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AkaiKKRでルチル構造SnO2 その1

AkaiKKR(machikaneyama)を用いてルチル構造のSnO2のバンド構造を計算しました。

001_20160710125630051.png
Fig.1: ルチル構造SnO2のバンド構造



ルチル構造半導体


Fig.2に示したのがルチル型の結晶構造です。

002_20160710125630226.jpg
Fig.2: ルチル型結晶構造


今回は、ルチル構造のSnO2の状態密度とバンド構造を計算します。
ルチル構造は比較的格子間領域の広い結晶構造なので、マフィンティン半径の比や追加のempty sphereなど考えるべきものは色々あるかと思いますが、今回は単純に下記のような入力ファイルを用いることにします。

c------------------------------------------------------------
go data/SnO2
c------------------------------------------------------------
c brvtyp a c/a b/a alpha beta gamma
st 8.95, 0.673, , , , ,
c------------------------------------------------------------
c edelt ewidth reltyp sdftyp magtyp record
0.001 2.1 sra vwn nmag 2nd
c------------------------------------------------------------
c outtyp bzqlty maxitr pmix
update 4 200 0.023
c------------------------------------------------------------
c ntyp
2
c------------------------------------------------------------
c type ncmp rmt field mxl anclr conc
Sn 1 1 0.0 2
50 100
O 1 1 0.0 2
8 100
c------------------------------------------------------------
c natm
6
c------------------------------------------------------------
c atmicx atmtyp
0.0a 0.0b 0.0c Sn
1/2a 1/2b 1/2c Sn
0.307a 0.307b 0.0c O
0.693a 0.693b 0.0c O
0.193a 0.807b 1/2c O
0.807a 0.193b 1/2c O
c------------------------------------------------------------


ポスト処理として、状態密度とバンド構造の計算も行いました。ブロッホスペクトル関数の計算(spc計算)では、AkaiKKRのspc計算の入出力フォーマットの通りに22 May 2015のバージョンと同じ入出力フォーマットにしました。k点の座標は、AkaiKKRでSrTiO3ペロフスカイトのScilabスクリプトを利用しました。

結果


Fig.3に示したのがSnO2の状態密度の計算結果です。

003_20160710125629bb2.png
Fig.3: SnO2の状態密度


今回の計算では ewidth を上手に選ぶ必要がありました(参考: AkaiKKRのewidth その1)。今回の例では、-1.8 Ry 付近にあるコアの状態も ewidth の範囲に含むことで収束させました。

Fig.4に示したのがSnO2のバンド構造です。

004_201607101256294af.png
Fig.4: SnO2のバンド構造


これだと価電子帯や伝導帯の構造が分かりにくいので、さらに ewidth を小さくして計算した結果が、冒頭のFig.1です。
この結果はSvane and Antoncik (1987)による計算結果と調和的です。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




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tag: AkaiKKR machikaneyama KKR ルチル構造 

重曹とクエン酸で排水溝ぬめり取り

排水溝に塩素系のぬめり取りの錠剤を使っていたのですが、放置するとシンクがさびるようなので、どうしたものかなと思っていました。
そんなわけで、重曹とクエン酸の組み合わせでキッチンの排水溝の掃除をして見ましたが、なかなか良い感じです。



具体的には、クエン酸を1に対して重曹を2の割合で混ぜて、排水溝にごっそりと盛ります。
大き目のスプーンで、クエン酸を3さじなら、重曹は6さじといった感じでしょうか。
検索すればすぐ見つかるので、詳しく知りたい人は他のサイトを参考にしてください。

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AkaiKKRで点欠陥の形成エネルギー(未完)

Wang et al. (2004) (PDF)を参考に、AkaiKKR (machikaneyama)を用いて面心立方構造(fcc)のアルミニウムの点欠陥の生成エネルギーをスーパーセル法を用いて計算しました。
結果は、Wang et al. (2004) (PDF)の計算結果に対して、一桁程度の過大評価となってしまいました。


点欠陥の形成エネルギー


結晶中に点欠陥を作るために必要な欠陥の形成エネルギーは、スーパーセル法を用いた第一原理計算から計算することができます。
具体的には、まず、スーパーセルで完全結晶の全エネルギーを計算します(E0)。次にスーパーセルから1つの原子を取り除いた系の計算を行い、全エネルギー(E1)を求めます。スーパーセルの原子数がN個のとき、欠陥形成エネルギーは、以下の式から求めることができます(参考: Wang et al. (2004) (PDF))。
\begin{equation}
\Delta E_{f} = E_{1} - \frac{N-1}{N} E_{0}
\end{equation}

同様の計算は、スーパーセルではなくコヒーレントポテンシャル近似(CPA)でもできる可能性はあるのでしょうか?このような質問がAkaiKKR (machikaneyama)の掲示板に投稿されて・・・いましたが、現在は存在していないようです(#6678)。質問者の計算は、うまく行っておらず、形成エネルギーが一桁程度過大評価されているようです。

そこで今回は、AkaiKKR (machikaneyama)でもスーパーセル法を用いて点欠陥の形成エネルギーを計算してみます。

計算手法


Wang et al. (2004) (PDF)では、面心立方構造(fcc)のアルミニウムとニッケル、体心立方構造(bcc)のモリブデンとタンタルの点欠陥の形成エネルギーの計算が行われています。今回は、この中で面心立方構造のアルミニウムに関して計算を行います。スーパーセルのサイズは 2*2*2=32 原子としました。
Wang et al. (2004) (PDF)によると、交換相関汎関数はGGAよりもLDAのほうが良いであるとか、構造緩和はしないほうがむしろ良いだとか、色々議論があるようです。とりあえず今回は、LDA(mjw)で構造緩和もしない(というか大変なのでやりたくない)という方針で行きます。

c--------------------Al--------------------------------------
go data/SuperAlVc
c------------------------------------------------------------
c brvtyp a c/a b/a alpha beta gamma
sc 15.3 , , , , , ,
c------------------------------------------------------------
c edelt ewidth reltyp sdftyp magtyp record
0.001 1.0 sra mjw nmag 2nd
c------------------------------------------------------------
c outtyp bzqlty maxitr pmix
update 4 200 0.035
c------------------------------------------------------------
c ntyp
32
c------------------------------------------------------------
c type ncmp rmt field mxl anclr conc
Al1 1 1 0.0 2 0 100
Al2 1 1 0.0 2 13 100
Al3 1 1 0.0 2 13 100
Al4 1 1 0.0 2 13 100
Al5 1 1 0.0 2 13 100
Al6 1 1 0.0 2 13 100
Al7 1 1 0.0 2 13 100
Al8 1 1 0.0 2 13 100
Al9 1 1 0.0 2 13 100
Al10 1 1 0.0 2 13 100
Al11 1 1 0.0 2 13 100
Al12 1 1 0.0 2 13 100
Al13 1 1 0.0 2 13 100
Al14 1 1 0.0 2 13 100
Al15 1 1 0.0 2 13 100
Al16 1 1 0.0 2 13 100
Al17 1 1 0.0 2 13 100
Al18 1 1 0.0 2 13 100
Al19 1 1 0.0 2 13 100
Al20 1 1 0.0 2 13 100
Al21 1 1 0.0 2 13 100
Al22 1 1 0.0 2 13 100
Al23 1 1 0.0 2 13 100
Al24 1 1 0.0 2 13 100
Al25 1 1 0.0 2 13 100
Al26 1 1 0.0 2 13 100
Al27 1 1 0.0 2 13 100
Al28 1 1 0.0 2 13 100
Al29 1 1 0.0 2 13 100
Al30 1 1 0.0 2 13 100
Al31 1 1 0.0 2 13 100
Al32 1 1 0.0 2 13 100
c------------------------------------------------------------
c natm
32
c------------------------------------------------------------
c atmicx atmtyp
0 0 0 Al1
1/4 1/4 0 Al2
1/4 0 1/4 Al3
0 1/4 1/4 Al4

1/2 0 0 Al5
3/4 1/4 0 Al6
3/4 0 1/4 Al7
1/2 1/4 1/4 Al8

0 1/2 0 Al9
1/4 3/4 0 Al10
1/4 1/2 1/4 Al11
0 3/4 1/4 Al12

0 0 1/2 Al13
1/4 1/4 1/2 Al14
1/4 0 3/4 Al15
0 1/4 3/4 Al16

1/2 1/2 0 Al17
3/4 3/4 0 Al18
3/4 1/2 1/4 Al19
1/2 3/4 1/4 Al20

1/2 0 1/2 Al21
3/4 1/4 1/2 Al22
3/4 0 3/4 Al23
1/2 1/4 3/4 Al24

0 1/2 1/2 Al25
1/4 3/4 1/2 Al26
1/4 1/2 3/4 Al27
0 3/4 3/4 Al28

1/2 1/2 1/2 Al29
3/4 3/4 1/2 Al30
3/4 1/2 3/4 Al31
1/2 3/4 3/4 Al32
c------------------------------------------------------------


AkaiKKRでスーパーセル その1で書いたとおり、AkaiKKRでスーパーセルの計算を行うためには、それに適したパラメータをspecx.fに設定して再コンパイルする必要があります。計算するコンピュータのメモリが少ない場合、スワップ領域を使う必要があるかもしれません。今回はAkaiKKRとUbuntu 12.04 のスワップ領域で指定した下記のパラーメータをspecx.fに設定しました。

     & (natmmx=32, ncmpmx=32, msizmx=288, mxlmx=3, nk1x=500, nk3x=701,


結果と議論


面心立方構造のアルミニウムの点欠陥の形成エネルギーを計算するために、計算セルの中に32個のアルミニウム原子を置いた完全結晶の全エネルギー(E0)とスーパーセルからひとつの原子を点欠陥に置き換えたスーパーセルの全エネルギー(E1)の計算を行いました。得られた全エネルギーは、以下のようになりました。

E0 = -15482.440171667 (Ry)
E1 = -14998.335584355 (Ry)

よって点欠陥の生成エネルギーは
ΔEf = 0.2783319 (Ry) = 3.786906 (eV)
となりました。

この値はWang et al. (2004) (PDF)で報告されている 0.568 (eV) @ N=31, 0.511 (eV) @ N=108 とくらべて一桁程度の過大評価となってしまいました。したがって、AkaiKKRのCPA計算で点欠陥の生成エネルギーを過大評価してしまうのは、必ずしもCPAの問題ではないかもしれません。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


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tag: AkaiKKR machikaneyama KKR スーパーセル CPA 

AkaiKKRとUbuntu 12.04 のスワップ領域

AkaiKKR(machikaneyama)をつかっていると、メモリ不足で実行ファイルの作成ができないことがあります。実際の第一原理計算で使うメモリは、実行ファイル作成時と比べてはるかに少ない場合が多いので、スワップ領域を大きくすることで、(実行ファイル作成にかかる時間を我慢すれば)原子数の多い計算もある程度可能になります。

今回は、swapファイルを追加するを参考に Ubuntu 12.04 のスワップ領域を追加してみました。


メモリ不足でAkaiKKRのmakeが失敗する場合


AkaiKKR(machikaneyama)は、実行ファイルを作成するときにメモリを最も使うようです。
そこで、スーパーセルのなかに多くの原子を含む計算を行うような場合、第一原理計算そのものには、そんなにメモリを必要としないはずなのに、実行ファイルを make する際にメモリ不足となって、計算ができないという事態に陥ることがあります。
実行ファイルを作成するときだけ、ハードディスク上のスワップ領域を使うことによって、この問題に対処することができるかもしれません。
今回は Ubuntu 12.04 でスワップ領域を増やし、実行ファイルを作成できるようにする方法について書きます。

specx.fのパラメータとメモリ


AkaiKKRは計算する系の大きさに応じて、実行ファイルをコンパイルしなおさなければならない場合があります。この際 source/specx.f の natmmx や mszemx の値を大きく変更します。(参考: AkaiKKRでスーパーセル その1, AkaiKKRの角運動量(方位量子数)のメモ)

この際にパラメータを大きくしすぎると、実行ファイルを作成できない、または、見かけ上、一瞬で実行ファイルが作成されるものの、実際には実行することができないということになります。これは、スワップ領域を含むメモリが足りていないということが原因です。

素直な解決策は、メモリを買ってきて増設することなのですが、別の解決策としてスワップ領域のサイズを大きくするという方法が考えられます。

スワップ領域の実体は、ハードディスクなので第一原理計算の際にスワップ領域にアクセスが頻繁に起こるようだと、ハードディスクへのアクセス速度がボトルネックとなって計算速度が非常に遅くなってしまいます。

しかし、実際に実メモリすべてと、実メモリの数倍のスワップ領域を利用してコンパイルした実行ファイルであっても、実際の第一原理計算では、実メモリを使いきらないことが多いです。
したがって、実行ファイルの作成のときだけ時間がかかることを我慢すれば、スワップ領域を大きく取ることによって、大きな計算セルを持つ系の計算ができる可能性があることが分かります。

Ubuntu 12.04 でのスワップ領域の追加


Ubuntu 12.04 をデフォルトの設定でインストールすると、スワップ領域のサイズは実メモリと同じぐらいの大きさになるようです。これは Ubuntu をハイバーネートするときにメモリにあったデータをスワップ領域に保存するためと思います。当然ながら Ubuntu をインストールした後からメモリを増設することもあるので、スワップ領域を後から追加する方法もネット上に多く紹介されています。
今回は Linux Salad のswapファイルを追加するのエントリにて紹介されている手順に従いました。

わたしの環境(のうちのひとつ)では、実メモリ 8 GB で、インストール時のスワップ領域が 8 GB となっていました。更に 16 GB のスワップファイルを作成して 24 GB のスワップ領域とします。

sudo dd if=/dev/zero of=/swap bs=1G count=16
sudo mkswap /swap
sudo swapon /swap
sudo emacs -nw /etc/fstab


として /etc/fstab を管理者権限で emacs で開いて下記の行をファイルの最後に追記します。

/swap    swap    swap    defaults    0    0


スワップ領域の大きさは、システムモニタなどで確認することができます。

2*2*2 fcc スーパーセル


計算セルに32原子を含む系の計算のため、イカのパラメータで実行ファイルを作成してみました。

     & (natmmx=32, ncmpmx=32, msizmx=288, mxlmx=3, nk1x=500, nk3x=701,


コンパイルには、実メモリとスワップ領域を合わせて 20 GB 程度必要でした。

関連エントリ




参考URL




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tag: AkaiKKR machikaneyama ubuntu スワップ領域 

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