PICアセンブラコードのファイルを分割する ~ファイルの記法~

この文章は前回の話
http://blogs.yahoo.co.jp/gomisai/1497479.html
の続きです。今回はソースコードを分割したときの各ファイルの記法について書きます。

このときに使わなければならない擬似命令の説明は以下のサイトの説明が読みやすいと思います。
電子工作の実験室 リロケータブルな書き方
http://www.picfun.com/asm09.html

擬似命令の意味は上記のサイトを参考にしてもらうとして個々の擬似命令に関して、使いどころと機能に関する補足を。

ほかのファイルのサブルーチンやレジスタはそのままでは使えない
同一のファイル内にあるルーチンは通常の手順でCALLGOTOをすることができますが、別ファイルにあるルーチンに対してはそのままではアクセスできません。
同様に、あるファイル内で領域を確保した汎用レジスタも別ファイルからはそのままアクセスはできません。
これを使えるようにするための擬似命令がGLOBALEXTERNです。
GLOBALはそのファイル内で定義したルーチン/レジスタをほかのファイルから呼び出されるものであることを宣言します。
EXTERNは、GLOBALとは逆にそのファイル内で呼び出しているルーチン/レジスタがほかのファイルで定義されたものであると言うことを宣言する擬似命令です。

プログラム領域の割り当て
プログラムを複数ファイルに分割しない方法では、プログラム領域のアドレス指定にORG擬似命令を使っていたと思いますが、分割する場合はORGは使えません。代わりにCODE擬似命令を利用します。
この擬似命令を使って番地を指定することもできますが、通常は番地を指定するのはリセット時の0番地と割り込み時の4番地のみで、それ以外の(普通の)モジュールではCODEの後のアドレスは省略します。省略すると、リンカが自動的に適切なアドレスを割り当てる処理をしてくれます。

データ領域の割り当て
汎用レジスタの確保にどの擬似命令を使っていたかは人によって異なると思います。多くの人はEQUを使っているかと思いますが、CBLOCKを使っている人や分割していなくてもUDATAを使っている人もいると思います。
私の推奨はUDATAです。プログラム領域に対するCODEと同様に、アドレスは省略するのが普通です。省略した場合、ほかのファイル内で確保されているデータ領域と被らない様に、リンカが汎用レジスタを自動的に割り当ててくれます。
UDATAにはUDATA_OVRUDATA_SHRという亜種があります。
まず、UDATA_OVRについて、この擬似命令はほかのファイル内でUDATA_OVRで確保されたデータ領域があった場合に、割り当てるレジスタを被らないように”しません”。これを用いることにより使用するレジスタの数を節約することができるので、一時レジスタを確保する場合に使います。なお、同一のUDATA_OVRで確保された領域は互いに被ることはありません。
UDATA_SHRは、データ領域を確保する際に共有データ領域からデータを確保します。共有データ領域のレジスタはどのバンクからでもアクセスすることができます。したがって、アクセスする際に後述するBANKSELを利用する必要がなくなります。ただし、PICの種類により共有データ領域が存在しないものもあるので注意が必要です。
以上の3つに関して、ひとつの擬似命令の中で定義されたラベルは連続したアドレスに確保されることになります。したがって、ひとつのUDATA他で定義される一連のラベルは複数のバンクにまたがることはできません。

分割アセンブルによる弊害
CODEUDATAを利用することにより、明示的にアドレスを指定しなくてもリンカが自動的に割り当ててくれるため、ソースを書くのが容易になります。一方、ソースを書いている段階ではアドレスが確定していないということは欠点でもあります。
レジスタ/ルーチンのバンク/ページがそれぞれバンク0/ページ0に収まっているサイズの場合はともかく、そうでない場合はバンク/ページの特定ができなくなるためです。これに対処するための擬似命令が、BANKSEL/PAGESELです。

上であげた「電子工作の実験室 リロケータブルな書き方」のリンクリンク先の下のほうからソースコードを分割したときのサンプルコードがダウンロードできます。ダウンロードして眺めれば大体理解できると思います。

今回はここまで、次回は「アセンブラとリンカ」について書くつもりです。



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