EJ No.3にちょこっと写真が載りました。
澤田淳一さん BWT Lab. 該当ページ
おんちゃんさん おんちゃんの電子工作室 該当ページなし
智田聡丞さん 怪盗列車/Sailors Presents 該当ページ
櫻井俊一さん エレ工房さくらい 該当ページ
定電流電子負荷(許容損失2.5W/5-500mA)
EJ No.3に掲載された写真の回路図は、以下のものになります。しかしLM358の出力電圧範囲の都合で電源電圧3.3Vでは500mAは吸い込めないことに後から気がついたので、今から本当に作る人はこちらの回路図を参考にしてください。
入力のノイズ除去用につけた簡単なCRローパスフィルタです。制御部全体の消費電流分の電圧降下がR7の両端に発生するので、制御部の消費電流とOPアンプの最低動作電圧などからR7の値を決定します。私はたまたま手元にあった51Ωのチップ抵抗を使いました。
C3の容量は必要なローパスフィルタに必要な時定数から決定します。用途によりますが、おそらくここで使う電解コンデンサの耐圧が回路全体の耐圧のうちで最も低い部分になるでしょう。私は16Vの物を使いました。
基準電圧源に使うLEDを駆動するための定電流回路になります。私は手元にあったPch J-FETで作りましたが、わざわざ買うなら定電流ダイオードのほうがいいと思います。
LEDのVfが電流にかかわらずほぼ一定であることを利用した基準電圧源です。LEDの色は赤か黄色を選んでください。Vfの大きい青や白色では動作可能電圧が上がってしまいます。
私はパイロットランプも兼ねられるかと思いLEDを使いましたが、素直にTL431のような基準電圧専用ICを使ってもよいでしょう。
誤差アンプでフィードバックをかけるための電流値を検出するための抵抗です。500mAで0.5Vの電圧を得るため1Ωを利用しています。500mA流したときの電流検出抵抗での損失は0.25Wとなるので1/4W以上の許容損失のものを使います。
電流検出抵抗の両端に発生する電圧と目標電流値を比較し、フィードバックするアンプです。ゲインは何の根拠もなく100倍、R3-R6の値や発振防止用に入れたC4の値も手元にあったものを適当に入れただけなのでまじめな性能を求めるならパラメータは要検討です。
OPアンプの選択の条件としては単電源動作でGNDレベルまで入力できることと、電源電圧3V以上で動作することです。幸いにしてLM358が非常に廉価で入手性に関しても非常に優れています。
電力を熱に変えて消費する、実質的な負荷です。したがって動作中は温度が上がります。5Vで500mA吸わせているときはかなり熱くなるので触らないでください。2SC3709AなどのTO-220パッケージは大抵ヒートシンクなしで2.5Wまでの損失が許容されますが、連続使用を想定するなら簡単な金属片でもよいのでヒートシンクをつけるほうが無難です。
想定する用途
主な目的はEJ No.3にも書いてあるとおりマイコンなどの電源回路の特性試験用です。5V電源が主な対象ですが、電流値が小さくてもよいならアナログ用の12Vなどの試験にも使えるでしょう。3.3V電源の試験にも使えないことはないでしょうが、電流を取り出すことにより電源が電圧降下を起こすと電子負荷側の挙動が怪しくなるのであまり現実的ではないかもしれません。
具体的にいうと、LEDのVfのばらつきを測定するための電流源など。あるいはmΩオーダーの抵抗に電流を流して両端の電圧を測定すれば、抵抗値のばらつきぐらいは見られるかもしれません。