Maximaで3点を通る放物線

高校数学で3点を通る放物線を求める問題を以下のYoutube動画のように習いました。



高校数学の範囲では、答えを数値的に求めましたが、では独立な3点(x1, y1), (x2, y2), (x3, y3)を通る放物線を解析的に解くにはどうしたらよいでしょうか?Maximaをつかえば、以下のように入力するだけで y = a x2 + b x + c の係数(a, b, c)を求めることができます。

solve([y[1]=a*x[1]^2+b*x[1]+c,
y[2]=a*x[2]^2+b*x[2]+c,
y[3]=a*x[3]^2+b*x[3]+c],
[a,b,c]);



放物線の式(二次方程式)


放物線の式は、以下のような形で表すことができます。
一般型: y=a x2 + b x + c
頂点型: y=a (x - p)2 + q

独立な3点(x1, y1), (x2, y2), (x3, y3)を通る放物線を求めたいとします。

(x1, y1), (x2, y2), (x3, y3)が全て数値的に与えられていれば、冒頭のyoutube動画のように手計算で式を求めることができますし、Scilabで連立一次方程式のように数値計算ソフトでも係数を決定することができます。

しかしながら、一般型(a, b, c)にせよ頂点型(a, p, q)にせよ、3点が文字のままでも解析的に形を求めることができるはずです。
こういう時にはMaximaが便利です。

一般型


放物線 y=a x2 + b x + c が独立な3点(x1, y1), (x2, y2), (x3, y3)を通るとき、係数a, b, cを求めるという問題は以下の連立方程式をa, b, cについて解くことと同じです。

\begin{equation}
y_1 = x_1^2 a + x_1 b + c \\
y_2 = x_2^2 a + x_2 b + c \\
y_3 = x_3^2 a + x_2 b + c
\end{equation}

行列で書くと以下のようになります。

\begin{equation}
\begin{pmatrix}
x_1^2 & x_1 & 1 \\
x_2^2 & x_2 & 1 \\
x_3^2 & x_3 & 1
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
a \\
b \\
c
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
y_1 \\
y_2 \\
y_3
\end{pmatrix}
\end{equation}

これはMaximaに以下のように入力することで解くことができます。
solve([y[1]=a*x[1]^2+b*x[1]+c,
y[2]=a*x[2]^2+b*x[2]+c,
y[3]=a*x[3]^2+b*x[3]+c],
[a,b,c]);


\begin{equation}
a=\frac{{x}_{1}\,\left( {y}_{3}-{y}_{2}\right) -{x}_{2}\,{y}_{3}+{y}_{2}\,{x}_{3}+{y}_{1}\,\left( {x}_{2}-{x}_{3}\right) }{{x}_{1}\,\left( {x}_{3}^{2}-{x}_{2}^{2}\right) -{x}_{2}\,{x}_{3}^{2}+{x}_{2}^{2}\,{x}_{3}+{x}_{1}^{2}\,\left( {x}_{2}-{x}_{3}\right) }
\end{equation}
\begin{equation}
b=-\frac{{x}_{1}^{2}\,\left( {y}_{3}-{y}_{2}\right) -{x}_{2}^{2}\,{y}_{3}+{y}_{2}\,{x}_{3}^{2}+{y}_{1}\,\left( {x}_{2}^{2}-{x}_{3}^{2}\right) }{{x}_{1}\,\left( {x}_{3}^{2}-{x}_{2}^{2}\right) -{x}_{2}\,{x}_{3}^{2}+{x}_{2}^{2}\,{x}_{3}+{x}_{1}^{2}\,\left( {x}_{2}-{x}_{3}\right) }
\end{equation}
\begin{equation}
c=\frac{{x}_{1}\,\left( {y}_{2}\,{x}_{3}^{2}-{x}_{2}^{2}\,{y}_{3}\right) +{x}_{1}^{2}\,\left( {x}_{2}\,{y}_{3}-{y}_{2}\,{x}_{3}\right) +{y}_{1}\,\left( {x}_{2}^{2}\,{x}_{3}-{x}_{2}\,{x}_{3}^{2}\right) }{{x}_{1}\,\left( {x}_{3}^{2}-{x}_{2}^{2}\right) -{x}_{2}\,{x}_{3}^{2}+{x}_{2}^{2}\,{x}_{3}+{x}_{1}^{2}\,\left( {x}_{2}-{x}_{3}\right) }
\end{equation}

頂点型


頂点型の場合も同様です。

\begin{equation}
y_1 = a (x_1 - p)^2 + q \\
y_2 = a (x_2 - p)^2 + q \\
y_3 = a (x_3 - p)^2 + q
\end{equation}

Maximaに以下のように入力します。
solve([y[1]=a*(x[1]-p)^2+q, 
y[2]=a*(x[2]-p)^2+q,
y[3]=a*(x[3]-p)^2+q],
[a,p,q]);


答えは以下のようになりました。
\[a=\frac{\left( {x}_{2}-{x}_{1}\right) \,{y}_{3}+\left( {y}_{1}-{y}_{2}\right) \,{x}_{3}+{x}_{1}\,{y}_{2}-{y}_{1}\,{x}_{2}}{\left( {x}_{2}-{x}_{1}\right) \,{x}_{3}^{2}+\left( {x}_{1}^{2}-{x}_{2}^{2}\right) \,{x}_{3}+{x}_{1}\,{x}_{2}^{2}-{x}_{1}^{2}\,{x}_{2}}\]

\[p=\frac{\left( {x}_{2}^{2}-{x}_{1}^{2}\right) \,{y}_{3}+\left( {y}_{1}-{y}_{2}\right) \,{x}_{3}^{2}+{x}_{1}^{2}\,{y}_{2}-{y}_{1}\,{x}_{2}^{2}}{\left( 2\,{x}_{2}-2\,{x}_{1}\right) \,{y}_{3}+\left( 2\,{y}_{1}-2\,{y}_{2}\right) \,{x}_{3}+2\,{x}_{1}\,{y}_{2}-2\,{y}_{1}\,{x}_{2}}\]

qは長くなりすぎるので割愛...

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Scilabで乱数による関数の積分

Scilabには関数の積分の計算を行うintegrateがあるため簡単な関数の積分には必要が無いのですが、乱数を使った積分の方法について書きます。
[0,1]の範囲で一様分布な乱数列を{Xk}k=1,2...nとすると関数f(x)の積分は以下のようにして計算することが出来ます。

\begin{eqnarray}\int_a^b f(x) \mathrm{d}x & = & \int_0^1 f(a+(b-a)r)(b-a)\mathrm{d}r \\ & = & \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f(a+(b-a)X_k)(b-a) \end{eqnarray}


乱数による積分の考え方


[0,1]の範囲の一様分布な乱数列{Xk}k=1,2...nはScilabを使うと簡単に得られます。(参考:Scilabで乱数の生成,Scilabでコイン投げ)

このとき関数f(x)の積分は、f(Xk)の平均から求めることが出来るでしょう。

\int_{0}^{1}f(x)\mathrm{d}x = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=1}^{n}f(X_k)

例として、以下に挙げる具体的な関数f(x)に対して積分の計算をします。

f(x) = \exp(-x^2)

関数f(x)のグラフはFig.1のような形になります。積分は0≦x≦1の範囲の面積を求めることと同じです。


001_20130926022100898.png
Fig.1: 関数f(x)=exp(-x2)のグラフ


Scilabで楽しむ確率論(PDF)では、本文中に書いてある数式と実際にScilabで計算している数式が異なっています。本エントリではプログラムの方にあわせることにします。

モンテカルロ法以外の計算法


実際のところ、この程度の関数なら乱数を用いたモンテカルロ法を使うよりも、素直に数値積分をするほうがはるかに良い結果が得られます。

Scilabではintegrateをつかって簡単に数値積分が出来ます。(参考:Scilabで数値積分: 固体の比熱)
また、もっと基本的な方法として、解析的に原始関数を決められないか考えるという方法もあります。Maximaを使って不定積分を行うと以下のような結果が得られました。

\int f(x)\mathrm{d}x = \frac{\sqrt{\pi} \mathrm{erf}(x)}{2} + C(C: 積分定数)

まあこの場合は誤差関数erfが入っているので数値積分から逃れられてはいないというのも事実ではありますが。

数値積分、解析的な積分、乱数を使った積分のそれぞれの方法で積分値を計算するScilabのプログラムがfunc_sce.txtです。
数値積分と解析的な積分の両方の方法で、積分の値は0.7468241となりました。モンテカルロ法で求めた値もおおよそ同じくらいになります。

clear;

// *** 関数の定義 ***
// 関数f(x)
deff('y = f(x)','y = exp(- x .^ 2)');
// 原始関数F(x)
deff('y = F(x)','y = sqrt(%pi) .* erf(x) ./ 2');

X = linspace(0,5);

// *** グラフの描画 ***
plot(X,f(X));
xlabel("x");
ylabel("f(x)");

// *** 積分の計算 ***
// 解析的な積分
F(1) - F(0)
// 数値積分
integrate('f(x)','x',0,1)
// モンテカルロ積分
n = 1000;
mean(f(rand(1,n)))


ヒストグラム


このモンテカルロ法による積分を複数回行ったときのヒストグラムをFig.2へ示します。
確かにintegrateで求めた値を中心にばらついていることが分かります。


002_20130926022059bb7.png
Fig.2: 積分結果のばらつきを示すヒストグラム


積分範囲の変更


次に積分範囲がa≦x≦bの場合へ拡張します。方法は単純モンテカルロ積分 (2)の通りです。

a \leq x \leq b
0 \leq x - a \leq b - a
0 \leq \frac{x - a}{b - a} \leq 1

\frac{x-a}{b-a} = r

とおくと0≦r≦1となるので、置換積分を考えればよいことになります。

x = a+(b-a)r
\frac{\mathrm{d}x}{\mathrm{d}r} = b-a
\mathrm{d}x=(b-a)\mathrm{d}r

したがって

\begin{eqnarray}\int_a^b f(x) \mathrm{d}x & = & \int_0^1 f(a+(b-a)r)(b-a)\mathrm{d}r \\ & = & \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f(a+(b-a)X_k)(b-a) \end{eqnarray}

となります。

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したScilabのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


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tag: Scilab 数値積分 乱数 モンテカルロ解析 Maxima 

Windows server 2008 R2でMaxima

なぜかWindows server 2008 R2だけはMaximaをインストールしても正常動作しなかったのですが、これはデータ実行防止(DEP: Data Execution Prevention)という機能が邪魔をしていたとのことです。(参考:Maxima/Windowsにおけるインストールの仕方)

データ実行防止の除外設定方法(参考:データ実行防止の設定の変更)
  1. [スタート]→[コンピュータ]を右クリック→[プロパティー]
  2. [システムの詳細設定]
  3. [パフォーマンス]で[設定]
  4. [データ実行防止]タブ→[次に選択するのものを除くすべてのプログラムおよびサービスについて DEP を有効にする]
  5. [追加]→[wxmaxima.exe]を選択
  6. [OK]→[OK]→[OK]
  7. PC再起動


001_20121204055628.png

Fig.1: データ実行防止にwxmaxima.exeを追加する


参考URL




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