ああああ

LTspiceで秋月インダクタンス計

コイルは『自分で巻く』ことにより希望する特性を実現できるため、大量生産で無いアマチュア用途では自作を薦められることも少なくありません。
インダクタンス測定を安価に行うためには、インダクタンス計の自作が必要です。
インダクタンス計の定番としては、秋月のデジタルLメータキットが売られていたようです。もはや絶版となってしまった回路ですが、LTspiceでシミュレーションを行いました。

001_20101126232841.png 002_20101126232840.png 003_20101126232840.png 004_20101126232839.png 005_20101126232838.png


絶版秋月インダクタンス計


安価なデジタルマルチメータでも、多機能なものは抵抗値やキャパシタンスを測定する機能を持っています。しかしながら、インダクタンスの測定機能を持つ安価なデジタルマルチメータは、ほとんどお目にかかりません。
そこで、インダクタンス計の自作は、趣味の電子工作としては昔からメジャーな存在でした。

秋月電子通商でも、以前はデジタルインダクタンスメータキットを発売していましたが、今では絶版となり秋月電子通商キット取扱説明書回路図集のなかで回路図が見られるだけとなっています。

現在入手可能なインダクタンス測定可能な組み立てキットとしては、ストロベリーリナックスポケットL/Cメーターキット Ver.2が有名なようです。

ストロベリーリナックスのキットは、被測定インダクタンスと共振回路を構成することにより発振周波数からインダクタンスの値を見積もるという測定原理を採用しています。
これに対して、秋月のキットは位相検波方式を採用しており、原理上は直列に存在する寄生抵抗の影響を受けないといった特徴があります。
位相検波方式の詳細に関しては、位相検波ってなんだ?デジタルインダクタンスメータキットが詳しい説明があります。

このデジタルインダクタンスメータキットは、その完成度にかなりの自信があるらしくデジタルインダクタンスメータキットには
このキットより精度のいいLメータ(手前みそかもしれないが)というとかなり高価なものですので、相当恵まれた人しか現実ではありませんね。

と、あります。

今回のエントリでは、そんな夢のある秋月インダクタンスメータキットの回路をLTspiceを用いてシミュレーションすると共に、インダクタンスに存在する直列抵抗がどのように測定結果に影響するのかを調べてみました。

モデル化


各構成要素の回路はインダクタンス計カテゴリでシミュレーションしたものの組み合わせを基本としています。

アナログスイッチ4053のモデルとしては、電圧制御スイッチにON抵抗のみを設定したものを使いました。
また、各OPアンプのモデルにはLTspiceの標準デバイスでまにあわせるの考え方を基にUniversal Opamp2をデフォルトの設定で使っています。
これらふたつの簡略化に関しては、もう少し良く考えた方がいいかもしれません。

シミュレーション結果


以下にシミュレーション結果を示します。


001_20101126232841.png
fig.1: スケマティック(1024x768)

002_20101126232840.png
fig.2: 波形


直列抵抗の影響


この回路に対して、被測定インダクタンスにたいして直列に抵抗を挿入した場合の測定誤差をシミュレーションしました。


003_20101126232840.png
fig.3: スケマティック(1024x768)

004_20101126232839.png
fig.4: 測定結果

005_20101126232838.png
fig.5: 寄生抵抗の影響


寄生抵抗が100mΩを越えた辺りから誤差が大きくなるようです。

Appendix:独自に復刻する場合


このAppendixは、ほとんど自分用のメモです。

この秋月のインダクタンス計キットですが、回路図が公開されているので独自に復刻することは可能です。そして、実際に復刻している方もいらっしゃいます。(参考:デジタルLメータの復刻)

オリジナルの回路で復刻する場合に入手が難しいのは、チョッパアンプであるLTC1049だけですが、これはリニアテクノロジーへのサンプルリクエストから入手できました。
また、完全にもとの回路を再現することにこだわらなければ、必ずしも位相検波回路のOPアンプはLTC1049でなくてもよいのではないかと思います。(まじめに検討していませんが、直感的に言えばむしろこの回路にチョッパアンプは向いていないのでは?)

復刻する際に、デジタルインダクタンスメータキットから直接的に読み取れない情報もあります。それは、各ICの電源の関係―――とりわけ、アナログスイッチ4053の電源です。
これもまじめに検討していませんが、4053の制御信号電圧は負電源を許容していないので、おそらくVEE端子とVSS端子は同じノードに接続されていて、そのノードは回路上で最も電圧が低い電源ノードとなるはずです。

さらに、PSoCで位相検波方式のインダクタンス計を自作されている方もいらっしゃいます。

位相検波方式のインダクタンス計を完全にワンチップに押さえられない理由は、PSoCで電圧電流変換回路を構成するのが難しいから(と、既にアナログブロックの余裕も無いから)だと思います。

(アナログブロックの数はおいておくとすると)PSoCでLED正弦波電流駆動にて、PSoCを用いた電圧電流変換回路自体は実現可能であることが分かっています。しかしながら、電圧電流変換回路は発振しやすい難しい回路でもあるようです。実際のインダクタンス計として利用するためには、さまざまな負荷条件で安定に動作することが必要となります。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice PSoC OPアンプ 

キャラクタLCD処方箋

SC1602などのキャラクタLCDモジュールを使っていて、ソフトウエア的には動いてくれていいはずの場面なのに、1行目に黒い四角が並ぶところを目の当たりにしたことがある人は少なく無いのではないでしょうか。

こういった原因はいろいろあると思うのですが、対処療法的に効果があるかもしれない内容をまとめてみました。


キャラクタLCDは実は難しい


マイコンを利用した趣味の電子工作では、表示機としてSC1602やSC2004といった、日立のHD44780互換ICを利用したキャラクタ液晶表示機が非常に良く使われます。

HD44780 のGoogle画像検索

これらの液晶表示機は、秋月電子通商などでも安価に購入でき、また、マイコンのプログラミングという観点から見るととても簡単に制御ができるため、マイコン初心者から上級者まで広く使われています。

しかしながら、回路図どおり接続し、ソフトウエアも間違っていないはずなのに、何故か動作しないということがしばしば起こり、初心者泣かせだったりします。
キャラクタLCDの1行目に黒い四角が並んでいる初期化失敗の場面を見たことがある人は少なくないと思います。
それよりは頻度が低いですが、意味不明な文字列のようなものが表示される「文字化け」や意図した位置からずれた場所に文字が表示されるといった症状も稀に見られます。

特にキャラクタLCDをマイコン基板本体から少し離れたところに設置したいと考えたときなどに、信号線を引き伸ばすと不都合が生じることが多いようです。

こういった現象の起こる根本的な原因は、私にはよく分かりませんが、経験的に効果があるチェックポイントをまとめました。

  • 結線のチェック
  • コントラストのチェック
  • パスコンの追加
  • 信号パルスの延長とダミーウエイトの追加
  • バッファの挿入
  • 未使用端子とE(STB)信号線の処理
  • マイコン側の問題?

ただし、経験則ゆえに間違っていることもあるかもしれません。また、いかにもな対処療法は、仮にそれで動作が安定したとしても、それだけで満足せずに原因となっている問題点を探す努力が必要です。

結線ミス(特に電源)


なんだかんだ言って、結局一番多いのは配線の間違いや接触不良です。
導通チェッカの機能の付いたテスタを使って、落ち着いて確認するところからはじめましょう。
特に2行表示のLCDと4行表示のLCDでは、ピン配置がそっくりでありながら電源とGNDのピン配置だけが逆になっているものがあります。

コントラスト


これも単なるケアレスミスなのですが、コントラストの調整がマズイせいで一見表示されていないように見えることがあります。

パスコン


回路製作の際にすべてのICの電源とGND端子のできるだけ近くに0.1μF程度の積層セラミックコンデンサを接続し、IC数個おきに100μF程度のアルミ電解コンデンサを接続する。


こういった話は、電子工作の参考書(例えば、CPUの創りかたOPアンプによる実用回路設計)にはよく書かれていることですが、忘れてしまう人をしばしば見かけます。

キャラクタ液晶モジュールそのものの電源-GND端子間に数十μF程度の電解コンデンサをつけると文字化けやちらつきの頻度が改善されるケースがしばしばあります。
特に信号線を引き伸ばす場合に効果があるようです。

信号パルス(特にE(STB))の長さ


キャラクタディスプレイの制御信号には最小パルス幅が定義されています。例えばキャラクタLCDへの書き込み時にはEnable信号を220ns以上Highに維持する必要があります。

このEnable信号の保持時間をかなり長めに取ってやることによって、動作が安定することがあります。
私はPIC16F873を20MHzで動作させた際、NOPを2つはさみ、少なくとも400ns以上Highを維持していたはずなのに、LCDが正常動作しなかったことがあります。
このときはNOPを10個はさむ、すなわち2μs以上Highを維持するようにしたところ正常に動作するようになりました。

とはいえ、こういった対処療法はあまり好まれません。

バッファの挿入


キャラクタLCDをメイン基板とは離れたところで動作させたい場合は、メイン基板上のマイコンに送信バッファを、液晶表示機に受信バッファをそれぞれ挿入するという選択肢もあります。

ただし、ICが増えることを厭わないならば、メイン基板上のマイコンと液晶制御用のマイコンを分離し、別基板間の通信を考慮したシリアル通信でデータのやり取りをするという案のほうが現実的かもしれません。


001_20101124001952.png
fig.1: 本当に延長したいならシリアル通信で


液晶表示モジュールを4ビットモードで使ったときの空きピン処理


液晶表示機を4ビットモードで使用する際の未使用端子をどのように処理するかという問題は、長らく議論されてきたようです。

この問題は居酒屋ガレージ日記の居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)さんが液晶表示モジュールを4ビットモードで使ったときの空きピン処理にまとめています。E(STB)信号線の処理など8ビットモードでも参考になる話が書いてあるので、読んだことの無い方はぜひ一読をオススメします。

マイコン側の問題?


最後に、私の昔の経験をひとつ。
いまだに原因もよく分かっていない話ですが。

およそfig.2のような回路を作ったところ、マイコンとしてPIC16F84Aを使ったときはLCDモジュールが正常に動作する一方で、PIC16F88を使ったときは動作しないという現象に出くわしました。


002_20101124001952.png
fig.2: 84Aでは動作するが88では動作しない回路?


PIC16F88は84Aと比べて高機能なため、単純なプログラムを組むだけでも、余計な設定項目が多いのが難点といえば難点です。
ただ、このときはアナログ関係の設定もシリアル通信関連の設定もディスエーブルとしたので、84Aから88への移植の問題ではないと思います。PIC16F88が壊れた可能性も考慮して複数の個体で試しましたが、どれも同じ結果でした。(ただし、同時期に購入した個体しかなかったため、ロットは同じだと思います。)

そもそも、この回路の設計思想はA/Dコンバータが乗っているPORTAをできるだけ使わず、PORTBだけでキャラクタ液晶を動作させるというものでした。これをあきらめて、三本の制御信号線(E,RS,RW)をPORTAに移したところ、PIC16F88でも動作するようになりました。

このエピソードで言いたかったことは、キャラクタLCDは初心者も良く利用する基本的なモジュールでありながら、実は結構気難しくてうまく動いてくれないこともあるということです。

参考URL




参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: PIC 失敗談 

LTspiceで超音波距離計

超音波距離計カテゴリでLTspiceをもちいた超音波距離計のシミュレーションをしてきました。
今回のエントリでは、これらをまとめて回路全体のシミュレーションを行いました。

その結果、超音波距離計の検出可能限界距離は送信パルス数の影響を強く受けることが分かりました。
001_20101123195428.png 002_20101123195427.png 003_20101123195427.png 004_20101123195426.png 005_20101123195425.png


超音波距離計のシミュレーション


これまで、計7回にわたって超音波距離計のLTspiceによるシミュレーションを行ってきました。(超音波距離計カテゴリ)

今回は、これらをまとめて超音波距離計のすべての回路を接続した状態でのシミュレーションを行います。

標準デバイスでまにあわせ


LTspiceの標準デバイスでまにあわせるの考え方をもとに受信回路の過渡解析で利用した素子モデルのうち、外部のサイトから入手しなければならないモデルをLTspice標準で持っているものに置き換えました。

オーディオ用Opamp:NJM4580
LTspice標準のUniversalOpamp2に置き換え、オープンループゲイン・利得帯域幅積・スルーレートなど交流動作時に影響が大きそうなパラメータをNJM4580データシートを参考に入力しました。(参考:PSpiceによるOPアンプ回路設計)
小信号SBD:1SS106
深く考えずにLTspiceに標準でインストールされている小信号ショットキーバリアダイオードから選びました。もっといい選択肢があるかも。
コンパレータ:LM393
コンパレータは単純な電圧制御スイッチと考えて、そのモデルを用いました。(参考:LTspiceでビヘイビア電源ほか)


検出限界付近のシミュレーション


LTspiceを用いた超音波距離計の典型的なシミュレーション結果をfig.1-2に示します。


001_20101123195428.png
fig.1: 超音波距離計のスケマティック(800x600)

002_20101123195427.png
fig.2: 応答波形(800x600)


超音波距離計の最大検出可能距離は、最終段のコンパレータの出力V(logic)がLになるかならないかの間に境界があります。したがって、距離以外のパラメータをスイープしたときに検波後の波形V(d2out)の出力電圧が最大となる回路定数を選んだときが、超音波距離計の性能が最もよくなるということになります。

送信パルス数の影響


超音波距離計 第六回:送信パルス数では、超音波送信素子単体に関して送信パルス数をスイープしたシミュレーションを行いました。

本エントリで、送受信を含めた超音波距離計全体のスケマティックをかいたので、これに対して送信パルス数をスイープしたシミュレーションを行いました。
さらに.measコマンドを使い、パルス数に対して検波後のピーク電圧がどのように変化するかを調べました。(参考:LTspiceで.meas(実効値,積分値など))


003_20101123195427.png
fig.3: パルス数のスイープ(800x600)

004_20101123195426.png
fig.4: 応答波形

005_20101123195425.png
fig.5: パルス数に対する検波後の最大電圧


シミュレーション結果は少し意外なことに、送信パルス数が10~11パルスあたりで検波後の電圧V(d2out)が最大をとり、さらにパルス数を増やすと、逆に測定可能距離が減り、15パルス以上では変化しなくなるというものでした。

現実の超音波距離計でも送信パルス数は測定可能距離に対して、影響が大きいパラメータかもしれません。

関連エントリ



付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 

LTspiceの標準デバイスでまにあわせる

LTspiceは比較的簡単にメーカー製のSPICEモデルを導入できます。
しかしながら、複数のPCの間でファイルを共有しようとすると、LTspiceだけでなくSPICEモデルも複数のPCに導入しなければならないので手間がかかります。

一番簡単な解決方法は、メーカー製SPICEモデルを極力使わないことですが、この選択肢もなかなか悪くないのです。


ねがてぃぶろぐの付録


本ブログでは、LTspiceを用いてシミュレーションを行った場合、できる限り読者の方々が自分のPCで再現ができるように、回路図ファイルとプロットファイルを公開するようにしています。

例えばLTspiceクイック・スタートでは、エントリの最後の方に付録としてrelax-osc_asc.txt(回路図ファイル)とrelax-osc_plt.txt(プロットファイル,どの信号をグラフ上に表示するかを指定するファイル)へのリンクを設けています。

このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


上記のとおり、relax-osc_asc.txtからrelax-osc.ascへ名前を変更します。
LTspiceが既にインストールしてあれば、アイコンの形がテキスト形式のものからNPNトランジスタの形へ変化し、ダブルクリックからLTspiceで開けるようになります。
LTspiceのインストールをしていない方はLTspiceのインストールと初期設定を参考にインストールしてください。


001_20101116055220.png
fig.1: _asc.txt → .asc


同様にrelax-osc_plt.txtからrelax-osc.pltへ名前を変更します。こちらは、テキスト形式のアイコンから、未登録ファイルのアイコンへ変わるはずです。

付録していないエントリ


一方で、ダウンロードできるようになっていないエントリもあります。
古いエントリの場合は、単純に公開しようと考えていなかっただけというのもありますが、新しいエントリでも、外部のSPICEモデルを利用している場合には、そのままダウンロードしても、各自でSPICEモデルをインストールしてもらわないと使えないことがあるときは、公開しないことにしています。

たとえばTL431で定電流ソースなどです。

とは言うものの、要は、LTspiceで標準でインストールされている素子以外を使うのがよくないので、LTspice標準のデバイスモデルでシミュレーションを間に合わせればいい事になります。

標準デバイスで表現したTL431で定電流ソース


TL431の構成は、データシートのブロック図通り、2.5Vの基準電圧源とエラーアンプ、出力トランジスタの3つの要素でできています。


002_20101116055220.png
003_20101116055220.png
fig.2-3: テキサスインスツルメンツのデバイスモデルと同じような結果


上に示したとおり、このシミュレーションではテキサスインスツルメンツのSPICEモデルを使ったときと似たような結果となっています。

いいモデルを使えばいいというものでもない


どんな回路をシミュレーションするときでも、とにかく一番正確なモデルを、使うのが良いと考えている人が少なくなく存在していると思います。

確かに間違ってはいないのですが、アマチュア用途では多くの場合オーバースペックですし、逆にメーカー製モデルではシミュレーションで再現できない場合もあります。TL431で言うならLTspiceでTL431がまさにそれです。

やはり、シミュレーションの成否を決めるほとんどの要素はモデル化です。
目標としているシミュレーションに適したモデル化が出来るようになりたいものです。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 定電流 TL431 

超音波距離計 第七回:受信素子の駆動モデル

LTspiceでビヘイビア電源ほかで紹介した電流制御電流源を用いて、超音波受信素子を電流駆動するシミュレーションをLTspiceにて行いました。

002_20101113025624.png 003_20101113025623.png


パルス数の限界


超音波距離計 第六回:送信パルス数にて送信パルス数を増加させていくと、やがて計測上限距離が伸びなくなる限界に達するのではないかという予想を立てました。


003_20101102040215.png
fig.1: パルス数と距離の関係の予想


送信素子は共振回路であり、パルス数に対する送信強度は複雑に変化します。
そこで送信波形に対応した波形をもつ電源で受信素子を駆動する必要があります。

電流制御電流源でモデル化


基本的な考え方は、送信素子の抵抗成分で消費される電流と同じ電流波形で受信素子を駆動するというものです。
距離が離れるほど超音波のエネルギーが減衰するため、定性的ではありますが、増幅率を変化させることにより距離の変化も見ることもできると思います。

超音波送信素子のSPICEモデルは、超音波距離計 第四回:超音波素子の等価回路でモデル化を行ったものを、送信素子の駆動回路は第五回:ドライバの出力抵抗でモデル化したものを利用しました。

シミュレーション結果


以下に送信素子と受信素子の間にLTspiceでビヘイビア電源ほかで紹介をした電流制御電流源をはさんだシミュレーションの結果を示します。


002_20101113025624.png
fig.2: 受信素子のスケマティック

003_20101113025623.png
fig.3: シミュレーション結果


実測との比較はやっていない


本来ならここで素子の応答波形を実測して、シミュレーション結果との比較を行うことによりモデル化の妥当性を検証すべきなのですが、手元に使える素子が無いのでやりません。

したがって、どの程度正しいのかはちょっと自信がありません。

超音波距離計に関する連載では、すべてLTspiceによるシミュレーションだけで話を進めているので、折角なので最後まで実測無しで進めてみようかなと思います。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 定電流 

LTspiceでビヘイビア電源ほか

以下のLTspiceの基本素子を簡単に列挙しました。

  • 電圧制御電圧源(E)
  • 電圧制御電流源(G)
  • 電圧源を電流計として使う
  • 電流制御電流源(F)
  • 電流制御電圧源(H)
  • ビヘイビア電源(BV,BI)
  • 電圧制御抵抗(VCR)
  • 電圧制御スイッチ(SW)


今回書いたサンプルは、きわめて基本的な使用方法ですが、中村 利男(NAKAMURA Toshio)さんのフリーソフトで楽々エンジニアリングの中にあるBehavioral Model の使い方には、より詳しい使い方が解説されています。


電圧制御電圧源(E)


電圧制御電圧源は、回路上の2点間の電圧に比例した電圧を発生する電源です。
周波数特性等のない理想的なOPアンプと考えることもできます。


001_20101109233349.png
fig.1: 電圧制御電圧源

002_20101109233348.png
fig.2: V1の2倍の電圧を発生


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧制御電流源(G)


電圧制御電流源は、電圧制御電圧源と良く似た電源で、入力された電圧に比例した電流を出力する電流源です。


003_20101109233348.png
fig.3: 電圧制御電流源

004_20101109233348.png
fig.4: V1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのvalueの欄に増幅率を指定します。



電圧源を電流計として使う


LTspiceでは、素子に流れる電流を表示することができます。しかし、ブリッジ回路のように理想的には短絡している部分の電流値を測りたいと考える場面もあります。
そういった場合は、0Vの電圧源を挿入して電流形の代用とします。


005_20101109233347.png

006_20101109233347.png
fig.5-6: ホイートストンブリッジの検流計




電流制御電流源(F)


名称からある程度想像できると思いますが、ある点に流れる電流に比例する電流を流す電流源です。
電流の検出には、前述の電圧源を電流計として利用する方法を用います。


007_20101109233414.png
fig.7: 電流制御電流源

008_20101109233414.png
fig.8: I1の2倍の電流を出力


素子の上での右クリックから立ち上がったダイアログのSpiceLineに電流検出用の電圧源の名称を、valueの欄に増幅率を指定します。



電流制御電圧源(H)


もはや説明の必要も無いでしょう。
電流値に比例した電圧を出力する電圧源です。


009_20101109233413.png
fig.9: 電流制御電圧源

010_20101109233413.png
fig.10: I1の2倍の電圧出力




ビヘイビア電源(BV,BI)


これまで触れた電(圧|流)制御電(圧|流)源は、ひとつの入力に対して、単純に比例する出力を得るものでした。
これに対してビヘイビア電(圧|流)源は、複数の入力に対して、複雑な関係となる出力を得ることが出来ます。

使い方はV=F(...)となっているところに直接数式を打ち込みます。
数式の中で使える関数や演算子はLTspiceのHelp TopicsからB. Arbitrary behavioral voltage or current sources.の欄を参照してください。


011_20101109233413.png
fig.11: ビヘービア電圧源で作った絶対値回路

012_20101109233413.png
fig.12: V(in)の絶対値を出力


電圧制御抵抗(VCR)


電圧によって電圧や電流を制御できるならば、抵抗値が変化する素子が合ってもいいと考えるのは自然な流れだと思います。
LTspiceでは比較的簡単に実現できます。LTspiceで電圧制御抵抗(VCR)をどうぞ。

応用例としてはLTspiceで自己発熱するサーミスタなど。

電圧制御スイッチ(SW)


入力に対して非線形に抵抗値が変化する、電圧制御スイッチもあります。


013_20101109233913.png

014_20101109233913.png
fig.13-14: スイッチ


SPICE Directiveをつかってモデルを指定する必要があります。
このとき指定できるパラメータには、ON抵抗やOFF抵抗、また、制御入力のしきい値などがあります。制御入力はヒステリシスを持たせることもでき、指定方法はLTspiceでデジタル回路 その1のしきい値の書式と同じです。



ねがてぃぶろぐの付録


本ブログでは、LTspiceを用いてシミュレーションを行った場合、できる限り読者の方々が自分のPCで再現ができるように、回路図ファイルとプロットファイルを公開するようにしています。

例えばLTspiceクイック・スタートでは、エントリの最後の方に付録としてrelax-osc_asc.txt(回路図ファイル)とrelax-osc_plt.txt(プロットファイル,どの信号をグラフ上に表示するかを指定するファイル)へのリンクを設けています。

このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


上記のとおり、relax-osc_asc.txtからrelax-osc.ascへ名前を変更します。
LTspiceが既にインストールしてあれば、アイコンの形がテキスト形式のものからNPNトランジスタの形へ変化し、ダブルクリックからLTspiceで開けるようになります。
LTspiceのインストールをしていない方はLTspiceのインストールと初期設定を参考にインストールしてください。


001_20101116055220.png
fig.1: _asc.txt → .asc


同様にrelax-osc_plt.txtからrelax-osc.pltへ名前を変更します。こちらは、テキスト形式のアイコンから、未登録ファイルのアイコンへ変わるはずです。

関連エントリ




参考URL




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 定電流 

超音波距離計 第六回:送信パルス数

超音波素子の等価回路のSPICEモデルを用いて、超音波距離計の測定用送信パルスの数を変化させたときの出力エネルギーの変化をLTspiceを用いた過渡解析から調べました。

その結果、定常状態へ至るまえにオーバーシュート様の消費電力ピークが見られ、此処まで到達するためには30程度の送信パルスが必要であることがわかりました。
001_20101102040216.png 002_20101102040215.png 003_20101102040215.png


送信パルス数と計測距離の関係


超音波距離計 第五回:ドライバの出力抵抗では、超音波送信素子での消費電力に対するドライバの出力抵抗の影響を調べ、影響があまり大きくないことが分かりました。

一方で、計測可能距離に大きく影響するパラメータとして、ドライバの送信パルス数が知られています。
基本的には送信パルス数を増やす方が、最大計測可能距離が増します。しかしながら、実際の測定距離が短いときに過剰に長くパルスを送信すると、反射波が到達するときにまだ送信を続けていて、送信波形の回り込みと反射波の見分けが付かなくなるという問題もあります。
そこで秋月距離計では、3m以下を測定する場合は5パルス程度、10mまで測定することを目標にする場合は、30パルス程度を送信するしようとなっているようです。

今回のエントリでは、LTspiceを用いた過渡解析からパルス数と送信素子における消費電力の関係をシミュレーションしてみます。

シミュレーション結果


シミュレーションしたパルス数は、秋月超音波距離計に倣って5パルス・30パルス・1000パルス(実質的に無限)としました。fig.1-2にシミュレーションのスケマティックとR1での消費電力を示します。


001_20101102040216.png
fig.1: ドライブ回路のスケマティック

002_20101102040215.png
fig.2: パルス数による送信出力の変化


過渡解析では、共振が安定するまでに消費電力の激しいオーバーシュートが見られます。
5パルスではオーバーシュートの頂点まで達しませんが、30パルスは頂点まで達していますが、波形が安定するまでは至っていません。

パルス数と測定可能領域


パルス数を増していっても、いずれ出力強度が安定する定常状態へと達します。
一方で、受信回路の過渡解析における検波回路の出力もパルス数に応じて出力電圧が上昇した後に安定するという挙動を示しています。
したがって、パルス数を増して行ってもいずれかの時点で測定可能距離が増加しなくなることが予想されます。
このことを、模式的に表したのがfig.3のピンクのラインです。星型のシンボルで表したのが測定可能距離が飽和するパルス数です。


003_20101102040215.png
fig.3: パルス数-測定距離特性による測定可能領域


ピンクのラインに加えて、反射による測定距離の下限を考慮すると、超音波距離計の測定可能距離は定性的にピンクと青のラインに囲まれた領域となることが分かります。
マイコン制御で広い測定可能領域をもつ超音波距離計を作成するならば、測定距離に応じて送信パルス数を可変するアルゴリズムを取り入れるのが効果的でしょう。

反射による下限のラインは定量的に引くことができるので、問題は計測可能距離が飽和する星型のシンボルであらわした点の送信パルス数です。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 

超音波距離計 第五回:ドライバの出力抵抗

超音波素子の等価回路でモデル化した超音波送信回路のLTspiceシミュレーションから、ドライバの出力抵抗が送信強度に与える影響を調べました。
その結果、200Ωの出力抵抗に対しても出力強度は1割り程度しか減衰しないことが分かりました。

007_20101031155757.png 008_20101031155756.png


超音波素子の等価回路で、超音波素子のSPICE等価回路モデルをかきました。今回は、送信用ドライバの出力抵抗が、出力エネルギーに与える影響をLTspiceを利用してシミュレーションします。

出力抵抗ゼロのときの駆動電流


秋月電子通商の超音波デジタル距離計キットでは、その出力ドライバにCMOS4000シリーズの4069を並列にしたものを用いています。


001_20101031155738.png
fig.1: 秋月超音波距離計の出力ドライバ


4000シリーズの標準ロジックが利用されているのは、74HCシリーズなどと比較して高い電源電圧で使える(≒送信強度を上げられる)ためだとおもいます。
このときの出力抵抗をゼロと仮定して、電源電圧VDD=9Vで駆動したときの定常状態におけるシミュレーション結果をfig.2-3に示します。


002_20101031155737.png
003_20101031155737.png
fig.2-3: 出力抵抗ゼロのときの電流波形


スパイク状の電流部分を除いて、およそ4mAp-0の正弦波となっていることが分かります。

4000シリーズの出力抵抗


CMOS4050の出力抵抗にて、4050の出力抵抗の測定を行いました。


004_20101008032452.png
fig.4: 4050の出力抵抗


その結果、電源電圧VDD=9Vで、出力電流が~10mA以下の領域では、出力抵抗が定抵抗的な振る舞いをすることが分かりました。
秋月超音波距離計で使用されているドライバは同じ4000シリーズの4069なので、特性が比較的似ているはずです。


005_20101031155737.png
fig.5: 4069の出力電流特性

006_20101031155737.png
fig.6: 4050の出力電流特性


東芝セミコンダクタ4000シリーズCMOSロジックIC一覧表から4069と4050の出力電流特性の項目を比較したところ、電源電圧VDD=10Vで25℃のときの出力電圧降下ΔV=0.5Vという(実際の超音波距離計の使用条件に近い)条件における出力電流は、4069でIoh=-2.2mA,Iol=3.2mAと4050のIoh=-2.5mAと近い値でありました。

したがって今後のエントリでは、9V動作時の4069の出力抵抗は測定した4050の特性と近いと仮定します。
fig.4より、出力電流が4mA以下の領域では、出力抵抗は定抵抗的であり、バッファ1個あたりでおよそ200Ωです。これを2並列・2直列として、トータルで(200//200)+(200//200)=200Ωの出力抵抗としてモデル化します。

出力抵抗による出力強度への影響


超音波素子の等価回路での考察から、R1における消費電力が超音波の送信強度の指標となると考えます。
出力抵抗の効果を見るために、0Ω(1mΩ),100Ω,200Ωと出力抵抗のパラメータをスイープしてシミュレーションを行いました。


007_20101031155757.png
008_20101031155756.png
fig.7-8: 送信強度に対するドライバの出力抵抗の影響


赤・緑・青の順に出力抵抗が大きくなります。
200Ωのときの出力抵抗の存在は、定性的に送信強度を1割り程度小さくすることが分かります。
最も重要な問題は、このR1における消費電力の変化が、現実の測定可能距離に対してどの程度の影響を与えるかという点ですが、それは残念ながらシミュレーションだけから判断するのは難しいでしょう。

しかしながら、私には、200Ωという直感的に言って大きく感じられる出力抵抗と比較して、受ける影響が小さいと感じられました。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 

超音波距離計 第四回:超音波素子の等価回路

超音波送信・受信素子を抵抗、コイル、コンデンサの組み合わせで表した等価回路を用いて、LTspiceによるシミュレーションを行い、その周波数特性の確認を行いました。
その結果、送受信感度が高くなる周波数範囲は、狭そうだという予想が立ちました。

また、等価回路中の抵抗成分における消費電力が、超音波送信強度の評価基準になるのではないかと予想しましたが、うまく説明できませんでした。
暫定的に、周波数を固定した条件では、抵抗成分における消費電力が送信強度の指標になると考えることにしました。

001_20101030163024.png 002_20101030163201.png 003_20101030163023.png 004_20101030163023.png



受信感度と送信強度


計測距離を伸ばす方法は、大雑把に言うと受信感度を上げる方法と、送信強度を増す方法の2通りがあります。

第二回第三回と超音波距離計の受信回路のシミュレーションを行ってきました。

今回と次回は、送信素子およびそのドライブ回路をLTspiceでシミュレーションすることにより、どうすれば送信強度を上げることができるかについて考えます。

超音波送信・受信素子のSPICE等価回路モデル


日セラの超音波発振素子T40-16のデータシートによると、水晶発振子などと同様に抵抗・インダクタ・コンデンサの回路網を用いて等価回路をかくことができます。
fig.1のL1+C1+R1//C2で表した部分が超音波素子の等価回路です。


001_20101030163024.png
fig.1: 超音波送受信素子の等価回路

002_20101030163201.png
fig.2: 周波数特性


トランジスタ技術2006年1月号によると、送信強度が最高になる周波数は直列共振周波数であるfsのとき、受信感度が最高になるのは並列共振周波数であるfpのときです。
送信素子と受信素子の特性をわずかにずらして設計することにより、送信素子のfsと受信素子のfpが40kHz前後で一致するように作られています。

送信強度の相対的評価


さて、次にどのような条件下で超音波の送信強度が最大になるかを回路シミュレーションからどのように評価するかを考えたいと思いますが、実を言うと、此処こそが私が2008年からずっと引っかかっていて、更新ができなかったところでもあり、現時点でもよく分からないので、悩んでいるところです。

私は、次のように考えました。
常識的に考えれば、素子から外部へ放出される超音波のエネルギーは、等価回路中で消費されなければなりません。ここで、RLC回路網の中のキャパシタンス成分やインダクタンス成分は電力を消費しないため、外部に放出される超音波のエネルギーは抵抗成分で消費されるようにモデル化されるはずです。等価回路モデルの中で抵抗成分はR1しかないのでこの抵抗における消費電力が最大になるとき(≒消費電流が最大になるとき)が送信強度が最大になるのではないか、と。


003_20101030163023.png004_20101030163023.png
fig.3-4: 共振周波数とR1の消費電流が最大となる周波数


しかしながら結果は予想と反して、fig.3-4に示したとおり、抵抗R1の消費電流が最大となるのは、送信強度が最大となるはずの直列共振周波数fsよりも、むしろ並列共振周波数fpに近い周波数となりました。

次回以降に向けて


等価回路のSPICEシミュレーションからは、fsが最大強度となる周波数であることが確認できませんでした。
ただ、いずれにせよ、周波数を固定した場合の送信強度は、R1における消費電力が大きい方が大きくなるはずと考えて次回のエントリを進めようと思います。

また、送信・受信素子ともに40kHz付近における特性は周波数の変化に応じて激しく変化するため、送信強度や受信感度がもっともよくなる周波数帯域はかなり狭いのではないかとも予想できます。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoCCPAOPアンプPIC強磁性常微分方程式モンテカルロ解析トランジスタode状態密度DOSインターフェースecaljスイッチング回路定電流PDS5022半導体シェルスクリプト乱数レベルシフトHP6632A温度解析可変抵抗I2Cブレッドボード分散関係トランジスタ技術R6452A数値積分反強磁性バンドギャップ確率論セミナー絶縁偏微分方程式非線形方程式ソルババンド構造熱設計カオスA/DコンバータISO-I2Cフォトカプラ三端子レギュレータシュミットトリガLEDGW近似LM358アナログスイッチ数値微分TL43174HC4053マフィンティン半径発振回路サーボ直流動作点解析カレントミラーPC817CUSB単振り子bzqlty開発環境BSch2ちゃんねる電子負荷イジング模型LDAチョッパアンプ量子力学補間アセンブラFFTブラべ格子標準ロジックパラメトリック解析基本並進ベクトルewidthキュリー温度QSGWGGA失敗談MaximaSMPTLP621スイッチト・キャパシタ熱伝導コバルト相対論スピン軌道相互作用六方最密充填構造繰り返しFETランダムウォークcygwingfortran不規則合金状態方程式ラプラス方程式抵抗スレーターポーリング曲線位相図格子比熱マントルデータロガー自動計測ダイヤモンドガイガー管QNAPUPS固有値問題条件分岐井戸型ポテンシャルシュレディンガー方程式詰め回路MCU第一原理計算起電力熱力学スーパーセルVCALM555仮想結晶近似awkTLP521NE555ubuntufsolveブラウン運動OpenMPVESTA最大値テスタ差し込みグラフFXA-7020ZRWriter509三角波TLP552平均場近似最適化最小値過渡解析LMC662トランスPIC16F785CapSenseMBEナイキスト線図CK1026フィルタP-10負帰還安定性EAGLEAACircuit2SC1815OPA2277PGAノコギリ波縮退非線型方程式ソルバL10構造fcc面心立方構造結晶磁気異方性TeX全エネルギー固定スピンモーメントFSMウィグナーザイツ胞interp1ヒストグラム確率論マテリアルデザインspecx.fジバニャン方程式等高線初期値フェルミ面正規分布c/agnuplotBaO岩塩構造ルチル構造ウルツ鉱構造ZnO重積分SIC二相共存スワップ領域リジッドバンド模型半金属合金multiplotハーフメタルデバイ模型edeltquantumESPRESSOフォノンifortUbuntuマンデルブロ集合キーボードRealforce関数フィッティングフラクタルクーロン散乱CIF化学反応三次元最小二乗法日本語直流解析PCトラックボールExcelTS-110パラメータ・モデル等価回路モデルTS-112疎行列文字列HiLAPW両対数グラフ片対数グラフ熱拡散方程式陰解法境界条件連立一次方程式Crank-Nicolson法グラフの分割軸ラベルヒストグラム不規則局所モーメント入出力円周率Gimp凡例線種シンボルMAS830L

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ