電気用語は難しい(オームの法則)

発光ダイオードは電源に直接つなぐと電流が流れすぎるため、電源とLEDの間に抵抗を挿入します。

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突然ですが問題です。
上記の回路図中の抵抗をなくしたらどうなるでしょう?

(i) LEDに電流が流れすぎる
(ii) LEDに電流が流れなくなる


電子回路入門講座


電子回路入門講座―アナログ・ディジタルからセンサ・制御回路までの「1.5.3抵抗器と抵抗」には以下のようにあります。

オームの法則が成り立つように作られた素子を抵抗器と言う。しかし、「器」がつくとがっちりした大きな素子思い浮かべる人がいるかもしれない。実際は炭素を主成分として作られた小さな抵抗器を単に抵抗と呼ぶことが多い。つまり「10Ωの抵抗」は正式には「10Ωの抵抗器」なのである。
レジスタンスの日本語は電気抵抗あるいは抵抗値であるが、普通は単に抵抗という。そのために不便や誤解が生じることは実際には少ないのは、実務に携わっている同士のあうんの呼吸によるものである。しかし初心者の教育においては言葉の定義が重要であり、あいまいなままでいろいろな技術用語を使うのは好ましくない。抵抗器は英語ではresistorである。本書ではこの用語のカタカナ表記として、レジスタも用いる。


解答


さて、これを踏まえて冒頭の設問について考えてみると「抵抗をなくす」の解釈によりどちらの答えも正解となりうることが分かります。

(i) 抵抗値(resistance,レジスタンス)をなくす(ゼロにする=短絡する)
(ii) 抵抗器(resistor,レジスタ)をなくす(取り外す=オープンにする)

オームの法則と抵抗


しかし、抵抗と言う言葉が、結局何を表しているのか分からなくなってしまう問題は、実は単純に日本語の訳のせいだけでは無いような気がしています。

では、他にどんなややこしい話があるのか?
それは、オームの法則と抵抗値(resistance)と抵抗器(resistor)の間の関係です。

抵抗器(resistor)はほぼ間違いなくオームの法則が成り立つ素子ですが、抵抗値(resistance)はオームの法則が成り立たない素子に関しても定義することができると言うことです。
オームの法則が成り立たない素子と言うのは、例えばダイオードやトランジスタなどの能動素子です。最近まとめたエントリでは、LTspiceで出力インピーダンスで求めたTL431を利用した定電流回路の出力インピーダンスもオームの法則が成り立っていません。

オームの法則


オームの法則についておさらいしましょう。
オームの法則は、以下の式で表される関係ですが、これを日本語に直すとどうなるのかをきちんと意識している人は案外少なかったりします。

V=R \times I

オームの法則は「一様な物質においては、その両端の電圧と内部に流れる電流の間に比例関係が見らる」というものです。

式の中のRはその比例定数で、

R=\frac{V}{I}

と表されます。これがオームの法則が成り立つ物体の抵抗値です。
言い換えると、オームの法則が成り立つモノと言うのは抵抗値Rが定数に成るモノということです。

しかしながら、この式を使えばオームの法則が成り立たないダイオードのような素子に関しても抵抗値を決定することができます。


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fig.2-3: ダイオードの抵抗値


そんなわけで、オームの法則が成り立つ抵抗をオーミックな抵抗、オームの法則が成り立たない抵抗を非オーミックな抵抗と呼んだりします。ややこしいですね。

関連エントリ




参考文献/使用機器




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tag: LTspice LED 

LTspiceで出力インピーダンス

電源の出力インピーダンスなどのように、電源の出力インピーダンスは、電源内部に抵抗(インピーダンス)を持つモデルとして表されます。
しかしながら、この内部抵抗は負荷などのさまざまな条件によって値を変えます。
そこで、本エントリでは負荷変動に対して出力インピーダンスがどのように変化するのかのシミュレーションをLTspiceを用いて行いました。

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出力インピーダンスの測定


電源の出力インピーダンスは、負荷抵抗をスイッチングすることによって測定することができます。この負荷抵抗の値を連続的に変化させると、各負荷領域における出力インピーダンスを測定することができそうです。(参考:HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編)

HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験 失敗編で求められた出力インピーダンスは、HP6632AでFXA-7020ZR負荷試験の結果と比較しても、ミノムシクリップの接触抵抗が主要な成分であると考えられます。そのため、出力インピーダンスは負荷にかかわらず一定です。
しかしながら、乾電池の内部抵抗などは負荷電流に対して変動します。

そこで、より一般的には、出力インピーダンスは負荷抵抗に対する微分の形で表されるはずです。

微分から求める出力インピーダンス



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fig.1: 出力インピーダンス測定回路


スイッチを開いたときと閉じたときの回路についてそれぞれ式を立てると

V=(R_o + R_L) \times I

V=(R_o + R_L + \Delta R) \times (I + \Delta I)


これをRoいついて解くと
R_o = - R_L - \Delta R - I \frac{\Delta R}{\Delta I}


ΔR→0,ΔI→0のとき
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電流源の出力インピーダンス


電源の出力インピーダンスでは、電流源では出力インピーダンスが大きい方が優れた電源であると書きました。これは、出力インピーダンスの大きさが負荷が変動したときの電流の変動のしにくさを表していると言うことと関係しています。

LTspiceのグラフウインドウではd()/d()を使って微分を表すことができます。


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fig.2-3: 出力インピーダンス100kΩの電流源


fig.2-3は出力インピーダンスR1を微分から求めたものです。
多少の計算誤差が見られるようですが、ほぼ100kΩとなることがグラフから読み取れます。

TL431による10mA定電流源


これまでは、負荷変動に対して一定な出力インピーダンスを持つ電源の出力インピーダンスのシミュレーションをしました。
次により現実的な、負荷変動に対して出力インピーダンスが非線形に変化する回路のシミュレーションを行います。

以下に示すのはTL431で低抵抗測定用10mA定電流源で設計した定電流回路です。


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fig.4-5: TL431による定電流回路


グラフ中の緑のラインが定電流回路の出力インピーダンスです。
負荷が30Ωより小さいときは、およそ150kΩの出力インピーダンスを持つ理想的な電流源として振舞います。負荷が30Ω以上になると出力インピーダンスが470Ω程度まで下がり、出力電流を表す赤のグラフも負荷抵抗に応じて下がっていきます。

470Ωというのは、R1+R3の抵抗値です。
電源電圧が5Vと言う今回の条件では、R1+R2+R3が500Ωをこえると10mAの電流が取れなくなるため、TL431の制御から外れて定電流制御が出来なくなります。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したBSch3V形式の回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: LTspice 定電流 

電源の出力インピーダンス

電圧源の出力インピーダンスは理想的にはゼロです。
現実の定電圧電源でも出力インピーダンスは低い方が優れた電源であると言うことになります。

一方で、電流源の出力インピーダンスは理想的には無限大となります。
よって、定電流電源は出力インピーダンスが高い方が優れた電源であるということになります。

今回は、LTspiceで直流的なロードレギュレーションのシミュレーションをすることで上記の内容を確認しました。

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電圧源の出力インピーダンス


fig.1-2は、出力抵抗を持った1V出力の電圧源に対して、負荷抵抗の値を変動させたときの出力電圧の変化をシミュレーションしたものです。
出力抵抗の値は10Ωと100Ωの2種類を比較しています。


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fig.1-2: 電圧源のシミュレーション


グラフから分かるように、出力抵抗の小さい方が出力電圧の変動も小さくなっています。

電流源の出力インピーダンス


電圧源のシミュレーションと同様に、出力抵抗を持った1A出力の電流源のシミュレーションを行いました。


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fig.3-4: 電流源のシミュレーション


電流源の場合は、出力抵抗が大きい方が負荷抵抗の変動に対する出力電流の変動が小さいことがわかります。

関連エントリ




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