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三端子レギュレータの入力コンデンサ・出力コンデンサ

『三端子レギューレータの入力にはコンデンサが必須』という話はよく聞きます。

素人考えでは、三端子レギュレータはあまり綺麗でない入力電圧を安定化された出力電圧にする素子なので、出力側のコンデンサのほうが大事なような気がします。

しかし、入力コンデンサは、出力コンデンサよりも大事なようですね。
入力コンデンサを三端子レギュレータというアナログICのパスコンであると考えると納得できます。


3termC.png
fig.1: 三端子レギュレータの入力コンデンサと出力コンデンサ



入力コンデンサはパスコン


冒頭で、入力コンデンサは三端子レギューレータというアナログICのパスコンのようなものだと書きましたが、図にするとfig.2のような感じです。


3termC2.png
fig.2: 三端子レギューレータはゲインの大きいアンプ


三端子レギューレータは、大雑把に言えば基準電圧生成回路とゲインの大きなエラーアンプ(と出力段のパワートランジスタ)で構成されています。

当然ながら、このエラーアンプの電源は入力端子から取っています。
ゲインの大きなOPアンプを安定に動作させるためには、パスコンが必要ですが、三端子レギューレータにしても同じことですね。

一方で、出力コンデンサはただの負荷容量です。

低ドロップ型三端子レギュレータ


ただし、出力にコンデンサを接続することを前提としたICも存在します。
低ドロップ型の三端子レギュレータやシャントレギュレータなどです。

シャントレギュレータの負帰還安定性に関しては、以前「詰め回路:TL431」を解くに書いているのでそちらをどうぞ。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したBSch3V形式回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: 三端子レギュレータ OPアンプ 

「詰め回路:電源からの雑音」を解く

トランジスタ技術2010年8月号に、「詰め回路第7問電源からの雑音の侵入を阻止」という記事が載っています。時間がとれず、エントリにしていませんでしたが、私は『回路案Dがベスト』『回路案Bも効果がある』と予想していました。
しかしながら、トランジスタ技術2010年9月号に掲載された答えは『回路案Bがベスト』『回路案Dはノイズは小さくなるが完全には除けない』との事でした。

回路案A,Cに問題があることはすぐに分かりましたが、私の考えでは、BとDのどちらがよりよいアイデアなのかはすぐに判断できませんでした。
回路案Dを選んだのは、今回の詰め回路のテーマが『フィルタだけがノイズ対策じゃない』というものだと勝手に深読みした結果だったのですが、そんなテーマは無かったようです。

ただ、いずれにせよトラ技9月号の解説だけではBの方がよいという結論に、少々納得のいかないところがあります。
そこで今回のエントリでは、反省会をかねて第7回詰め回路の再検討を行いたいと思います。

010_20100814143128.png 011_20100814143128.png


問題設定と解決法


LTspiceをつかった問題の解決方法を確認しておきます。
今回の問題のようなときには、交流解析(.ac)を行うのが正攻法だと思いますが、今回は過渡解析(.tran)を使ってみます。

  1. ノイズの無い理想的な回路のシミュレーション
  2. 信号に影響する回路の除外
  3. ノイズ波形のモデル化
  4. 効果の検証


最初に、ノイズが無い理想的な状態では、どのような出力になるのか、言い換えると、正しい対策をしたときの答えはどのような波形になればよいのかを確認します。

次に、信号に影響する回路の除外。信号というのは、ノイズではなく実際に通すべき信号のこと。
具体的には、ノイズのことを考えずに対策後の回路のシミュレーションしてみて、対策前と比べ信号が変化してしまうものを除外します。

ここからが本番です。
問題文中の図2のスペクトルから除去すべきノイズの波形をモデル化します。

最後に、ノイズ波形を加えてみて、効果的にノイズを除去できている回路が答えとなるはずです。

理想的な回路



001_20100814142835.png
fig.1: ノイズ無しのスケマティック

002_20100814142835.png
fig.2: ノイズ無しの波形

003_20100814142835.png
fig.3: ノイズ無しの波形のFFT


信号に影響する回路:回路案A,C


まず、回路案Aに関して。


004_20100814142835.png
005_20100814143013.png
fig.4-5: 回路案AはR5+C3がローパスフィルタと成り入力信号を減衰させる


fig.5をfig.2と比較すると振幅が小さくなってしまっていることが分かります。
R3+C3がローパスフィルタとなることを期待しての対策ですが、R5+C3もローパスフィルタとなり、減衰させてはいけない入力信号も減衰させてしまうためこの案は没。

次に、回路案Cに関して。


006_20100814143013.png
007_20100814143013.png
fig.6-7: 回路案Cは直流動作点が変化する


回路案Cは、R3とR4の分圧点の電位が変化するので、出力の直流動作点も変化してしまいます。変化する量が大きい場合は、出力が電源電圧の下限に引っかかってクリップします。fig.7でも少しクリップしています。

以上、回路案AとCは適切ではありません。

ノイズのモデル化


ノイズ源として、V1と直列にホワイトノイズを生成するビヘイビア型電圧源を接続しました。


008_20100814143013.png
009_20100814143013.png
fig.8-9: ホワイトノイズを重畳した回路とその出力のFFTスペクトル


fig.3と比較すると可聴域全般にわたってノイズが乗っていることが分かると思います。

回路案B


回路案Bは一定の効果があります。


010_20100814143128.png
011_20100814143128.png
fig.10-11: 回路案Bは効果がある


回路案D


さて、問題の回路案Dです。
R3=R4を保ったまま値を大きくするというアイデアです。10倍の1MΩとしました。


012_20100814143012.png
013_20100814143117.png
fig.12-13: 回路案Dもある程度効果がある


fig.13をfig.3と比較すると、ノイズの絶対値は減衰しています。
回路案Bによる対策であるfig.11と比較すると高周波側のノイズの減衰率は、ローパスフィルタである回路案Bにかないません。

まとめとトラ技の解説に足りなかったもの


以上のように、シミュレータを使って定量的な評価をしてみると、回路案Bが最も現実的な対策であろう事が分かります。現実の問題に直面したときには、あるいは回路案BとDの両方を採用するというのもアリかもしれません。

それはそれとして、トラ技の解説もイマイチです。
回路案Dがベストで無い理由に関しては以下のように書かれています。

(回路案Dは)回りこむ電源ノイズが小さくなるので有効です。しかし、回りこむ電源ノイズを完全に除去することはできません。


あたかも回路案Bは回りこむ電源ノイズを完全に除去できるかのような言い回しですが、当然ながらそんなことはありません。
逆に問題文中に書かれている数式を信じるならば、R3=R4を無限に大きくしていけば、回路案Dでもノイズの大きさは無限に小さくできるはずです。

V_{n+}=V_{n}\frac{R_{4} // R_{5}}{R_{3}+(R_{4} // R_{5})}


もちろん、実際の抵抗値の大きさは有限であり、大きくするといっても現実的な上限が存在します。
したがって、引用した文章は『回路案Bのローパスフィルタなら現実的な時定数でノイズを完全に除去できたと考えられるほど十分小さくできる。一方で、回路案Dでは、ノイズを完全に除去できたと考えられるほど十分小さくするためには、非現実的なほど大きなR3=R4を採らなければならない』と読み替えるべきです。

では、回路案Dをもちいて、回路案Bと同程度のノイズ除去特性を得るためには、どの程度のR3=R4を設定しなければならないのでしょうか?

fig.14-15に回路案Bとおなじ定数のローパスフィルタの交流解析を示します。


014_20100814143116.png
015_20100814143116.png
fig.14-15: ローパスフィルタのノイズ除去特性


ここでfig.15の横軸は周波数で、縦軸はローパスフィルタを通す前のノイズ電圧を1として規格化した出力ノイズ電圧です。ローパスフィルタは周波数に応じてノイズの減衰率が異なり高周波になるほど効率よくノイズを除去できることが分かります。

一方で、回路案Dに関して。
ノイズ電圧の式に対して、R5=1k,R3=R4=Rxとおくと

V_{n+}=V_{n}\frac{1k}{R_{X}+2k}


と変形できます。
この式から、Rx=R3=R4=100kΩのときのノイズ電圧を1と規格化して、Rxに対するノイズ電圧の減衰の様子をグラフ化したのがfig.16です。


016_20100814143116.png
fig.16: Rx(=R3=R4)とノイズ電圧


fig.15で示した20Hzにおけるノイズ電圧(0.1)を達成するために必要なRxは1MΩ程度です。これは、fig.12-13でシミュレーションした値と同じであり、fig.13とfig.11を比較すると、20Hz付近でのノイズ電圧は同程度であることが分かります。

一方でfig.15における20kHzでのノイズ電圧(0.0001)を達成するために必要なRxは1GΩにもなります。


017_20100814143116.png
018_20100814143115.png
fig.17-18: Rx=1Gとしたときのノイズ除去特性


fig.18をみるにすばらしいノイズ除去特性となっていますが、バイアス電圧を生成するために1GΩの抵抗を使うというのは現実的では無いでしょう。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


参考文献/使用機器






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