トラ技の厚さはプラトー領域へ

ほぼ一年おきに行っている、トランジスタ技術の重さ測定を行いました。
結果は前回の予想から大きく外れることは無く、トランジスタ技術の厚さは、安定期に入ったようです。

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fig.1: トランジスタ技術の重さの経年変化



経緯


2009年の5月ごろ2ちゃんねる電気・電子板にて、トランジスタ技術の厚さが見る見るうちに薄くなっているという現象が話題となりました。

雑誌の紙質が変わったため、見かけ上薄くなったように見えるだけだという説も有りましたが、広告の量が減ったのではないかという危惧が広がりました。
もしも、トランジスタ技術の広告の量が減ると、広告収入が減る分だけトランジスタ技術の価格が上昇することが予想されましたし、最悪の場合、廃刊もありえました。

そこで本ブログでは、およそ一年おきにトランジスタ技術の厚さ変化を追いかけてきました。

測定方法


測定方法は、前回と同様で、今回は2011年10月号から2012年9月号までの12冊のデータを新たに測定しました。

測定方法の詳細は、これまでの記事を読んでいただくとして、要点をまとめます。

  • 厚さの代わりに重さを測る(参照:第一回)
  • 家庭用調理秤TANITAのKD-173(最大表示1000g/最小表示1g)使用
  • 1000gを超えたものは1001gのところにプロット
  • グラフ描画にはgnuplotを利用(参照:GNUPLOT 日付/時間型データの表示)


トランジスタ技術2012年10月号


さて、本日2012年9月10日はトランジスタ技術2012年10月号の発売日でもあります。



今月のトラ技には、DIPパッケージのARM32ビットマイコンを付録としてつけるということで、私の周りのtwitterなどでも賛否両論(?)出ています。
マイコンやFPGAの付録が付く電子工作雑誌は、多くの場合、売り上げがよい傾向にあるようです。通常は、フラットパッケージのICを半田付けされた状態で基板ごと付録にするのですが、今回は、世界で初めて『リードつきパッケージ』を付録にするということです。

付録基板には、部品が一切実装されていないということで、購入した人が自分で半田付けを行わなければならないという点が吉と出るか凶と出るか。

いずれにせよ、本エントリの趣旨からすれば、DIPマイコンを付録にすることでトランジスタ技術の厚さがどこまでのものになるのかが楽しみです。

関連エントリ




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付録


このエントリで測定したトランジスタ技術の重量データを添付します。


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tag: トランジスタ技術 

トラ技の薄さは下げ止まり

トランジスタ技術が薄くなっているその1その2で行っていたトランジスタ技術の重さ測定を2011年9月号のものまで拡張しました。
その結果、トランジスタ技術の重さの変化は下げ止まり傾向にあることが分かりました。しかしながら、上昇傾向が見られたわけではないので、今後の変化にも余談が許せない状況です。

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2007/02-2010/10のトランジスタ技術


トランジスタ技術が薄くなっているその2ではトランジスタ技術の厚さや重さの計測をおこない、2007年2月号から2010年10月号までのトランジスタ技術の厚さの経時変化をグラフとしてプロットしました。

001_20101001143301.png

fig.1: 2010年10月を基準とした相対月とトランジスタ技術の重さ


その結果、トランジスタ技術が次第に薄くなっていっている傾向が分かりました。また、この傾向を一次関数にフィッティングし、トランジスタ技術が消滅する時期を2015年6月号と見積もりました。

その後11ヶ月が経過し、また、図書館で不要になったトランジスタ技術のバックナンバーをいただいたので、前回の測定データに、より新しいトラ技の厚さ、より古いトラ技の厚さデータを加えて解析をやり直しました。

測定方法


前回までに測定したトランジスタ技術は、2007年2月号から2010年10月号です。これに対して、これ以降に購入したトランジスタ技術が2010年11月号から2011年9月号です。また、以前から私が所有していた2005年7月号から2007年1月号までです。これらの値は、途中に飛びの無い連続的なデータです。
さらに図書館からいただいたバックナンバーが1997年6月号から2005年3月号までですが、これは、蔵書重複分の処分ということなので、データに飛びがあります。

重さの測定には、家庭用調理秤TANITAのKD-173(最大表示1000g/最小表示1g)を利用しました。下記のものは後継機だと思われますが、数千円程度で入手できる一般的なものです。



ただし、TANITAのKD-173は食品用なので1000g以上は計測できませんでした。2001年以前のバックナンバーでは、1000gを超えるトランジスタ技術が少なくなく、測定限界を超えた場合は、1001gのところにプロットしました。

結果と解釈


測定結果のグラフを以下に示します。

001_20110916062809.png

fig.2: 測定結果


まず、2001年以前のデータは、前述の通り、秤が1000gまでしか測れないため見かけ上、値が飽和していますが、実際は1000g以上あるものがほとんどです。
このように1000g前後あったトランジスタ技術が、2002年頃に急激に軽くなり、その後、2007年頃まで800g前後で安定しています。

2ちゃんねる電気電子板の今月のトラ技 Vol.2では、2008年の中頃からトランジスタ技術の薄さに対する不安の声が上がり始め、今月のトラ技 Vol.32009年5月8日の書き込みではじめてトランジスタ技術の厚みが測られ始めました。
これを受けてトランジスタ技術が薄くなっているのエントリを書いたのが2009年7月13日です。

この時系列の関係をfig.2と対比してみると、厚さが安定していた2008年前半から、急激に厚さが変化したことを敏感に捉えていたということが分かります。

トランジスタ技術が薄くなっているのコメント欄にてのりたんさんにfig.4は、一次の関数というよりも、もっと次数の大きな、たとえば放物線に見えます。というコメントをいただきましたが、プラトー領域からの落ちはじめの変曲点を鋭く指摘されていたと言うことになると思います。

以下に、fig.2を色分けして書き直したfig.3を示します。横軸は、現在(2011年9月号)を原点とし、そこからの相対的な月を取っています。

002_20110916062825.png

fig.3: 色分けした測定結果


トランジスタ技術が薄くなっている その2で解析したデータを緑、今回のエントリで追加したデータのうち、新しい雑誌のものを赤、古い雑誌のものを青でプロットしてあります。紫色のラインは、トランジスタ技術が薄くなっている その2で行った、緑で示したデータに対する一次関数へのフィッティング結果です。

最近の(赤で示した)トランジスタ技術は、直前の急激な重さの減少トレンドから外れて、再びプラトー領域に入ったように見えます。
トランジスタ技術の薄さは、おそらく下げ止まりで、トランジスタ技術が薄くなっている その2で得られた2015年6月までに厚さがゼロになると言う予測は回避できそうに思えます。

ただし、現状でトランジスタ技術誌に掲載されている広告の量が底値であることは確かで、厚さに回復の兆しが見られたわけではないので、今後も油断は禁物と言えるでしょう。

関連エントリ




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付録


このエントリで使用したトランジスタ技術の重さ測定データを添付します。


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tag: トランジスタ技術 

PCカメラでなんでも同期データロガー

千石ガイガーキットのバックグラウンド経時変化では1分おきに1時間データの測定をしました。

データの自動計測と言うと、計測器とパソコンを接続するためのハードウエアや自動計測のためのソフトウエアといった難しそうなイメージがありますが、市販のUSB接続のカメラと無料ソフトを使えば、極めてお手軽に実現できます。

  1. PCにUSBカメラを接続
  2. カメラに写るように計測器を設置
  3. フリーソフトを使って一定間隔で写真を自動撮影


ログを採ると言うこと


据え置き型のデジタルマルチメータや三和のPC500aをはじめとする一部の高価なデジタルテスタは、PCと接続してデータのログをとることが出来るようになっています。しかしながら、アマチュア電子工作で使われるようなMAS830Lなどの一般的なデジタルテスターにはそういった機能は普通は付いていません。



また、テスターに限らず、多くの安価な計測器はPCとの接続機能や長期間のログ採取機能を持ち合わせていません。
千石ガイガーキットのバックグラウンド経時変化では、八ヶ岳クラブの出しているCK1026ガイガーカウンターキットのバックグラウンド計測を1時間にわたり1分おきに計測しました。


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fig.1: 測定結果、横軸が時間でデータは1分間隔で採っている


と、言うと、ストップウオッチ片手にガイガーカウンターに張り付くようなイメージがありますが、計測自体はPC接続のカメラと一定間隔で撮影をしてくれるソフトウエアがあれば、放って置くだけで完了します。
準備も簡単です。
プログラミングとか工作とか必要ありません。
ただ、撮った写真から数字を読み出すことだけは目視でやら無いといけないので、面倒くさいです・・・。

カメラの準備


まずカメラについてです。
計測した表示機の数字が読み取れる程度で充分なので、使用するカメラは安物のUSB接続カメラで問題ありません。ノートPCの中にははじめからビデオチャット用のカメラが付いているものがあるかもしれませんが、それでも大丈夫です。

下記は、Amazonで検索した安いUSBカメラですが、もっと低いスペックのもの、秋葉原の店頭でワゴンセールされているものでも充分なはずです。



LiveCapture!で写真を撮る


まず、接続したウエブカメラで写真を撮るためのソフトをインストールします。
ワンクリックで静止画撮影が出来るソフトなら何を使っても構いません。購入したUSBカメラにもソフトが付属しているかもしれません。

私は、この種類の無料ソフトの中では最も有名なLiveCapture2を利用しています。

RGBClickで他のソフトと同期させる


次に、定期的に画像をキャプチャさせるためのソフトウエアを紹介します。
RGBクリックは、画面上であらかじめ指定しておいたポイントを一定時間間隔で自動的にクリックしてくれるソフトです。このソフトを使えば、定期的にUSBカメラの画像を撮影することが出来ます。


snap0000.jpg

snap0001.jpg

snap0002.jpg
fig.2-4: 一定間隔で写真撮影


さらに、クリックする箇所は複数箇所指定できるので、写真撮影の後にデジタルマルチメータからデータの読み出しなどをさせるといったことが出来ます。

一例として、抵抗の温度依存性について調べることを考えます。

セメント抵抗の温度特性 その1その2では、セメント抵抗の自己発熱によってどの程度の抵抗値の変化があるのかを調べました。

さらに、周囲温度によって抵抗がどのように変化するかを調べるには、周囲温度と電気抵抗の両方を同時に測定する必要があります。
温度の測定は市販の温度計をUSBカメラで撮影、抵抗の測定はPC接続可能なデジタルマルチメータを使うとしても、これらの測定を同期させて行いたいと言う要求が発生します。

RGBクリックを使えば、クリックの組み合わせだけでデータを取得できるありとあらゆるソフトに対して同期した動作をさせることが出来ます。

実際にRGBクリックをつかってデータロガーを構成する場合の注意事項を書きます。

まず、自動的に立ち上がる可能性のあるウイルス対策ソフトやWindowsUpdateはOFFにしておく必要があります。スクリーンセーバーや一定時間でスリープや休止モードに入る設定も解除しておく方がいいでしょう。
さらに言うならば、Windows Updateやウイルス対策がOFFの無防備な状態で長時間置くことになるので、インターネットからも切断して置くことを進めます。

もうひとつ。
私が使っていたバージョンのRGBクリックはPCの時計で24時を越えるタイミングでクリックを行わなくなる挙動を示していました。

私の用途では、24時間を越える計測を行ったことは無いので、測定を始める前にあらかじめPCの時計を午前0時に設定する(時計を狂わせる)ということをしていました。こうすることで24時間未満の計測は可能です。
新しいバージョンでどうなっているかは、まだ調べていません。

関連エントリ




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tag: 自動計測 データロガー 

LMC662で試作チョッパアンプ

汎用OPアンプをチョッピングで高精度化の方法を用いて、実測で約440μVの入力オフセット電圧を持つLMC662を低オフセット化する実験を行いました。このチョッパアンプのオフセット電圧の測定をしたところ、約55μVとなり、実際にオフセット電圧が小さくなっていることが確認できました。

004_20110328022019.png 005_20110328022019.png



LTspiceでのシミュレーション


汎用OPアンプをチョッピングで高精度化では、PICなどのマイコンと組み合わせることによって(オフセットの小さくない)汎用OPアンプを利用して、微小電圧の高精度測定を行うシミュレーションを行いました。


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fig.1: マイコン利用チョッパアンプのスケマティック

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fig.2: 入力電圧-出力電圧特性。横軸が入力電圧で、縦軸が出力電圧。赤で示したラインがチョッパ増幅器の出力電圧を表していて、緑が理想的な出力電圧をあらわしています。


その結果、5mVの入力オフセット電圧を持つOPアンプでも0-25mV程度の微小電圧を測定することができることがわかりました。
そこで今回は、現実のOPアンプでもシミュレーション通り低オフセット化が実現できるのかを確認するために、単電源OPアンプLMC662を対象に実験を行いました。

回路構成


利用した回路の概念図をfig.3に、もう少し詳細な回路図をfig.4に示します。


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fig.3:測定回路の概念図

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fig.4:ChopAMPの詳細な回路図


制御用のPICマイコンは8ピンのPIC12F683を利用しました。
基準電圧源には、鈴商で購入したLM4040で作成した4.096Vを利用しました。
A/D変換後のデータは、シリアル通信で(別のPICに接続した)キャラクタLCDに表示しました。
被測定用の微小電圧は、5mΩの抵抗(ミリオーム抵抗 前編)に0-5Aの電流を流すことによって生成しました。電源はHP6632Aシステム電源、電流とシャント電圧の測定はR6452Aデジタルマルチメータを利用しました。

測定結果


測定結果をfig.5に示します。


005_20110328022019.png
fig.5: マイコン利用自作チョッパアンプの測定結果


緑の十字シンボルが実測値で、赤のラインは測定値を線形フィッティングしたものです。

Vout = a * Vin + b
(Vout: 出力電圧, Vin:入力(シャント)電圧, a:ゲイン, b:出力オフセット電圧)

フィッティングの結果から a=102.129, b=0.0055435 という値が得られました。
従って、入力換算オフセット電圧が約55μVと求められました。

通常の差動増幅回路との比較


比較のために同じ個体のLMC662で通常のゲイン100倍の差動増幅回路を構成し、フィッティングから入力換算オフセット電圧を計算したところ440μVとなりました。

もともと入力オフセット電圧の低い個体だったようですが、それでも入力オフセット電圧の影響が、チョッピングによって改善されていることがわかります。

四端子法の必要性に対する補足


ただし、ミリオーム抵抗 後編での考察の通り電流測定を行う際には、正しい四端子測定を行わないと測定値が正しく得られません。

そういった意味では、今回のチョッパアンプは、シャント抵抗のプラス側とマイコンのGND端子の間の電圧を測定していることになるので、四端子測定とは言えません。
技術奴隷さんの指摘の通り、入力側のチョッピングは外付けスイッチを用意した方がよさそうです。

一方で、R6452Aデジタルマルチメータは、fig.3に示したとおりちゃんと四端子測定になるように接続してしまったので、今回のチョッパアンプの出力と直接比較することは、厳密に言うならば、できないということになります。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したBsch3V形式回路図ファイルとチョッパアンプの測定データを添付します。回路図は、ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。



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tag: PIC OPアンプ スイッチング回路 チョッパアンプ 2ちゃんねる HP6632A R6452A 

CMOS4050の出力抵抗

4050はデジタル回路のレベルシフトなどに便利な標準ロジックICです。4050でLEDを駆動する場合、出力段のFETが定電流特性となり電流制限抵抗を省略できることがあるようです。
そこで、本エントリでは電源電圧と負荷抵抗を変化させることにより、4050の出力抵抗を測定しました。
その結果、電源電圧が5VのときのみLEDを電流制限抵抗無しで駆動するのに適した出力抵抗となることが分かりました。

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CMOS4050


4050は、CMOS標準ロジックのひとつで非反転バッファです。


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fig.1: 4050内部等価回路

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fig.2: 4050機能ブロック


fig.1-2は、東芝セミコンダクタの4050データシートによる4050の内部等価回路図です。

東芝セミコンダクタ4050データシートの概要にあるとおり、広い動作可能電源電圧と入力トレラント機能を持つため、レベルシフトをはじめ、さまざまな用途に利用されます。

出力電流が大きく、1 個のTTL を直接駆動できるため、CMOS からTTL の接続に有用です。入力は、VDD に無関係にVSS + 18 V までの電圧を加えることができるため、15 V、10 V 系のCMOS 論理回路から5 V 系のCMOS/TTL 論理回路へのレベル変換IC としても使用できます。


(関連:デジタル回路の簡易レベルシフト)

4050の出力インピーダンス


やまねこさんのつぶやきを見て、以前おこなったSimさんのPICkit2のレベル変換回路(2)のエントリのコメント欄での議論を思い出しました。

このときののりたんさんの解説が

その昔、40xxシリーズのメタルゲートCMOSを使っていた頃には、「CMOS-ICのID-VDS特性は、定電流特性になる。だから、LEDの電流制限抵抗は省略できる。」といわれていました。いわゆる五極管特性の領域を使っていたからだと記憶しています。
ところが、最近のCMOSマイコン出力のID-VDS特性というのは、ほとんど直線になってきています。つまり、三極管特性の部分を使っているようなのです。そのため、出力インピーダンスは線形、つまり抵抗と考えて差し支えないと思います。
VGS電圧が高くなれば、IDが増加します。マイコン出力の場合には、VGSにVDD-VSS間電圧がそのまま印加されるので、gomisaiさんのおっしゃるように、電源電圧に依存してIDが変化するという関係がみえてきます。

そういえば、40xxシリーズのID-VDS特性を実測したことは、ありませんでしたね。
# と、書いておくとgomisaiさんが測定してくれるかも。


これに対する、わたしのレスが

のりたんさん
解説ありがとうございます。
> # と、書いておくとgomisaiさんが測定してくれるかも。
ブログネタリストに加えておきます。


でした。
実を言うと、既に少しだけ測定はしていたのでした。
勿体つけても仕方が無いので、測ってあるところまで公開します。

4050でLEDを駆動するとき電流制限抵抗を省略できるか?


ここで、本エントリの目的をはっきりさせておこうと思います。

PICやAVRの事はとりあえず置いておいて、40xxシリーズ標準ロジックICの4050で順電流が数ミリアンペアから数十ミリアンペア程度のLEDを駆動する際に、抵抗を省略できる(順電流に近い電流領域で、出力インピーダンスが定電流特性に近くなる)か、できないかを各電源電圧について検討することとします。

測定方法


電流の向きは、ソースとしました。基本的には出力電流と出力端子の電圧降下から、オームの法則を用いて出力抵抗を決定します。

出力電流を可変するため、負荷抵抗として100Ωから1kΩまでのE6系列のカーボン抵抗を用意しました。抵抗の取替えを簡単にするため、回路はブレッドボード上に作成しました。


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fig.3: 測定回路


ブレッドボードの接触抵抗などの影響を避けるため、抵抗測定には四端子法を用いました。電圧端子の取出しには、洗濯バサミ型のICテストクリップを用いました。
電源は、HP6632Aシステム電源で3V、5V、9V、12V、15V、18Vに設定したものを利用しました。電流測定と電圧測定は、R6452Aデジタルマルチメータで行いました。

結果と考察


以下に、測定結果を示します。


004_20101008032452.png
fig.4: 4050の出力電流-出力インピーダンス特性


同一シンボルを結んだものが、同一の電源電圧を示しています。
つないだ線が立っているものほど出力が定電流特性に近く、寝ているものほど定抵抗特性に近いといえます。

ここで、電源電圧が5Vである緑のラインに注目してみます。
すると、一般的なLEDの駆動電流として妥当な値である6mA前後の領域でグラフが立っている、すなわち定電流特性に近くなっていることが読み取れます。
したがって、電源電圧が5VのときにはLED駆動時に電流制限抵抗を省略することができるでしょう。

一方で、これよりも高い電源電圧では、グラフが寝ているため定抵抗特性に近くなり、抵抗値も電流制限抵抗を省略するには低い値となっています。

逆に、3V動作時は出力インピーダンスが高くなりすぎて、LEDを十分に駆動できるだけの電流を取り出せなさそうです。

したがって、4050をソースで動作させたときは、電源電圧が5V前後の場合のみ電流制限抵抗を省略した状態でLEDを駆動できるという結論となりました。

関連エントリ




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付録


このエントリで使用した測定データを添付します。


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