ジバニャン方程式初期値interp1fcc面心立方構造ウィグナーザイツ胞半金属デバイ模型電荷密度重積分SIC二相共存磁気モーメント不純物問題PWgui擬ポテンシャルゼーベック係数ZnOウルツ鉱構造edeltquantumESPRESSOフォノンリジッドバンド模型スワップ領域BaO岩塩構造ルチル構造ヒストグラム確率論マテリアルデザインフラクタルマンデルブロ集合キーボードRealforceクーロン散乱三次元疎行列縮退化学反応関数フィッティング最小二乗法Excel直流解析PCTS-110TS-112日本語パラメータ・モデル等価回路モデルcif2cell入出力陰解法熱拡散方程式HiLAPW両対数グラフCrank-Nicolson法連立一次方程式specx.fifort境界条件片対数グラフグラフの分割円周率ヒストグラム不規則局所モーメントGimpシンボル軸ラベル凡例線種トラックボール

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ