PWscfの入力作成補助
cif2cell
cif2cellはCIFからecalj入力の作成
でCIFファイルからecaljの入力ファイルを作成するために利用しました。インストール方法はそちらのエントリに書いてあります。
cif2cellがインストールしてあれば、格子定数や原子位置が記入された入力ファイルの雛形を作成することが出来ます。
フォーマットは以下の通りです。
cif2cell -p プログラム -f CIFファイル -o PWscf入力ファイルの雛形
例えばシリコンのCIFファイル Si.cif の場合は、以下のようにします。
cif2cell -p pwscf -f Si.cif -o Si.in
他にも
cif2cell -h
とタイプすることによってヘルプを表示することが出来ます。とはいえ、擬ポテンシャルの設定などの自明でないパラメータは一切出力されないため、追加の編集が必要になります。私は、追加の編集をPWguiで行いたいと考えたのですが、非自明なパラメータが一切出力されないため、そのまま PWgui で開くことが出来ないようです。
xtl2pw.py
他の入力支援用のPythonスクリプトがQuantum-ESPRESSOとVestaの連携とQuantumESPRESSO_空間群入力で公開されています。
ダウンロードした後、適当にPATHの通ったディレクトリへ置いて実行権限を付けます。
wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/xtl2pw.py
mv xtl2pw.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/xtl2pw.py
wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/pwout2xtl.py
mv pwout2xtl.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/pwout2xtl.py
wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/vesta2pw.py
mv vesta2pw.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/vesta2pw.py
xtl2pw.py は cif2cell と異なり、色々なパラメータをとりあえず埋めてくれるため、直接 PWgui で開くことが出来ます。ただし変換するのは cif ファイルからではなく xtl ファイルからなので、 VESTA で xtl ファイルをあらかじめ出力しておく必要があります。
具体的には、以下の手順になると思います(シリコンの例)。
- VESTA で cif ファイルを xtl ファイルへ変換する。
File → Export data → Fractional Coordinate (*.xtl) のファイル形式で保存 - xtl2pw.py Si.xtl scf 1
2つ目の引数は scf, relax, vc-relax が選べる
3つ目の引数は原子位置の制約
0:制約を点けない
1:制約をつける - 出力された入力ファイル Si.in をpwgui で編集
Ubuntu への PWgui のインストール
PWguiのページから Self-contained standalone executables つまりコンパイル済みのバイナリをダウンロードします。
そのまえに iwidgets4 をインストールしておく必要があるかもしれません。
sudo apt-get update
sudo apt-get install iwidgets4
wget http://www-k3.ijs.si/kokalj/pwgui/download/pwgui-6.1-linux-x86_64.tgz
tar xzvf pwgui-6.1-linux-x86_64.tgz
必要に応じて pwgui を PATH に追加します。
Windows への PWgui のインストール
Linuxサーバー上で動作する PWgui の GUI を転送して Windows クライアントで動作させるのは重いので、Windows 上で PWgui が動作するとありがたいのですが、ネットで探してみても最新版の PWgui に関しては失敗報告しか見かけません。古いバージョンの2.1.3ならWindows版がPWgui の旧バージョンのダウンロードページから入手できますが、最新版は無いようです。
恐ろしく回りくどい方法ですが、現状では VirtualBox 上で Ubuntu を動かして、そこで PWgui を動かすのが一番マシかもしれません。
関連エントリ
参考URL
参考文献/使用機器
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