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地惑実験(電子回路)のTAをして思ったこと

電子工作が初めての人にとって、一番多いトラブルは、電源の接続ミス、二番目が接触不良だと思いました。
製作した回路が一発で動作することは、稀なので、脱初心者のキモは、問題発見の方法を身につけること:より具体的にいうなら、テスタの使い方を覚えることだと思います。




地球惑星科学科の電子回路


東京工業大学地球惑星科学科でも電子回路の授業があります。

といっても、電気・電子工学科などの専門的なものではなく、研究室所属したときに使うことになる計測器の中身がどうなっているのか、まったく知らずに触るよりは、いいだろうといった程度の目標で、受講する学生も、今まで一度も電子回路工作などしたことがない人たちばかりです。授業の回数も少なく、本当にさわりだけです。

具体的な、授業の内容は、ブレッドボードに実際の回路を組み上げてみて、動作を確認するというものです。
年度によってまちまちですが
  • 74HC標準ロジックの基礎
  • OPアンプの基礎
  • センサの基礎

をやっています。

私は、この1年間この授業のティーチングアシスタント(TA)をしていました。
その感想としては、やはり、初めてブレッドボードを触る人のトラブルのほとんどは、電源の接続ミスで、次が接触不良であるのだなということです。
これは、以前書いた初心者向けテスターの選び方の主張とも重なりますが、テスターの導通チェッカ機能と電圧測定機能の2つが使いこなせる様になれば、電子工作入門はクリアだということも(逆に考えれば)できると思います。

以降、TAをしていて感じた事を列挙していきます。
電子工作初心者の方にとっては、役に立つことがあるかもしれませんし、ないかもしれません。

回路の接続確認


「すみません。ぜんぜん動かないんですけど・・・」

と、いうときのほとんどは電源の接続ミスでした。
電子工作に慣れている人なら、当然のことですが、回路が動作しないときに各素子の電源端子電圧を測ってみることは問題可決の最初の一歩です。

電源以外の接続ミスも、比較すると頻度は低いながらも、よくあります。導通チェッカを使えば、対処できます。

往々にして思ったことは、抵抗やコンデンサのリードがグニャグニャに曲がってしまっている人が多いということです。
ブレッドボードに刺すときに、真っ直ぐに刺せずにリードが曲がってしまうのだと思うのですが、こういった場合は、ラジオペンチで真っ直ぐに伸ばしたほうがいいです。
また、真っ直ぐなリードを曲げるときも、ラジオペンチを使って丁寧に曲げたほうがうまくいきます。

配線をするときには「丁寧で綺麗に」作るほうが、総じて早く終わります。ミスが少なくなるというのがひとつの理由で、仮にミスがあったとしても発見しやすくなるのがもうひとつの理由です。

設計ミスの確認


授業では、フィルタ回路の設計も行いました。
受講生には、各々の目標とするカットオフ周波数になるように回路定数を計算してもらうのですが、当然計算ミスをすることもあります。

ブログの読者の方は、授業を受ける学生ではないので、実際に回路を作る前に回路シミュレータで動作確認をしておくことで、計算ミスによって間違った回路を作ってしまうことを回避することができます。(参考:LTspiceクイック・スタート, LTspiceの使い方)

部品の選定ミス


設計が正しくても、抵抗値や容量値が設定と違う値のものを選んでしまうこともありました。
カラーコードやコンデンサにプリントしてある数字の読み方に自信があったとしても、配線の前に一通りテスタで値をチェックしておくのはよいことだと思います。

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tag: LTspice テスタ 

キャラクタLCD処方箋

SC1602などのキャラクタLCDモジュールを使っていて、ソフトウエア的には動いてくれていいはずの場面なのに、1行目に黒い四角が並ぶところを目の当たりにしたことがある人は少なく無いのではないでしょうか。

こういった原因はいろいろあると思うのですが、対処療法的に効果があるかもしれない内容をまとめてみました。


キャラクタLCDは実は難しい


マイコンを利用した趣味の電子工作では、表示機としてSC1602やSC2004といった、日立のHD44780互換ICを利用したキャラクタ液晶表示機が非常に良く使われます。

HD44780 のGoogle画像検索

これらの液晶表示機は、秋月電子通商などでも安価に購入でき、また、マイコンのプログラミングという観点から見るととても簡単に制御ができるため、マイコン初心者から上級者まで広く使われています。

しかしながら、回路図どおり接続し、ソフトウエアも間違っていないはずなのに、何故か動作しないということがしばしば起こり、初心者泣かせだったりします。
キャラクタLCDの1行目に黒い四角が並んでいる初期化失敗の場面を見たことがある人は少なくないと思います。
それよりは頻度が低いですが、意味不明な文字列のようなものが表示される「文字化け」や意図した位置からずれた場所に文字が表示されるといった症状も稀に見られます。

特にキャラクタLCDをマイコン基板本体から少し離れたところに設置したいと考えたときなどに、信号線を引き伸ばすと不都合が生じることが多いようです。

こういった現象の起こる根本的な原因は、私にはよく分かりませんが、経験的に効果があるチェックポイントをまとめました。

  • 結線のチェック
  • コントラストのチェック
  • パスコンの追加
  • 信号パルスの延長とダミーウエイトの追加
  • バッファの挿入
  • 未使用端子とE(STB)信号線の処理
  • マイコン側の問題?

ただし、経験則ゆえに間違っていることもあるかもしれません。また、いかにもな対処療法は、仮にそれで動作が安定したとしても、それだけで満足せずに原因となっている問題点を探す努力が必要です。

結線ミス(特に電源)


なんだかんだ言って、結局一番多いのは配線の間違いや接触不良です。
導通チェッカの機能の付いたテスタを使って、落ち着いて確認するところからはじめましょう。
特に2行表示のLCDと4行表示のLCDでは、ピン配置がそっくりでありながら電源とGNDのピン配置だけが逆になっているものがあります。

コントラスト


これも単なるケアレスミスなのですが、コントラストの調整がマズイせいで一見表示されていないように見えることがあります。

パスコン


回路製作の際にすべてのICの電源とGND端子のできるだけ近くに0.1μF程度の積層セラミックコンデンサを接続し、IC数個おきに100μF程度のアルミ電解コンデンサを接続する。


こういった話は、電子工作の参考書(例えば、CPUの創りかたOPアンプによる実用回路設計)にはよく書かれていることですが、忘れてしまう人をしばしば見かけます。

キャラクタ液晶モジュールそのものの電源-GND端子間に数十μF程度の電解コンデンサをつけると文字化けやちらつきの頻度が改善されるケースがしばしばあります。
特に信号線を引き伸ばす場合に効果があるようです。

信号パルス(特にE(STB))の長さ


キャラクタディスプレイの制御信号には最小パルス幅が定義されています。例えばキャラクタLCDへの書き込み時にはEnable信号を220ns以上Highに維持する必要があります。

このEnable信号の保持時間をかなり長めに取ってやることによって、動作が安定することがあります。
私はPIC16F873を20MHzで動作させた際、NOPを2つはさみ、少なくとも400ns以上Highを維持していたはずなのに、LCDが正常動作しなかったことがあります。
このときはNOPを10個はさむ、すなわち2μs以上Highを維持するようにしたところ正常に動作するようになりました。

とはいえ、こういった対処療法はあまり好まれません。

バッファの挿入


キャラクタLCDをメイン基板とは離れたところで動作させたい場合は、メイン基板上のマイコンに送信バッファを、液晶表示機に受信バッファをそれぞれ挿入するという選択肢もあります。

ただし、ICが増えることを厭わないならば、メイン基板上のマイコンと液晶制御用のマイコンを分離し、別基板間の通信を考慮したシリアル通信でデータのやり取りをするという案のほうが現実的かもしれません。


001_20101124001952.png
fig.1: 本当に延長したいならシリアル通信で


液晶表示モジュールを4ビットモードで使ったときの空きピン処理


液晶表示機を4ビットモードで使用する際の未使用端子をどのように処理するかという問題は、長らく議論されてきたようです。

この問題は居酒屋ガレージ日記の居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)さんが液晶表示モジュールを4ビットモードで使ったときの空きピン処理にまとめています。E(STB)信号線の処理など8ビットモードでも参考になる話が書いてあるので、読んだことの無い方はぜひ一読をオススメします。

マイコン側の問題?


最後に、私の昔の経験をひとつ。
いまだに原因もよく分かっていない話ですが。

およそfig.2のような回路を作ったところ、マイコンとしてPIC16F84Aを使ったときはLCDモジュールが正常に動作する一方で、PIC16F88を使ったときは動作しないという現象に出くわしました。


002_20101124001952.png
fig.2: 84Aでは動作するが88では動作しない回路?


PIC16F88は84Aと比べて高機能なため、単純なプログラムを組むだけでも、余計な設定項目が多いのが難点といえば難点です。
ただ、このときはアナログ関係の設定もシリアル通信関連の設定もディスエーブルとしたので、84Aから88への移植の問題ではないと思います。PIC16F88が壊れた可能性も考慮して複数の個体で試しましたが、どれも同じ結果でした。(ただし、同時期に購入した個体しかなかったため、ロットは同じだと思います。)

そもそも、この回路の設計思想はA/Dコンバータが乗っているPORTAをできるだけ使わず、PORTBだけでキャラクタ液晶を動作させるというものでした。これをあきらめて、三本の制御信号線(E,RS,RW)をPORTAに移したところ、PIC16F88でも動作するようになりました。

このエピソードで言いたかったことは、キャラクタLCDは初心者も良く利用する基本的なモジュールでありながら、実は結構気難しくてうまく動いてくれないこともあるということです。

参考URL




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tag: PIC 失敗談 

電気用語は難しい(オームの法則)

発光ダイオードは電源に直接つなぐと電流が流れすぎるため、電源とLEDの間に抵抗を挿入します。

001_20100306113832.png

突然ですが問題です。
上記の回路図中の抵抗をなくしたらどうなるでしょう?

(i) LEDに電流が流れすぎる
(ii) LEDに電流が流れなくなる


電子回路入門講座


電子回路入門講座―アナログ・ディジタルからセンサ・制御回路までの「1.5.3抵抗器と抵抗」には以下のようにあります。

オームの法則が成り立つように作られた素子を抵抗器と言う。しかし、「器」がつくとがっちりした大きな素子思い浮かべる人がいるかもしれない。実際は炭素を主成分として作られた小さな抵抗器を単に抵抗と呼ぶことが多い。つまり「10Ωの抵抗」は正式には「10Ωの抵抗器」なのである。
レジスタンスの日本語は電気抵抗あるいは抵抗値であるが、普通は単に抵抗という。そのために不便や誤解が生じることは実際には少ないのは、実務に携わっている同士のあうんの呼吸によるものである。しかし初心者の教育においては言葉の定義が重要であり、あいまいなままでいろいろな技術用語を使うのは好ましくない。抵抗器は英語ではresistorである。本書ではこの用語のカタカナ表記として、レジスタも用いる。


解答


さて、これを踏まえて冒頭の設問について考えてみると「抵抗をなくす」の解釈によりどちらの答えも正解となりうることが分かります。

(i) 抵抗値(resistance,レジスタンス)をなくす(ゼロにする=短絡する)
(ii) 抵抗器(resistor,レジスタ)をなくす(取り外す=オープンにする)

オームの法則と抵抗


しかし、抵抗と言う言葉が、結局何を表しているのか分からなくなってしまう問題は、実は単純に日本語の訳のせいだけでは無いような気がしています。

では、他にどんなややこしい話があるのか?
それは、オームの法則と抵抗値(resistance)と抵抗器(resistor)の間の関係です。

抵抗器(resistor)はほぼ間違いなくオームの法則が成り立つ素子ですが、抵抗値(resistance)はオームの法則が成り立たない素子に関しても定義することができると言うことです。
オームの法則が成り立たない素子と言うのは、例えばダイオードやトランジスタなどの能動素子です。最近まとめたエントリでは、LTspiceで出力インピーダンスで求めたTL431を利用した定電流回路の出力インピーダンスもオームの法則が成り立っていません。

オームの法則


オームの法則についておさらいしましょう。
オームの法則は、以下の式で表される関係ですが、これを日本語に直すとどうなるのかをきちんと意識している人は案外少なかったりします。

V=R \times I

オームの法則は「一様な物質においては、その両端の電圧と内部に流れる電流の間に比例関係が見らる」というものです。

式の中のRはその比例定数で、

R=\frac{V}{I}

と表されます。これがオームの法則が成り立つ物体の抵抗値です。
言い換えると、オームの法則が成り立つモノと言うのは抵抗値Rが定数に成るモノということです。

しかしながら、この式を使えばオームの法則が成り立たないダイオードのような素子に関しても抵抗値を決定することができます。


002_20100306113832.png
003_20100306113832.png
fig.2-3: ダイオードの抵抗値


そんなわけで、オームの法則が成り立つ抵抗をオーミックな抵抗、オームの法則が成り立たない抵抗を非オーミックな抵抗と呼んだりします。ややこしいですね。

関連エントリ




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tag: LTspice LED 

ミッドレンジマイコンでマルチタスク

処理性能がさほど高くないミッドレンジのマイコンを利用して、時間的要求がさまざまなタスクを上手に処理しようとする場合、単純なメインループ(+割り込み)のアーキテクチャでは苦しくなることがあります。
具体的には、私がここ数週間取り組んでいたWEM菅生用電気自動車のデータロガーの設計方針の失敗談です。

そういえば、大体似たようなことを以前senshu先生の掲示板に書きました。
少ピンマイコン用組込みOSのメリット


ごめんなさい


数週間ほど、私はWEM菅生に向けてデータロガーを設計・製作していましたが、ちょっとだらだらとしすぎて、完成に至りませんでした。単純にやる気と時間が不足していただけと言う話もありますが、電気自動車に全く興味が無い人にとっても読んでもらえるように概念的な話を書きます。

ロガーの仕様


電気自動車レース用データロガーなので、最低限計測しなければならないデータは「速度」「ラップタイム」「電流」「電圧」です。レギュレーションは2時間耐久レースに分類されるものなので、スタートからの「経過時間」も必要です。
これらのデータをドライバーが読み取れるように「表示」し、ログとしてメモリに「保存」する。これが、ロガーの仕様の核です。

ラップタイマと速度計はレシプロカル方式の周波数カウンタのようなものなので、エッジの検出からタイマの読み込みまでのタイムラグはできるだけ小さい方が好ましいです。このため、ラップタイマと速度計のプログラム全体の中での時間的要求(優先度)は最高です。

ADCのサンプリングレートは、1~10sps程度の超低速でかまわないので、優先度は高くありませんが、取りこぼしがあっては困ります。また、ドライバーのための表示器の更新レートは、「経過時間」の表示を0.1s単位まで見せるとすると、10HzとなるのでADCのサンプリングレートと同等となります。

メモリは、何を使ってもよいのですが、あとでPCをつかって処理することを考えると、SDカードにFATファイルシステムを使って書き込むのがポピュラーです。SDカードにSPIモードで書き込むのはかなり遅いので、ADCのサンプリングや表示機の表示のタスクをSDカーへの保存タスクよりも、一段階優先度を上げたいと考えます。

そんなわけで、優先度の割り振りは以下の三段階となりました。

  1. 速度計・ラップタイマ・経過時間
  2. ADC・表示機への表示
  3. ログデータの保存


優先度に応じたCPUの割り振り


すべてのタスクの優先度が高くないプログラムの場合は、単純にメインループの中ですべての処理が賄えます。

この単純なアーキテクチャに加えて、少数の高優先度のタスクがあるアーキテクチャでは、高優先度のタスクを割り込み処理とすれば、上手に処理することができます。
このメインループ+割り込みのアーキテクチャでは、優先度が上位と下位の2種類に分けられる場合に使われます。

これらの2パターンは、マイコンのプログラムをしている人なら無意識のうちにやっている手法です。そして、多くの場合これだけでうまく処理ができます。更に言うなら、これらの2パターンでうまく処理できるようにシステム全体を考える方が、難しいことをするより多分楽です。

しかし今回のロガーの例では、優先度が3段階必要なので、なんとか上手くごまかさなければなりません。以降は上手くごまかすための方法を思いつく限り列挙しました。

多重割り込みアーキテクチャ


多重割り込み機能を持ったマイコンを選べばスマートに実装できます。
上位割り込み・下位割り込み・メインループで三段階の優先度を賄うことができます。

実を言うと、以前PIC18F452を使って失敗しました。
多重割り込みに関してエラッタが出ていたことに気づかなかったのです。
以下、PIC18FXX2 Rev. B2 Silicon/Data Sheet Errataからの引用です。

4. Module: Interrupts
Under certain conditions, the use of dual priority
interrupts may cause a program instruction to be
skipped entirely. This has only been observed
when both of the following apply:
  • Both high and low interrupts are enabled, and
  • A high priority asynchronous interrupt occurs in

the following cycle after any low priority
interrupts.
The event causes the stack to get pushed twice,
and will eventually result in an overflow.


とはいえ、これは多重割り込みが正常に動作するマイコンなら、上手くいくはずの方法です。

ハードウエアで処理する


今回のロガーの例では優先度の高い処理は、処理内容自体は単純なもので、速度計・ラップタイマともに、トリガ信号を検出した瞬間のタイマの値をキャプチャするだけです。
ハードウエアの処理だけで、最高の優先度の処理を賄ってくれるのなら、CPUはそれ以外の2段階の優先度を持つプログラムだけですみます。

今回はPSoCのデジタルブロックにその役割を果たしてもらおうと考えていました。
できなかったのは単純に私の実力不足だと思います。

複数のCPUで処理する


優先度の異なる処理の一部を、他のハードウエアに分担してもらうと言う考え方自体はひとつまえの「ハードウエアで処理する」と同じです。処理の一部を他のマイコンに負担してもらうことを考えます。

今回の例で言うならば例えば、一番処理が重いSDカードへの書き込み処理を別のマイコンへ追い出します。メインのマイコンでは、データのサンプリング等を行い、書き込むべきデータを書き込み専用の別のマイコンにシリアル通信で送ります。

プログラマーの能力と言うのが、どれだけ限られたりソースに対して処理を詰め込めるのかで決まるのだとすれば、この方法は一番初級者でも上手くいく方法であろうと思います。

リアルタイムマルチタスクOS


マルチタスクOSというとずいぶんと大層に思えますが、PIC16F程度の単純なマイコンでは、ちょっと処理の単位をタスクとして意識しながらメインループを組むだけでもそれらしいものになります。2ちゃんねる電気・電子板のPICにOSは必要か?のはじめの方(PIC16Fより高度な18,24,32,dsPIC等がメジャーになる前)の書き込みはこの考え方のエッセンスです。

ただし、多重割り込み機能もスタックへのユーザによる操作もできないPIC16Fの場合は、タスクが自発的にタスクスイッチャへの復帰をすることが要求されます。
結局のところ、1つのタスクが長時間CPUを拘束してしまうと、リアルタイム性が失われてしまいます。この問題に対して、PICで有名な後閑哲也さんのPICROSをみると、タスクを複数のステージに分割することで1つのタスクが長くなりすぎないようにしているようです。とはいうものの、このステージの分割は人間がコーディングの段階で行わなければならないことなので、OSを使う/使わないの問題とは余り関係がありません。

参考URL




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tag: PIC PSoC 

KTXO-18Sの疑惑

高精度なクロック源と言えば、秋月の超高精度クリスタルモジュールKTXO-18Sですが、データシートが入手できなかったり、温度特性の項目が秋月のサイトの表記と、購入時についてくるペラ紙の表記とで食い違いがあったりと、よく分からないことが多いです。

今回はKTXO-18Sを使う際に覚悟しておかなければならない問題点を挙げておきます。
本エントリとしては、問題点を挙げるだけで明確な回答を返せないあたりがもどかしくもあります。

001_20090815025157.jpg 002_20090815025157.jpg



超高精度クリスタルモジュール(12.8MHz±1ppm) 18S-03A-4


秋月電子通商で扱っている超高精度クリスタルモジュールKTXO-18Sは、アマチュア電子工作で安価に高精度のクロックを得るためによく使われています。


001_20090815025157.jpg
fig.1: 秋月の超高精度クリスタルモジュール
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00227/ より


Web上でも周波数カウンタの自作記事などでよく目にします。

データシートが見つからない


非常に頻繁に利用されているKTXO-18Sですが、ネット上でデータシートを探しても何故か見つかりません。2007年のマイコン工作の実験室→FORUM MC9S08QG8で外部クロックを適用するでも、見つからない旨の報告がされています。(この会話してるのはのりたんさんですね・・・趣味の電子工作業界は狭いなあ。)

秋月のペラ紙


仕方たが無いので、データシートの代わりに秋月で購入した際についてくる「ペラ紙」の画像を上げます。


002_20090815025157.jpg
fig.2: 秋月のペラ紙


温度係数の怪


秋月の商品ページでは、この発振器の性能に関して以下のように書いています。

■12.8MHz ±1ppm/年 超高精度クリスタルモジュール
◆電源:DC5V
◆温度特性:±3ppm/℃(-20~60℃)
◆エージング特性:±1ppm/年
◆出力レベル1Vp-p


気づかれたでしょうか?温度特性の項目がfig.2のペラ紙の記述と異なっています。
2ちゃんねる電気電子板水晶振動子&水晶発振器を鋭く語るスレ 2 >>-157-158では、このことに関して以下のようなレスがついています。

157 名前:774ワット発電中さん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 23:36:29 ID:RZ58im/9
秋月で売っている超高精度クリスタルモジュール12.8MHz[KTXO-18S]を使って
PICマイコンで時計を作ったのですが、10時間で1秒ほど遅れます(電波時計との比較)
ソフトの方は 12.8MHz÷4÷8(プリスケラー)÷40000(タイマキャプチャ) で
1/10秒で割り込みかけているので 1時間に一回割り込みを取りこぼしていると
すれば計算が合うのでソフトの問題かもしれませんが調査中です。

無調整の場合 これくらい(-27ppm位)の誤差は普通なんでしょうか?

158 名前:774ワット発電中さん[sage] 投稿日:2007/12/30(日) 04:56:30 ID:Zayu2Cbs
>>157
まずは、問題の切り分け。
[KTXO-18S]の仕様は
◆温度特性:±3ppm/℃(-20~60℃) ←※
◆エージング特性:±1ppm/年

周波数カウンターを入手して、モジュールの周波数を確認するのが先決。
(周波数を確かめる方法は他にもあるが、これが一番確実。
まあ、今回に限りなら27ppm(346Hz)も違うので、他の手でもいけるが・・・)

モジュールに問題がなければ、PICの方に問題あり・・・と。

※これ、10度違えば最大30ppm違うという事になる。
しかし、これだと通常のAT水晶発振子(器)より特性が悪い事になる。
多分±3ppm(-20~60℃) なのだろうが・・・・一応秋月に問い合わせた方がいいかも。


また、杓子定規さんがKYOCERA 高精度水晶発振器 18S-03A-4 12.8MHzのエントリにてKTXO-18Sの分解、および温度試験を行っています。

18S-03A-4 12.8MHzを解剖して見た。基板に乗っているのはTRとCとRと思われる。高精度と付属のデータシートにあるが、周波数への温度管理をしている素子は私が浅学のためか見つからない。 温度特性が良いX'talを使用していることでの性能か?  様々な記事ではTCXOと誤解されて書かれているだけのことか。

X'talを交換してTS-830Sに実装しようと思ったのだが・・・・。 温度計を本体につけドライヤーで60℃まで炙ってみた なんと70Hz以上も動いた。 これは基準には使えない。極普通の発振器なら、200円は妥当な値段!?


温度に対する周波数変化を秋月のペラ紙を信じて±3ppmとすると±38.4Hzとなり、60℃にて70Hzずれたとする報告と一致しません。
逆に秋月のウエブページの±3ppm/℃を信じるとすると、周波数での変化はΔT=35℃(周囲温度25℃と仮定するΔT=60-25)とすると±1344Hzとなります。

KTXO-18SはTCXOではないのか?


TCXOとは、温度補償型水晶発振器(Temperature Compensated X'tal Oscillator)の略称であり、その名のとおり温度変化に対して周波数が変化するのを補償する発振器のことです。

これまでの議論を総合すると、KTXO-18Sは、±3ppm/℃が正解で、温度補償がなされていないと言うことになりそうです。
しかしながら、私はKTXO-18Sが、温度特性±3ppm(-20~+60℃)で温度補償されている可能性を捨てていません。
と言うのも、トランジスタと抵抗、コンデンサさえあれば温度補償回路が組めるからです。

LTspiceでトランジスタ温度計のエントリで書いたとおり、トランジスタは原理的に温度計としてつかえます。
ケース自体の保温性がよければ、周囲温度が60℃以下の条件で、トランジスタを発熱させケース内を60℃以上の一定温度の恒温槽にすることができます。
私も浅学なので、TCXOが実際にはどのようなメカニズムで温度補償を行っているのか知りません。したがって以上の話は仮説です。

とはいえ、温度を上げることにより周囲温度の変化に対応しているとすると、杓子定規さんの実験は別の示唆を与えてくれます。発振子の温度が周囲温度と等しいはずの電源投入直後と、恒温槽が機能して60℃以上となったときのKTXOの発振周波数は70Hz以上異なるはずだということです。
具体的にどの程度の時間が必要となるのかは分かりませんが、この手の温度補償を行う回路ではエージングが非常に重要だと言うことです。

直流動作点


Webで探すことのできるKTXO-18Sの回路例として超音波と赤外線の伝播時間差に着目したM系列変調方式距離測定法(PDF)では、出力端子をそれぞれ10kΩの抵抗でプルアップダウンしています。


003_20090815025207.png

京セラ製12.8MHz 水晶発振器”18S-03A-4”。出力がコンデンサ・カップリングされているので2.5V に抵抗でバイアスしてある。


他の多くのサイトでも、抵抗により動作点を決定しているようです。

出力レベルとインターフェース


秋月のサイト・ペラ紙ともに1Vp-pとされている出力電圧ですが、実際にはもう少し大きな振幅が取れるようです。出力波形はしっかりとしたデータを公開しているページがあるので、これを紹介するにとどめます。

Asa工房:KTXO-18S-03A-4 (京セラ), 12.8MHz 発振出力(PDF)
趣味の電子工作の部屋byすん:秋月 12.8MHz 高精度クリスタルモジュール(KTXO-18S)  波形です

クロック入力端子のしきい値電圧の条件によっては、プルアップダウン抵抗の選択はかなりシビアなようで、5V動作のPSoCの外部クロック入力に直結する場合の最適値は22kΩでプルアップ、10kΩでプルダウンとのことです。

関連エントリ




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