LTspiceでバリスタ

LTspiceには標準でvaristorというモデルが存在します。
今回は標準のvaristorモデルの使い方の説明、および、ウエブ上で公開されているvaristorモデルの紹介をします。

実を言うと、電圧制御抵抗を探していて引っかかったのですが・・・残念ながら、電圧制御電圧源などのように電圧制御端子により抵抗値が変化するモデルではありません。


○LTspice標準のvaristorモデル
varistorモデルに関して、LTspiceのヘルプを読むと以下のようにあります。

The VARISTOR is a voltage controlled varistor. Its breakdown voltage is set by the voltage between terminals 1 and 2. Its breakdown impedance is specified with the instance parameter rclamp. See the example schematic .\examples\Educational\varistor.asc


私の適当な訳はこんな感じ。

VARISTORは、電圧で制御されるバリスタのモデルです。そのブレークダウン電圧は、1番端子と2番端子の間の電圧によって決まります。ブレークダウン時のインピーダンスは、パラメータRclampで指定されます。.\examples\Educational\varistor.asc参照。


ヘルプの中で言及されているサンプルは少しややこしいので、もう少し簡単なサンプルを挙げます。(このエントリの最後に付録としてvaristor.ascとして載せておきます。)


001_20081102184644.png

002_20081102184719.png



グラフの緑のラインは、varistor(A1)に流れる電流です。
Vbreakがブレークダウン電圧を決定する電圧です。Vbreak>V1の間は、A1は高抵抗として振舞います。Vbreak<V1となると、A1に電流が流れ始めます。このときのグラフの傾きはRclampに依存します。

ブレークダウン時の等価回路を書くと以下のような感じになります。


003_20081102184748.png



○より現実に近いvaristorモデル
私はバリスタという素子を実際に使ったことが無いので、wikipediaの記述を信じることにします。(バリスタ-Wikipedia)

バリスタ (varistor) は、2つの電極をもつ電子部品で、両端子間の電圧が低い場合には電気抵抗が高いが、ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が低くなる性質を持つ。

他の電子部品を高電圧から保護するためのバイパスとして用いられる。

名称はvariable resistorに由来し、非直線性抵抗素子の意味である。

バリスタの両端子間の電圧Vと流れる電流Iの関係をI∝V^αで近似した場合、通常の抵抗体(オーム抵抗)ならばα=1であるが、バリスタではα>1となる。このαを非直線性係数と呼ぶ。


LTspice標準のvaristorはRclampが定数になるよう指定するため、非直線性を考慮していません。より正確なシミュレーションをするためには、少し高度なモデリングが必要になります。
ベルが鳴るさんのバリスターの項目が詳しいです。

○付録
最後に、このエントリで使ったLTspiceのスケマティックを載せておきます。

varistor.asc
Version 4
SHEET 1 880 680
WIRE 432 64 272 64
WIRE 272 96 272 64
WIRE 256 112 144 112
WIRE 144 128 144 112
WIRE 432 128 432 64
WIRE 256 144 240 144
WIRE 240 176 240 144
WIRE 272 176 272 160
WIRE 272 176 240 176
WIRE 272 208 272 176
FLAG 432 208 0
FLAG 272 208 0
FLAG 144 208 0
SYMBOL SpecialFunctions\\varistor 288 192 M180
WINDOW 3 0 60 Left 0
SYMATTR InstName A1
SYMATTR Value Rclamp=1
SYMBOL voltage 432 112 R0
WINDOW 123 0 0 Left 0
WINDOW 39 0 0 Left 0
SYMATTR InstName V1
SYMATTR Value 10V
SYMBOL voltage 144 112 R0
WINDOW 123 0 0 Left 0
WINDOW 39 0 0 Left 0
SYMATTR InstName Vbreak
SYMATTR Value 5V
TEXT 120 256 Left 0 !.dc V1 0 10 10m


tag: LTspice 可変抵抗 

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