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バッテリの直列/並列切り替え回路の検討

1.5Vの電池1本でPICを動かす(2ちゃんねるPIC専用のスレPart32より)で紹介した最後のレスに

PICを1.5Vで動かす話で、どっかのHP (どこか忘れた)に起動時電池2本を使って、動き出したら電池1本に切り替えて動かす話があったのを思い出した


という話が出ていたので、起動時にはバッテリーを直列に、起動後は並列に切り替える回路を検討してみました。(が、どうしたものかという感じです。)


001_20110507051158.png

fig.1: 直列並列切り替え回路



低電圧・低消費電力という壁


原理的にはfig.1の回路で実現できます。
スイッチを閉じると電池が直列接続となり、スイッチを開くと電池が並列接続となります。

ただ、理想はともかく現実はそんなに簡単では無いでしょう。
今回の目標は、マイコン回路で、電源電圧を低くすることによる低消費電力化とそれを半自動的に実現するということです。
問題となるのは、以下の二点でしょう。

  • 並列時接続時のダイオードの順電圧
  • スイッチとしてどの素子を使うか


ダイオードの順電圧


並列接続時には1.5Vの電池からダイオードの順電圧分だけ低い電圧が、電源電圧として取り出されることになります。
通常のシリコンダイオードの順電圧が0.6Vとすると、電源電圧は0.9Vとなってしまいます。順電圧が0.3Vのショットキーバリアダイオードを使ったとしても1.2Vで、これでもまだ損失が大きいです。出来ればFETを使用したい。


002_20110507051158.png

fig.2: PICの出力FETを電源ラインにしてしまう


そこでfig.2のような方法を考えてみました。ダイオード(D1,D2)の代わりに、マイコンの出力端子をオンにし、VCCやGNDと接続してしまおうという考えです。

言うまでも無いですが、とんでもない邪法ですね。
もちろん、素直に、外部にFETを接続するという方法もあるでしょう。

スイッチ素子


ダイオードの順電圧よりも、さらに悩ましい問題が切り替えスイッチとしてどのような素子を選択するかということです。

条件としては

  • マイコンから制御できるスイッチである
  • 電源投入時に閉じている(Normally Close:NC)
  • 低消費電力
  • 低電圧動作
  • 正/負どちらもVCC/GNDから浮いている状態で使える


といったところでしょうか。


003_20110507051158.png

fig.3: 動作電圧が低く消費電力の低いリレーがあれば・・・


イメージとしてはfig.3ですが、リレーは通常は消費電力が高く、今回の用途では(並列接続動作の方が主要だと思われるので)リレーに電流を流している時間が長くなり、低消費電力という目的から考えると不満です。
低電圧動作させなければならないというのもネックでしょう。

余談:低消費電力≠低電圧


ふと思いついたので、メモ。
たまに、消費電力が小さいことと、動作電圧が低いことをごちゃまぜに考えている人がいるようです。

電圧は文字通り電圧で、電力は(電圧)×(電流)です。
したがって、電圧が低くても、電流が大きければ、トータルの電力が大きくなるということはありえます。

低電圧化と低消費電力化は、全く関係が無いとはいえないものの、別の概念であることは確かなので、自分が何を目標に設計をしているのかは、きちんと把握をしておかなければなりません。

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tag: PIC トランジスタ 

1.5Vの電池1本でPICを動かす(2ちゃんねる PIC専用のスレ Part32 より)

2ちゃんねるPIC専用のスレ Part32より

318 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 14:02:26.38 ID:MKG18tp3
電池1本 1.5Vで余裕で動く(仕様で動作範囲内の)PICって、
ありますか?
320 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 17:24:11.82 ID:MKG18tp3
>>319
すみません、表現が悪かったでしょうか。
電源電圧が0.9V~3.3Vなど、1.5Vの電池1本でも動くPICって、あるでしょうか?
でした。説明が悪くてすみませんでした。


結論から言うと無いが答えになりますが、1.5Vの乾電池1本でマイコンを動かしたいという要求はよくあることだと思います。(参考:バッテリ動作のマイコン電源に関するメモ)
そういったときの考え方の参考になるかと思います。


根本的な問題:マイコンだけ動いてもしょうがない?


323 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 18:37:32.81 ID:v/hY0Uy0
そんなにDCコンバータ嫌か?
324 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 20:11:30.27 ID:4MONiu0r
ポケッタブルオーディオかラジオにでも入れるの?
325 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 21:30:14.96 ID:gx5jzKvF
PICは動いても、さらに何か動かすものはいいのか


ほとんどの人が意識していないようですが、PICはPeripheral Interface Controllerの頭文字をとったもので、読んで字のごとく周辺機器接続制御のためのICです。
マイコン用の電源問題は悩ましいですが、回路上にその他の回路が存在しているなら、その周辺機器の電源も賄えないと意味がありません。

後に示す>>327さんは『電池アラームのLEDを動かすにしても、PICが動いてくれないと点滅もできない。』と書いていますが、PICが動作したとしてもLEDのVFを供給できなければやはりLEDを点灯させることは出来ません。

素直に昇圧コンバータを用意するのが結局のところベストな方法なのだと思います。

電池の本数・電源電圧問題


327 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/23(水) 23:51:38.30 ID:MKG18tp3
>>323-325
電池2本(3V)で動かす機器を作ったとき、PICでは最低が2V(だったと思う)、
しかもADを使うと2.2V以上必要ですよね。
ところが、電池を終止まで使うと1.8Vくらいになりますよね。
だとすると、2VのPICは使えないと思うんです。
電池アラームのLEDを動かすにしても、PICが動いてくれないと点滅もできない。

そういう意味では、1.5V(min)のPICがあれば、問題解決なんですが。
電源電圧=1.5Vの上で、
・ADが動いて、
・clock=4MHzくらいも使えて、
・内蔵の32.768kHzも出来て、
・BORもできて、
・WDTもできて、
・UART内蔵で、
・PWMできて、
・Input captureもできて、
・Vref(1.23Vくらい)を内蔵してて、
・OP AMP(入出力レールtoレール)、コンパレータが入っていて、
・I2Cモジュールが入っていて、
・消費電流が50uAくらいで、
これらの機能が載っていて、DIP8とSOP8の形状のあるPICは 無いかしら、と思ったのです。


俗に言う「ぼくのかんがえたさいきょうのぴっく」。


001_20090805175828.png
fig.1: PIC12F683の動作可能電圧範囲


実際のPICマイコンは、最低でも2V以上必要で、消費電流も実測では1mA近く必要になるようです。(参考:PICマイコンのNOPとGOTOの消費電力)

他のマイコンを使うという選択肢


330 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/24(木) 00:13:52.90 ID:rADQeVaJ
>>327
テキサスのMSP430が低電圧・低消費電力をウリにしてたはず。

ま、俺なら>>323>>329だが。
>>323 そんなにDCコンバータ嫌か?
>>329 オレならうまいこと普通のを使う
334 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/24(木) 02:53:55.94 ID:f+QLUzqf
>>330
コレの事だよね

0.9ボルト「完全」駆動マイコン「MSP430L092」
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=262214&lindID=1


MSP430は、超低消費電力・超低電圧動作可能マイコンとして有名ですが、アマチュア電子工作ではそこまでの性能が要求されない為か、あまりメジャーではありません。

入門書籍もほとんど名前を聞きません。MSP430 リファレンス・ガイドも以前は書店で見かけましたが・・・



また、PSoCはSwithch-mode pumpという昇圧型スイッチングレギュレータの制御ICとしての機能を内蔵しています。(参考:PSoC/SMP効率測定,PSoC/SMP電流増強の考察)

こちらは、必要充分な入門書がそろっています。詳しくはPSoCマイコン入門書籍を。

PICでも昇圧


342 名前:774ワット発電中さん[sage]:2011/03/25(金) 01:34:57.61 ID:qUC6fDBK
PICを1.5Vで動かす話で、どっかのHP (どこか忘れた)に
起動時電池2本を使って、動き出したら電池1本に切り替えて動かす話が
あったのを思い出したので、手持ちの12F683で試してみた。

・動作内容 INTRC_IO 31kHzで1秒おきにGP0をON/OFF

起動した後電圧下げていくと、1.2Vぐらいで出力動作停止。
でも、内部発振は一旦動き出せば、1V以下でもねばってる。
PICが1.5Vで動かないのは、この内部発振の起動にある程度の電圧がいるためらしい。
そこで電源ラインに適当なコイルを入れて、電源ON時のスイッチのチャタリングで
一瞬過電圧かかるようにしたら電源1.4Vでも動かすことは出来た。
時々起動に失敗するが、その場合パスコンの電荷が抜けきるまで再起動出来ないっぽいので、
Vdd-Vssを適当な抵抗かまして電荷抜ける様にした方が良さそう。

まあ、そのうちPIC壊しそうなのでオススメはできんな。


一連のレスの中で一番興味が引かれたのが上記のものです。
着眼点は、マイコンの動作に高い電圧が必要なのは起動時のみであるという点です。

ただ、いずれにせよ動作周波数も最低で何の外部機器との接続も無い状態で、動作がギリギリだとすると実用性はなさそうですね。

関連エントリ




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tag: PSoC PIC スイッチング回路 2ちゃんねる 

反転DCDCを昇降圧DCDCのように使う

1.5Vの乾電池を直列にしてつかう場合、電池の本数と電源電圧によっては、使用中にバッテリー電圧が電源電圧をまたぐような設計になる場合があります。
しかしながら、昇降圧電源は回路が複雑で面倒です。

そういった場合は、反転型のスイッチングレギュレータを使うとシンプルな電源回路になることがあります。

002_20110501044330.png


電池の数と出力電圧


バッテリ動作のマイコン電源に関するメモでは『理想的には』回路動作に必要なエネルギーから必要なバッテリーの本数が決まるが、『現実的には』他の要因にも影響を受けると書きました。

今回のエントリでは、電池の本数と出力電圧にかかわる問題について考えます。

一般的なアルカリ乾電池の公称電圧は1.5Vと言う事になっていますが、実際の初期電圧は1.6V程度あります。また(もはや入手できませんが)オキシライド乾電池は1.7Vもの初期電圧を持っており、これを使った懐中電灯の電球が切れてしまうというような問題もありました。

逆に、エネループなどのニッケル水素電池の公称電圧は1.2Vと低いですし、普通のアルカリ電池であっても消耗と共に端子電圧が下がってります。多くの乾電池で、終止電圧を1V程度と見積もるのが妥当なようです。


001_20110501044321.png

fig.1: エネループの放電量と端子電圧の関係


従って、バッテリ動作する回路の電源を設計する場合、電池1本あたりの電圧は1V程度から1.6V(あるいは1.7V)程度まで変化しても、電源電圧が変動しないようにする必要があります。
これが、複数本の直列となるとかなりの電圧差となります。


直列数終止電圧(V)アルカリ初期電圧(V)オキシ初期電圧(V)
11.01.61.7
22.03.23.4
33.04.85.1
4 4.06.46.8
5 5.088.5
table.1: 電池の直列数と初期・終止電圧


具体例として、4本の乾電池から5Vを作ることを考えます。
この場合、初期電圧付近では目標とする電圧よりも高い入力電圧を持ち、終止電圧近くでは出力電圧よりも入力電圧が低くなることになります。

反転型DCDCコンバータで正電源


入力電圧より高い出力電圧を得るためには、昇圧型のスイッチングレギュレータが必要になります。
逆に、入力電圧より低い出力電圧を得るにはこう圧型のスイッチングレギュレータや三端子レギュレータなどのリニアレギュレータを利用します。

では、入力電圧が出力電圧よりも高いときと低いのと気の両方で出力電圧を安定させるにはどのようにすればよいでしょうか?

常識的に考えれば、昇降圧型のスイッチングレギュレータを使うという回答になると思います。昇降圧コンバータの回路形式は、SEPICやZetaと呼ばれるものがあるらしいのですが、少し難しそうです。

また、まず昇圧をしてから、降圧をするという手段もありますが、これは実質的にDCDCコンバータをふたつ用意するということなので、手間がかかります。

そこで、今回は負電源三端子レギュレータを正電源用にするとドロップ分が負電源になると似たような発想の転換から、反転型スイッチングレギュレータの負電圧出力を正電源として使うことを考えて見ます。


002_20110501044330.png
fig.2: 負電源を正電源と考える


上に示したfig.2がこの考え方の全てです。
バッテリーのマイナス電極をGNDと考えると反転コンバータの出力が-5Vとなりますが、反転コンバータの出力を0Vと考えれば、バッテリーのマイナス極が+5Vという事になります。

もちろんこの方法には問題がある場合もあるでしょう。

  • 同じバッテリーからOPアンプ用の±12Vをつくりたい
  • 入力電圧は他の危機から供給されている


等の原因で、電池のマイナス側をGND電位としなければならないときには使えません。
しかし、そういった適用の限界を理解していれば応用範囲はたくさんあるのでは無いかと思います。

制御ICの入手性とSPICEモデル


秋葉原でのスイッチングレギュレータ制御ICの入手には、鈴商が安くて種類も豊富なようです。また、千石電商もそこそこの品揃えがあるようですし、値段を気にしなければマルツもありでしょう。

今回の例ではNJM2360が便利です。
NJM2360はオンセミコンダクタのMC34063のセカンドソースで、入手性もよいため、少なくともどちらかは秋葉原で購入できると思います。
また、100円ショップの315円携帯充電器を分解すると中に入っていることがあるようです。

NJM2360には、他にもメリットがあります。

一つ目は、新日本無線が出しているICなので日本語のデータシートがダウンロードできるという点です。

また、オンセミコンダクタがmc34063.libを公開しているのでSPICEシミュレーションを行うことが出来ます。

神木一也さんのLTspice メモのMC34063の項目にあるシンボルファイルとあわせてLTspiecでも使うことが出来ます。


003_20110501044321.png
004_20110501044321.png

fig.3-4: NJM2360(MC34063)のシミュレーション


関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したBSch3V形式の回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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