QNAP NASとは
NASというのは、Network Attached Storageの略称で、ものすごく簡単に言ってしまうとLAN接続の外付けハードディスクです。
外付けHDDというとUSB接続の物が真っ先に思い浮かぶと思います。LAN接続の外付けHDDのアドバンテージは、複数のPCから同時にアクセスできるということです。
このため、あちこちのPCにデータが散らばってしまいがちな人にとっては、データを一箇所にまとめておけるので便利です。もしもネットワークに詳しければ、インターネットを通じて外出先からもデータにアクセスできるようにすることも出来ます。(私はまだ試してませんが。)
実のところQNAPは、外付けHDDとして説明するのは適切ではなく、実際には小型で低消費電力なファイルサーバーです。
ファイルサーバーとして使うことも、実はまだまだ役不足で、中身はlinuxの入った汎用省電力サーバーです。
具体的な活用方法は、例えばITmediaでは
“真・最強NAS”活用術 第3回:はじめてのNASに――手ごろな価格で手に入る「TS-110」を使う等に解説があります。
オススメ(?)構成
オススメかどうかは分かりませんが、以下に示すのが私の構築している環境の全てです。
私が使っているのは
TS-112
ではなくTS-110なのですが、もはや(上位互換の)
TS-112
方が安いようなのでコチラを紹介します。
低速病
QNAP NASはハードディスクが別売りとなっていて、厳密に言えばハードディスクケースに分類される商品です。したがって、自分で中に入れるHDDを用意しなければならないのですが、ここで注意すべき点はWesten Digital Caviar Green シリーズは
絶対に選んではいけないということです。
実を言うと、私自身もうっかりこのトラップに嵌ってしまい俗に言う『低速病』を味わいました。低速病とは
WD Caviar Green WD15EADS の低速病が起こったり直ったり [コンピュータ]によると
Westen Digital Caviar Green シリーズで発生する通称「低速病」は、いわゆるPIO病・低温病といった数割程度のパフォーマンス低下ではなく、数KB/s?数MB/sレベルの致命的な速度低下問題や、ディスクそのものを認識しない間欠障害を指します。特に EARSシリーズで採用された4KBセクタ(Big Sector,Advanced Format Architecture,Large Sector)をレガシーOS (Windows XP, Mac OS 9等)で使用した際の低パフォーマンス問題と混同している方を多く見かけます。紛らわしいネーミングですが、混同しないよう注意願います。
といったものです。引用文でも再三警告されていることですが、この症状が出ると単に動作が遅くなるといったレベルではなく、低速病という名前に反して、
実質的には使えなくなると考えたほうが正しいです。
この問題のもうひとつ根の深い点は『TS-110』や『TS-112』でGoogle検索をするとWDのGreenとセットで紹介しているページが少なくないことです。このことが2次被害3次被害を拡大させていると思います。
なおQNAPの公式ページには
互換性のあるHDDのリストがあり、GreenシリーズはNot Recommended Hard Drivesすなわち
推奨できないHDDリストに載っています。
現状私のTS-110は(たまたま大学生協にあった)
TOSHIBA DT01ACA200 2TB
に乗せ換えたことで元気に動いています。
バックアップ
さて、必要なファイルをNASに集めることが出来るということは、逆に言えば、NASが破損すると、一気に全てのファイルを失ってしまうリスクがあることを意味します。したがって、データを定期的にバックアップする事は非常に重要になります。
バックアップの方法は色々考えられますが、私はもっともシンプルな方法として、USB接続の外付けHDDをQNAP NASに接続して定期的に自動でバックアップをさせています。(参考:
外付けデバイスへのバックアップ)
USB外付けHDDは、QNAPの容量と同じだけの容量を持ったものなら何でもいいと思いますが、私はうっかり購入してしまったWDのGreenを
玄人志向のUSB外付けHDDケース
に入れて使っています。
TS-219PII
などのHDDを複数個搭載できる上位機種でRAID1(ミラーリング)を構成するというアイデアもありますが
RAIDはバックアップにならないの原則に従って、今回は見送りました。
また、
TS-219PII
などの複数ベイモデルでRAIDを使わずに定期コピーを行うという選択肢もありましたが、バックアップは物理的に異なるハードウエアに対して行うほうが良いと思ったので外付けHDDを選びました。こうしておけばQNAP NAS本体が壊れたときでもUSB外付けHDDを直接PCにつないでデータを読むことが出来ます。
無停電電源装置(UPS)
複数のPCからネットワーク越しにアクセスする運用なら必然的に長時間(おそらく24時間)電源を入れっぱなしで使うことになると思います。そうすると怖いのが停電や瞬停です。この停電対策に用いられるのが、無停電電源装置(UPS)です。
無停電電源装置とは、テーブルタップの中にバッテリーと充電回路・DCAC変換回路が入っていて(1)通常はAC電源をバイパスしつつバッテリーに充電し(2)停電するとバッテリーからAC出力を取り出して接続機器に電力を供給する、というものです。
無停電電源装置にも主にバックアップ動作時の出力波形の質(矩形波か正弦波か)やバッテリ容量に関してピンキリありますが、私の用途程度なら
CyberPower UPS Backup BR 350 350VA/210W CP350HG JP
程度で充分です。
またQNAPは標準で
CyberPower UPS Backup BR 350 350VA/210W CP350HG JP
に対応しており、USBケーブルを接続するだけで、管理Webページの『ホーム』→『外部デバイス』→『UPS設定』から停電時にNASを自動シャットダウンする設定が出来ます。

Fig.2: CyberPower UPSはUSB接続をするだけで認識する
実際にQNAP NASを
CyberPower UPS Backup BR 350 350VA/210W CP350HG JP
に接続した状態でUPSのACプラグを抜いて停電を模擬してみたところ、バックアップ動作をした後、QNAPを正常に自動シャットダウンすることが出来ました。
大学の研究室で使っているので、万が一にもそんな事はないとは思いますが、これで停電が起こっても大丈夫です。
参考URL
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