Scilabで二酸化炭素の状態方程式 その2

Scilabで二酸化炭素の状態方程式 その1では、Scilabを用いてファンデルワールスの状態方程式を解くプログラムを作成しました。

\left(P + \frac{a^2}{V} \right) (V-b)=RT

(P: 圧力, V: モル体積, R: 気体定数, T: 絶対温度, a, b: ファンデルワールス定数)

実はファンデルワールスの状態方程式は気体の体積だけでなく、液体や気体・液体共存のときのP,V,Tも計算することが出来ます。
この計算を行う際にMaxwellの規則を利用します(参考:ファン・デル・ワールスの状態方程式 (クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果)3.液体・気体共存領域)。Maxwellの規則ではグラフの面積が等しくなる条件を用いますが、こういった条件を探すのは、解析的には難しく、数値計算の出番となります。

004_20130811163805e0f.png

Fig.1: T = 250 (K)のときの二酸化炭素の圧力Pとモル体積Vの関係。グラフ中の赤の水平線の部分が液体・気体の共存領域、それよりも右側が気体の安定領域で左側が液体の安定領域。赤の水平線は、赤の水平線と赤の点線で囲まれた二つの領域の面積が等しくなる条件から引かれる。(Maxwellの規則)



二酸化炭素の相図


常温・常圧の二酸化炭素は気体ですが、固体の二酸化炭素といえばドライアイスです。ドライアイスは室温においておくと液体にならずに気体になりますが、5.1×105(Pa)つまり5気圧以上では水などと同様に液体になります。
以下に示すのは、ファン・デル・ワールスの状態方程式 (クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果)から引用した二酸化炭素の相図です。相図(Phase diagram, 状態図とも)は物質の状態(固体,液体,気体)と温度・圧力・化学組成の関係性を表した図です。



液体・気体共存領域


ファンデルワールスの状態方程式の1つの特徴として気体と液体の相転移を表すことができる点が挙げられます。
このときの液体、気体のそれぞれのモル体積は、Fig.1に示したとおりファンデルワールスの状態方程式と水平線の一番左の交点と一番右の交点として表されます。
またこの水平線は、水平線と状態方程式の作る二つの領域の面積が等しくなる条件から引くことが出来ます。
これをMaxwellの規則と呼び、数式で表すと以下のようになります。

\int_{V_l}^{V_g}P_{vdw}\mathrm{d}V - \int_{V_l}^{V_g}P_k \mathrm{d}V = 0

ただしPvdwがファンデルワールスの状態方程式で計算した圧力、Pkが水平線の圧力です。これらの交点のうち一番左の物が液体の体積Vlで一番右のものが気体の体積Vgです。

数値計算


色々な教科書に水平線Pkは面積が等しくなる条件から決定することが出来ると簡単に書かれていますが、Pkを決めないと交点Vg,Vlが決まらないため、Pkを決めるためには数値計算が必要です。

この計算にはScilabで金属の化学ポテンシャルScilabでおもりの吊り下げで利用した非線形方程式ソルバfsolveが使えます。

まずPkとPvdw(V)が与えられているとして3つの交点の値を求めます。
交点の値は、ファンデルワールスの状態方程式を変形して得られる以下の三次方程式の解です。

P_k V^3 - (b P_k + RT) V^2 + aV - ab = 0

Scilabでは多項式の解はrootsを用いて簡単に計算できます。解は複素数の要素を持つ縦ベクトルになります。Scilab言語には(C言語のような)型の宣言が無いのでミスを犯しやすいのですが、解の全ての要素が実部しか持たなかったとしても、変数の型としては複素数なので、realをつかって実数型へ変換する必要があります。

数値積分にはScilabで数値積分: 固体の比熱Scilabで関数フィッティング: 金属の電気抵抗で使ったintegrateを利用します。

最終的なプログラムはCO2-subcritical_sce.txtです。

clear;

// *** 入力パラメータ ***
// 物理定数
r = 8.31 // 気体定数 (J/K/mol)

// 二酸化炭素のファンデルワールス状態方程式
a = 3.65E-1; // Pa m^6 / mol^2
b = 4.28E-5; // m^3 / mol
// 温度 (K)
t = 250;

// *** ファンデルワールスの状態方程式 **
function p = pvdw(v)
p = r .* t ./ (v - b) - a ./ v ./ v
endfunction

// *** 解くべき方程式 ***
function e = func(pk)
Vx = roots([pk, -1 * (b * pk + r * t), a, - a * b]);
vg = max(real(Vx));
vl = min(real(Vx));
s1 = integrate('pvdw(v)','v',vl,vg);
s2 = (vg - vl) * pk;
e = s1 - s2;
endfunction

// *** 非線形方程式の数値解 ***
pk0 = %eps;
pk = fsolve(pk0,func);

Vx = roots([pk, -1 * (b * pk + r * t), a, - a * b]);
vg = max(real(Vx));
vl = min(real(Vx));

// *** 圧力の計算とプロット ***
// モル体積ベクトル
Vl = linspace(b,vl,1000) + %eps; // (m^3 / mol)
Vm = linspace(vl,vg,1000); // (m^3 / mol)
Vg = linspace(vg,1e-3,1000); // (m^3 / mol)
// 温度
plot(Vl,pvdw(Vl),'-r');
plot(Vm,pk,'-r');
plot(Vm,pvdw(Vm),'--r');
plot(Vg,pvdw(Vg),'-r');
// *** グラフの装飾 ***
xlabel("Molar volume (m^3/mol)");
ylabel("Pressure (Pa)");
plot([b,b],[-1E8,2E7],'--k');
plot([0,0.001],[0,0],'--k');
zoom_rect([0,-2E6,1E-3,2E7]);


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: Scilab 非線形方程式ソルバ 数値積分 状態方程式 熱力学 

Scilabで二酸化炭素の状態方程式 その1

気体の温度・圧力・体積の関係を表す式といえば、理想気体の状態方程式を思い浮かべる人は多いと思います。理想気体の状態方程式は、気体分子自体の体積や気体分子間の相互作用を無視して作られた状態方程式です。しかしながら、実在気体ではこれらの効果が無視できないことがあります。

そこで今回のエントリでは、実在気体の挙動をよりよく再現できるファンデルワールスの状態方程式を計算するプログラムをScilabで作成しました。

\left(P + \frac{a^2}{V} \right) (V-b)=RT

(P: 圧力, V: モル体積, R: 気体定数, T: 絶対温度, a, b: ファンデルワールス定数)

001_20130811163806c85.jpg

Fig.1: 気体の二酸化炭素のイメージ。もっとも、ドライアイスを水に入れたときに発生している白煙は、実際には二酸化炭素ではないのですが・・・。画像は(c)Kim H Yusukeより



理想気体の状態方程式


物質化学の分野では、状態方程式というと、物質の圧力P,温度T,体積Vの間に成り立つ関係式の事を指します。
最も簡単なものとして、理想気体の状態方程式が挙げられます。

PV = RT

(P: 圧力, V: モル体積, R: 気体定数, T: 絶対温度)

この式から分かるとおり、物質はP,V,Tのうち2つを指定すると残りの1つが決まってしまいます。
このようにP,V,Tのうち2つを決めて残り1つを計算することを状態方程式を解くといいます。

ファンデルワールスの状態方程式


理想気体の状態方程式は、以下の2点を仮定しています。

  • 気体分子同士の間に力(分子間力)が働かない
  • 気体分子の大きさは無視できる

しかしながら、実際には分子と分子の間には、ファンデルワールス力による引力が働きます。また、気体分子自身の大きさは、気体全体のモル体積が大きいときは無視できますが、強く圧縮されて(または冷却されて)分子間の距離が近くなると無視できなくなります。

そこでよく用いられるのがファンデルワールスの状態方程式です。

\left(P + \frac{a^2}{V} \right) (V-b)=RT

a,bはファンデルワールス定数と呼ばれるもので、物質によって異なる定数です。

aはファンデルワールス力による分子間の引力を表すパラメータです。圧力のイメージは、ピストン内に閉じ込められた気体が容器の壁を押す力であるといったものですが、気体の分子同士が引き合うとその分、壁を押す力が減ります。

bは別名、排除体積とも呼ばれ、気体分子そのものの体積を反映しています。極めて高圧・低温になってもモル体積はbよりも小さくなりません。

二酸化炭素の状態方程式


ファン・デル・ワールスの状態方程式 (クラウジウス=クラペイロンの式、ジュール=トムソン効果)によると二酸化炭素のファンデルワールス定数は a = 3.65×10-1(Pa m6/mol2), b = 4.28×10-5(m3/mol)です。このパラメータを使ってモル体積Vと絶対温度Tから状態方程式を解いてPを求めるプログラムをScilabで書きます。

作成したプログラムはvdwEOS-CO2_sce.txtです。

002_201308111638065fd.png

Fig.2: 二酸化炭素の状態方程式の2次元プロット。250-350Kの温度範囲にわたってモル体積と温度から圧力を計算した。


同じプログラム中に、3次元プロットをする部分も含めました。
3次元プロットをするための空間グリッド作成にはndgridが便利です。

003_2013081116380518d.png

Fig.3: 二酸化炭素の状態方程式の3次元プロット。200-500Kの温度範囲にわたってモル体積と温度から圧力を計算した。軸が切れてしまっているがZ軸は圧力を表す。


clear;

// *** 入力パラメータ ***
// 物理定数
r = 8.31 // 気体定数 (J/K/mol)

// 二酸化炭素のファンデルワールス状態方程式
a = 3.65E-1; // Pa m^6 / mol^2
b = 4.28E-5; // m^3 / mol
// 理想気体の状態方程式
//a = 0; // Pa m^6 / mol^2
//b = 0; // m^3 / mol

// *** ファンデルワールスの状態方程式 **
deff("p = f(v,t)","p = r .* t ./ (v - b) - a ./ v ./ v");

// 体積・温度ベクトルと計算グリッド
v = [5E-5:1E-5:1E-3]; // 体積ベクトル (m^3 / mol)
t = [200:10:500]; // 温度ベクトル (K)
[V,T] = ndgrid(v,t); // 体積温度空間グリッド

// *** 圧力の計算と2次元グラフのプロット ***
scf(0);
plot(v,f(v,250),'-r');
plot(v,f(v,275),'-g');
plot(v,f(v,300),'-b');
plot(v,f(v,325),'-m');
plot(v,f(v,350),'-c');
// グラフの装飾
xlabel("Molar volume (m^3/mol)");
ylabel("Pressure (Pa)");
plot([b,b],[-1E8,2E7],'--k'); //
plot([0,0.001],[0,0],'--k');
zoom_rect([0,-2E6,1E-3,2E7]);
legend(["T = 250 (K)","T = 275 (K)","T = 300 (K)","T = 325 (K)","T = 350 (K)"],1);

// *** 圧力の計算と3次元グラフのプロット ***
scf(1);
P = f(V,T);
mesh(V,T,P);
// グラフの装飾
a = gca();
a.data_bounds = [0,200,0;1E-3,500,2E7];
xlabel("Volume (m^3/mol)");
ylabel("Temperature (K)");
zlabel("Pressure (Pa)");


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: Scilab 状態方程式 熱力学 

Scilabで規則ポテンシャルと縮退

Scilabで一次元井戸型ポテンシャルでは、時間に依存しないシュレディンガー方程式を、固有値問題と考えて固有方程式を解くためのScilab関数であるspecを用いました。

H \phi = E \phi

(H: ハミルトニアン, φ: 波動関数, E: 固有エネルギー)

今回は、これを応用して規則的なポテンシャルの中では、ポテンシャルの高さが大きくなるにつれてエネルギー固有値が縮退することを確認しました。

001_2013081221404272f.png

Fig.1: 規則的ポテンシャルと波動関数



Scilabで一次元井戸型ポテンシャルでは、無限の高さを持つ一次元井戸型ポテンシャルの中に有限の高さを持つポテンシャル壁をひとつだけ置いたときの時間に依存しないシュレディンガー方程式を解き、波動関数を求めました。

今回は、微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)に従って井戸の中に複数のポテンシャル壁が規則的に並んだ場合の計算を行います。

複数のポテンシャル壁がある平坦な井戸


プログラムの基本はScilabで一次元井戸型ポテンシャルと同様です。

Fig.1は規則的なポテンシャルと波動関数をプロットしたものです。
ポテンシャルの谷の部分の波動関数の値が高く、存在確率が高いことを表しています。

次にポテンシャルの高さを変えながら固有状態と固有エネルギーの関係をプロットしたものをFig.2に示します。

002_20130812214042142.png

Fig.2: 固有状態kに対するエネルギー固有値Ekの対応関係


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: Scilab シュレディンガー方程式 量子力学 固有値問題 井戸型ポテンシャル 縮退 

Scilabで一次元井戸型ポテンシャル

微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)では、Octaveを用いていろいろな物理現象の数値計算を行っています。
今回は、その中のひとつである量子力学の問題をScilabでプログラミングします。

002_2013080422573295f.png

Fig.1: 無限高さの井戸型ポテンシャルの中に有限高さのポテンシャル壁がある場合



時間に依存しないシュレディンガー方程式


一次元のシュレディンガー方程式は、以下の様にあらわされます。

i \hbar \frac{\partial \psi(x,t)}{\partial t} = \left(- \frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} + V(x) \right)\psi(x,t)

ここで

H = - \frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} + V(x)

をハミルトニアンと呼びます。ハミルトニアンが時間に依存しないときは、波動関数ψ(x,t)は

\psi(x,t) = \phi(x)\exp\left(-\frac{i E t}{\hbar} \right)

のように変数分離できます。

このとき、以下のように時間に依存しないシュレディンガー方程式がえられます。(最早、変数がxだけになったので∂2/∂x2はd2/dx2と書きます。)

\left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d}x^2} + V(x) \right) \phi(x) = E \phi(x)

まず、数値計算をする上で定数の係数は面倒なだけなので、原子単位系のように

\frac{\hbar^2}{2m} = 1

と置きます。時間に依存しないシュレディンガー方程式をもう一度書き直すと

\left(-\frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d} x^2} + V(x) \right)\phi(x) = E \phi(x)

となり、ハミルトニアンは

H = -\frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d} x^2}+V(x)

となります。

今回はこの方程式をScilabによって数値的に解きます。

固有値問題


行列A、ベクトルxに対して

Ax = \lambda x

を満たすλ(スカラー)を行列Aの固有値、xを固有ベクトルといいます。

時間に依存しないシュレディンガー方程式もこの形をしており

H \phi = E \phi

A = H: ハミルトニアン
x = φ: 固有ベクトル = 波動関数
λ = E: 固有値 = 固有エネルギー

という関連になっています。

行列Aに対する固有値と固有ベクトルの組み合わせは複数あります。
Scilabではspecで簡単に計算することが出来ます。(参考:固有値問題)

固有ベクトルV, 対角成分に固有値λを並べた行列Dは
[V, D] = spec(A);

で計算できます。

D = <br />\left(<br />\begin{array}{cccc}<br />\lambda_1 & 0 & \hdots & 0 \\<br />0 & \lambda_2 & & \vdots \\<br />\vdots & & \ddots & 0 \\<br />0 & \hdots & 0 & \lambda_n<br />\end{array}<br />\right)  V = <br />\left\{<br />\left(<br />\begin{array}{c}<br />x_{1,1} \\<br />x_{2,1} \\<br />\vdots \\<br />x_{n,1}<br />\end{array}<br />\right)<br />\cdots<br />\left(<br />\begin{array}{c}<br />x_{1,n} \\<br />x_{2,n} \\<br />\vdots \\<br />x_{n,n}<br />\end{array}<br />\right)<br />\right\}

したがって、時間に依存しないシュレディンガー方程式を解くために必要なことは、行列A、すなわちハミルトニアンHをどのような行列としてあらわすかという問題であると言えます。

ハミルトニアンを行列として表現する


基本的な考え方はシュレーディンガー方程式を行列風に描くの通りです。

まずハミルトニアンの前半部分である∂2/∂x2から行きます。
微分の定義から、充分小さいhを考えれば、微分は差分に置き換えることが出来ます。

\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}\phi(x) = \frac{\phi(x+h)-\phi(x)}{h}

\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}\left( \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}\phi(x) \right) = \frac{\frac{\phi(x+h)-\phi(x)}{h}-\frac{\phi(x)-\phi(x-h)}{h}}{h}

2階の微分はこれらを組み合わせて

\begin{eqnarray*}<br />\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}\left( \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}x}\phi(x) \right) & = & \frac{\frac{\phi(x+h)-\phi(x)}{h}-\frac{\phi(x)-\phi(x-h)}{h}}{h} \\<br />& = & \frac{\phi(x+h)-2\phi(x)+\phi(x-h)}{h^2}<br />\end{eqnarray*}

シュレーディンガー方程式を行列風に描くに倣って行列風に書き下すと

- \frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d}x^2} = <br />\left(<br />\begin{array}{ccccccc}<br />\frac{2}{h^2} & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & & \hdots & 0 \\<br />-\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & & \vdots \\<br />0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & \\<br />\vdots & \ddots & \ddots & \ddots & \ddots & \ddots & \vdots \\<br />& \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} & -\frac{1}{h^2} & 0 \\<br />\vdots &  & \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} & -\frac{1}{h^2} \\<br />0 & \hdots &  & \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2}<br />\end{array}<br />\right)


ポテンシャルは、対角成分にポテンシャルの値を入力するだけです。
xiにおけるポテンシャルをvi=V(xi)とおくと、最終的なハミルトニアンは以下のようになります。

\begin{eqnarray*}<br />H &=& - \frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d}x^2} + V \\<br />&=& \left(<br />\begin{array}{ccccccc}<br />\frac{2}{h^2} + v_1 & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & & \hdots & 0 \\<br />-\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} + v_2 & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & & \vdots \\<br />0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} + v_3 & -\frac{1}{h^2} & 0 & \hdots & \\<br />\vdots & \ddots & \ddots & \ddots & \ddots & \ddots & \vdots \\<br />& \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} + v_{n-2} & -\frac{1}{h^2} & 0 \\<br />\vdots &  & \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} + v_{n-1} & -\frac{1}{h^2} \\<br />0 & \hdots &  & \hdots & 0 & -\frac{1}{h^2} & \frac{2}{h^2} + v_n<br />\end{array}<br />\right)<br />\end{eqnarray*}<br />


井戸型ポテンシャルの中央にポテンシャル壁がある場合


微分方程式による物理現象のモデル化(PDF)に従って、井戸型ポテンシャルの中央に有限の高さのポテンシャル壁がある場合の計算を行います。

中心からw0の幅に高さv0のポテンシャルがある場合のプログラムを書きます。

プログラムはeigen_sce.txtです。

まずはv0=0の場合、いわゆる普通の無限高さの井戸型ポテンシャルのなかの波動関数の計算です。

001_201308042257325d7.png

Fig.2: 無限高さの井戸型ポテンシャルの中の波動関数


更にv0=100のときの波動関数を計算したものが冒頭のものになります。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: Scilab 固有値問題 シュレディンガー方程式 井戸型ポテンシャル 量子力学 

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRScilabmachikaneyamaKKRPSoCOPアンプPICCPA強磁性モンテカルロ解析常微分方程式トランジスタode状態密度インターフェースDOSPDS5022ecaljスイッチング回路定電流半導体シェルスクリプトレベルシフト乱数HP6632A温度解析ブレッドボードI2CR6452A分散関係トランジスタ技術可変抵抗確率論数値積分反強磁性セミナー非線形方程式ソルバ絶縁バンドギャップ熱設計偏微分方程式バンド構造GW近似カオス三端子レギュレータLEDフォトカプラシュミットトリガISO-I2CA/DコンバータLM358USBカレントミラーTL431マフィンティン半径PC817C数値微分アナログスイッチ発振回路サーボ直流動作点解析74HC40532ちゃんねる標準ロジックチョッパアンプLDAアセンブラFFTbzqltyイジング模型ブラべ格子開発環境補間量子力学電子負荷BSchパラメトリック解析単振り子基本並進ベクトル熱伝導繰り返しGGAMaximaTLP621ewidthSMP相対論抵抗位相図ランダムウォークスピン軌道相互作用六方最密充填構造不規則合金FETコバルト失敗談QSGWcygwinスレーターポーリング曲線スイッチト・キャパシタラプラス方程式gfortranキュリー温度状態方程式条件分岐格子比熱TLP552LM555TLP521三角波NE555過渡解析FXA-7020ZRWriter509テスタ詰め回路MCUマントルダイヤモンドQNAPデータロガーガイガー管自動計測UPS井戸型ポテンシャルawk第一原理計算仮想結晶近似ブラウン運動差し込みグラフ平均場近似fsolve起電力熱力学OpenMPスーパーセル固有値問題最適化最小値VCAシュレディンガー方程式VESTAubuntu最大値面心立方構造PGAOPA2277L10構造非線型方程式ソルバ2SC1815fccフェルミ面等高線ジバニャン方程式ヒストグラム確率論マテリアルデザイン正規分布結晶磁気異方性interp1フィルタ初期値ウィグナーザイツ胞c/aルチル構造岩塩構造スワップ領域リジッドバンド模型edeltBaOウルツ鉱構造重積分SIC二相共存ZnOquantumESPRESSOCapSensegnuplotmultiplot全エネルギー固定スピンモーメントFSM合金ノコギリ波フォノンデバイ模型ハーフメタル半金属TeXifortTS-110不規則局所モーメントTS-112等価回路モデルパラメータ・モデルヒストグラムExcel円周率GimpトラックボールPC直流解析入出力文字列マンデルブロ集合キーボードフラクタル化学反応三次元Realforce縮退日本語最小二乗法関数フィッティング疎行列シンボル線種ナイキスト線図陰解法負帰還安定性熱拡散方程式EAGLECrank-Nicolson法連立一次方程式P-10クーロン散乱Ubuntu境界条件MBEHiLAPW軸ラベルトランスCK1026MAS830L凡例PIC16F785LMC662AACircuit両対数グラフ片対数グラフグラフの分割specx.f

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ