スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PWscfの入力作成補助

Quantum ESPRESSO(PWscf)の入力ファイル作成支援に使えるソフトウエアとして、以下の3つがあげられます。


cif2cell


cif2cellCIFからecalj入力の作成
でCIFファイルからecaljの入力ファイルを作成するために利用しました。インストール方法はそちらのエントリに書いてあります。

cif2cellがインストールしてあれば、格子定数や原子位置が記入された入力ファイルの雛形を作成することが出来ます。
フォーマットは以下の通りです。
cif2cell -p プログラム -f CIFファイル -o PWscf入力ファイルの雛形


例えばシリコンのCIFファイル Si.cif の場合は、以下のようにします。

cif2cell -p pwscf -f Si.cif -o Si.in


他にも cif2cell -h とタイプすることによってヘルプを表示することが出来ます。

とはいえ、擬ポテンシャルの設定などの自明でないパラメータは一切出力されないため、追加の編集が必要になります。私は、追加の編集をPWguiで行いたいと考えたのですが、非自明なパラメータが一切出力されないため、そのまま PWgui で開くことが出来ないようです。

xtl2pw.py


他の入力支援用のPythonスクリプトがQuantum-ESPRESSOとVestaの連携QuantumESPRESSO_空間群入力で公開されています。

ダウンロードした後、適当にPATHの通ったディレクトリへ置いて実行権限を付けます。

wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/xtl2pw.py
mv xtl2pw.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/xtl2pw.py


wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/pwout2xtl.py
mv pwout2xtl.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/pwout2xtl.py


wget http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~masami/vesta2pw.py
mv vesta2pw.py ~/bin/
chmod +x ~/bin/vesta2pw.py


xtl2pw.py は cif2cell と異なり、色々なパラメータをとりあえず埋めてくれるため、直接 PWgui で開くことが出来ます。ただし変換するのは cif ファイルからではなく xtl ファイルからなので、 VESTA で xtl ファイルをあらかじめ出力しておく必要があります。
具体的には、以下の手順になると思います(シリコンの例)。

  1. VESTA で cif ファイルを xtl ファイルへ変換する。
    File → Export data → Fractional Coordinate (*.xtl) のファイル形式で保存
  2. xtl2pw.py Si.xtl scf 1
    2つ目の引数は scf, relax, vc-relax が選べる
    3つ目の引数は原子位置の制約
     0:制約を点けない
     1:制約をつける
  3. 出力された入力ファイル Si.in をpwgui で編集


Ubuntu への PWgui のインストール


PWguiのページから Self-contained standalone executables つまりコンパイル済みのバイナリをダウンロードします。
そのまえに iwidgets4 をインストールしておく必要があるかもしれません。

sudo apt-get update
sudo apt-get install iwidgets4
wget http://www-k3.ijs.si/kokalj/pwgui/download/pwgui-6.1-linux-x86_64.tgz
tar xzvf pwgui-6.1-linux-x86_64.tgz


必要に応じて pwgui を PATH に追加します。

Windows への PWgui のインストール


Linuxサーバー上で動作する PWgui の GUI を転送して Windows クライアントで動作させるのは重いので、Windows 上で PWgui が動作するとありがたいのですが、ネットで探してみても最新版の PWgui に関しては失敗報告しか見かけません。古いバージョンの2.1.3ならWindows版がPWgui の旧バージョンのダウンロードページから入手できますが、最新版は無いようです。

恐ろしく回りくどい方法ですが、現状では VirtualBox 上で Ubuntu を動かして、そこで PWgui を動かすのが一番マシかもしれません。

関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器





フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。
スポンサーサイト

tag: Quantum_ESPRESSO PWscf VESTA PWgui cif2cell 

ecaljでシリコンの電荷密度

ecaljではポスト処理として電荷密度の計算が可能です。プロットにはecaljで銅のフェルミ面で用いたxcrysdenの他にVESTAも利用できます。

2017y09m25d_222734424.png

Fig.1: シリコンの電荷密度



ecaljでシリコンのバンド構造(LDA計算)で作成したシリコンの入力ファイルを利用して、セルフコンシステント計算を行ってから、ポスト処理として以下のコマンドを実行します。

mpirun -np 2 lmf-MPIK si --density


上記のコマンドを実行すると smrho.xsf というファイルが作成されます。ecaljで銅のフェルミ面と同様にxcrysdenがインストールされていれば、以下のコマンドでxcrysdenが起動します。

xcrysden --xsf smrho.xsf


[Tool] → [Data Grid] → [OK] として Isovalue にとりあえず 0.08 を入力して [Submit] すると、シリコン原子間に異方性の強い共有結合が見えるようになります。

ecaljで銅のフェルミ面で書いたとおりxcrysdenはwindowsと相性が良くなさそうです。幸いにしてxsf形式の電荷密度はVESTAでも読み込むことが出来ます。VESTAで読み込んだ場合は、最初から等電荷密度面が表示されています。[Object] → [Properties] → [Isosurfaces...] から設定を変更することが出来ます。

関連エントリ




参考URL




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: ecalj 電荷密度 xcrysden VESTA 

VESTAでAkaiKKRのための基本並進ベクトル

個人的にはAkaiKKRで複雑な結晶構造を持った結晶の第一原理計算を行う事はあまりないのですが、複雑な結晶構造の入力ファイルを簡単に作成できれば便利だとは思います。
今回は、結晶構造を指定するのに非常に良く使われるcifファイルからVESTAを利用して出力することの出来るVASP用の入力ファイルを流用することを考えます。


AkaiKKRのための基本並進ベクトル


結晶構造は、格子(lattice)と基本構造(basis)の組み合わせによって表現されます(参考:結晶学 Crystruct.info)。
AkaiKKR(machikaneyama)でも格子と基本構造の組み合わせによって結晶構造を指定します。格子を指定する方法は、ブラべ格子の種類をキーワードで指定する方法(AkaiKKRのブラベ格子)と基本並進ベクトルで指定する方法(AkaiKKRの基本並進ベクトル その1その2)があります。

いずれにせよ、結晶構造を指定するのために必要十分な情報があれば、それを格子と基本構造へと変換するのは簡単なはずです。
今回は、結晶構造を指定するのに非常に良く使われるcifファイルからVESTAを利用して出力することの出来るVASP用の入力ファイルを流用することを考えます。

六方最密充填構造コバルト(hcp-Co)の基本並進ベクトルと基本構造


まず目標の結晶のcifファイルを入手します。
入手先の候補はいろいろ考えられますが、今回は六方最密充填構造のコバルトのcifファイルGitHubの該当ページからダウンロードします。

次に、結晶構造描画ソフトであるVESTAでcifファイルを開きます。
VESTAでLaMnO3ペロフスカイトなどで結晶構造の描画の方法について説明していますが、今回は結晶構造を眺めるのが目的ではないので、次に進みます。

cifファイルを開いた状態で[File]→[Export Data...]と選択するとファイル保存のダイアログが立ち上がります。
ここでファイルの種類としてVASP (POSCAR;*.vasp)を選択し、保存をクリックします。
するとOptionウインドウが立ち上がり、座標系の選び方を聞いてくるので、今回はFractional coordinatesを選択します。(もちろんCartesian coordinatesを選べば直交座標系になります。なおNiggli reduced cellはよくわからないので今回はパスします。)

保存されたファイルをテキストエディタで開くと、以下のようになっているはずです。
見ての通り、前半が基本並進ベクトルで、後半が基本構造です。

Co
1.0
2.5071001053 0.0000000000 0.0000000000
-1.2535500526 2.1712123810 0.0000000000
0.0000000000 0.0000000000 4.0686001778
Co
2
Direct
0.333333343 0.666666687 0.250000000
0.666666627 0.333333313 0.750000000


ただし、基本並進ベクトルの単位はオングストロームとなっているので、基本並進ベクトルaの大きさで規格化したのち、基本並進ベクトルaの大きさ自体も原子単位系のBohrへと換算します。(c.f. 1 Bohr = 0.52917721092 Å)

c----------------------Co------------------------------------
go data/coAUX
c------------------------------------------------------------
c brvtyp a c/a b/a alpha beta gamma
aux
1.00000 0.00000 0.00000
-0.50000 0.86603 0.00000
0.00000 0.00000 1.62283
4.738
c------------------------------------------------------------
c edelt ewidth reltyp sdftyp magtyp record
0.001 1.0 nrl mjw mag 2nd
c------------------------------------------------------------
c outtyp bzqlty maxitr pmix
update 4 50 0.023
c------------------------------------------------------------
c ntyp
1
c------------------------------------------------------------
c type ncmp rmt field mxl anclr conc
Co 1 1 0.0 2
27 100
c------------------------------------------------------------
c natm
2
c------------------------------------------------------------
c atmicx atmtyp
0.333333343a 0.666666687b 0.250000000c Co
0.666666627a 0.333333313b 0.750000000c Co
c------------------------------------------------------------


その結果得られた入力ファイルが上記になります。
基本構造の下位の桁が少し怪しいことになっていますが、その点に目をつぶれば、正しく結晶構造を指定できています。

関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: AkaiKKR machikaneyama VESTA ブラべ格子 基本並進ベクトル 六方最密充填構造 コバルト 

VESTAでLaMnO3ペロフスカイト

VESTA - Visualization for Electronic and STructual Analysisを利用してLaMnO3ペロフスカイトの結晶構造を描画しました。

LaMnO3pv.png


結晶構造の描画


VESTAで結晶構造を表示するためには、なんらかのデータベースから結晶構造データ(.cifフィアルや.vestaファイル)を入手するか、或いは、自分で結晶構造のパラメターを入力する必要があります。

結晶構造のパラメータの入力の仕方を含むVESTAの使い方は、以下のサイトで分かりやすく紹介されています。



また、結晶構造データベースとしての有名どころは、以下の様なものがあります。


American Mineralogist Crystal Structure DatabaseGeneral Searchに化学式などを入力して検索すると、結晶構造のパラメータと.cifファイルの一覧が表示されます。


LaMnO3のパラメータ


今回は、一例としてLaMn3の結晶構造を描画します。
結晶構造のパラメータはTutorial for XtalEditや http://kotliar6.rutgers.edu/udo/prof/projects/lda/tutorial/tut_01.htm のInternet Archiveのアーカイブのものを利用します。

空間群は62番で、格子定数は以下の通りです。

  • a = 5.742 Å
  • b = 7.668 Å
  • c = 5.332 Å


単位格子内の原子位置はTable.1の通りです。

Wyckoffx/ay/bz/c
La4c0.5491/40.010
Mn4a000
OI4c-0.0141/4-0.070
OII8d0.3090.0390.224
table.1: LaMnO3単位格子内の原子位置


これらの情報を信州大学 情報科学演習空間群を利用して、さらに複雑な構造を描くに倣って入力します。


第一原理計算の入力ファイルに関して


AkaiKKR(Machikaneyama)などの第一原理計算のための入力には、結晶構造と原子位置を入力する必要があります。AkaiKKRの入力支援にはXtalEditというソフトがありますが、VESTAでもある程度のことはできそうだと言う感触はあります。

第一原理計算の入力ファイル作成に関して参考になりそうなURLを列挙しておきます。



関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したVESTAの結晶構造ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: VESTA AkaiKKR machikaneyama 

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoC強磁性CPAPICOPアンプecalj状態密度常微分方程式モンテカルロ解析odeトランジスタインターフェースDOSPDS5022スイッチング回路定電流半導体分散関係シェルスクリプト乱数レベルシフトHP6632A可変抵抗温度解析トランジスタ技術ブレッドボードR6452AI2C確率論セミナー数値積分反強磁性バンドギャップ熱設計非線形方程式ソルバ絶縁バンド構造偏微分方程式三端子レギュレータフォトカプラカオスマフィンティン半径ISO-I2CGW近似LM358A/DコンバータシュミットトリガLEDUSB数値微分サーボアナログスイッチ補間発振回路カレントミラー直流動作点解析TL43174HC4053PC817C単振り子FFTVESTA開発環境bzqlty電子負荷量子力学基本並進ベクトルパラメトリック解析標準ロジックチョッパアンプBSchLDAアセンブラブラべ格子2ちゃんねるイジング模型PWscf状態方程式仮想結晶近似キュリー温度Quantum_ESPRESSO熱伝導VCAスイッチト・キャパシタewidth最適化QSGWTLP621GGASMPMaxima失敗談位相図六方最密充填構造繰り返しスピン軌道相互作用相対論ランダムウォークFETgfortranコバルトスレーターポーリング曲線ラプラス方程式抵抗cygwin不規則合金格子比熱熱力学マントル条件分岐MCU井戸型ポテンシャルダイヤモンドQNAPUPS固有値問題シュレディンガー方程式自動計測ガイガー管詰め回路OpenMPTLP521ハーフメタルLM555ubuntufsolveブラウン運動平均場近似NE555ZnOTLP552QuantumESPRESSOxcrysdenCIF最小値最大値awkフェルミ面テスタ第一原理計算Ubuntu差し込みグラフFXA-7020ZR三角波過渡解析Writer509データロガースーパーセル起電力CK1026AACircuitMAS830LフィルタMBEP-10PGAトランスナイキスト線図ノコギリ波負帰還安定性EAGLEOPA2277PIC16F785CapSenseLMC6622SC1815入出力固定スピンモーメントFSMTeX結晶磁気異方性全エネルギーc/a合金multiplotgnuplot非線型方程式ソルバL10構造正規分布等高線ジバニャン方程式初期値interp1fcc面心立方構造ウィグナーザイツ胞半金属デバイ模型磁気モーメント電荷密度重積分SIC不純物問題ゼーベック係数cif2cellPWgui擬ポテンシャル二相共存ウルツ鉱構造edeltquantumESPRESSOフォノンリジッドバンド模型スワップ領域BaO岩塩構造ルチル構造ヒストグラム確率論マテリアルデザインフラクタルマンデルブロ集合キーボードRealforceクーロン散乱三次元疎行列縮退化学反応関数フィッティング最小二乗法Excel直流解析PCTS-110TS-112日本語パラメータ・モデル等価回路モデル文字列状態図陰解法熱拡散方程式HiLAPW両対数グラフCrank-Nicolson法連立一次方程式specx.fifort境界条件片対数グラフグラフの分割円周率ヒストグラム不規則局所モーメントGimpシンボル軸ラベル凡例線種トラックボール

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。