CIFからecalj入力の作成

ecaljの入力ファイル作成は手動でやってもかなり簡単ですが、更に簡単な方法としてCIFファイルから半自動的に生成する方法もあります。具体的にはCIFから cif2cell を使ってvasp形式のファイルを作成し、そのvasp形式のファイルからecaljの入力ファイルを作成するという方法です。

stSrTiO3.png

Fig.1: SrTiO3の結晶構造。簡単すぎることも複雑すぎることもなく、例題として扱うのに丁度いい結晶。


今回は正方晶(tetragonal)のSrTiO3を例に入力ファイルを作成します。cif2cellがインストールしてあれば、以下の手順で作成できます。

cif2cell srtio3.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5
vasp2ctrl POSCAR
mv ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.srtio3



ecaljの入力ファイル


ecaljには、結晶構造ファイル ctrls.* からコントロールファイル ctrl.* を半自動的に生成するスクリプト ctrlgenM1.py が付属しています。従って、コントロールファイル ctrl.* がecaljの実質的な入力ファイルでありながら、ユーザーは結晶構造ファイル ctrls.* さえ作ればよいので簡単です。(参考: ecaljの実行手順(LDA計算))

結晶構造ファイルの中身はシンプルなので、人間が手動で作成してもたいした手間ではありませんが、ケアレスミスの可能性もあるので、自動化できるに越したことはありません。そこで今回は、結晶構造を記述するファイル形式として有名なCIFから結晶構造ファイル ctrls.* を半自動的に生成する方法について書きます。
対象にした結晶は、正方晶(tetragonal)の SrTiO3 です。この結晶構造ファイルは Crystallography Open Databaseからダウンロードすることが出来ます。このCIFをVESTAで描画したのがFig.1です。

cif2cellのインストール


SourceForgeからcif2cellをダウンロードし、ホームディレクトリに置きます。私がダウンロードした時点での最新版は cif2cell-1.2.10.tar.gz でした。これを展開します。

tar xzvf cif2cell-1.2.10.tar.gz


展開されたディレクトリへ移動し、インストールを行います。

cd cif2cell-1.2.10/
sudo python setup.py install


更に .bashrc に以下を追記してパスを設定しておきます。

export PATH=$PATH:$HOME/cif2cell-1.2.10


追記したら .bashrc を再読み込みさせます。

source .bashrc


cifから結晶構造ファイル ctrls.* の作成


まずcif形式のファイルを用意します。今回はCrystallography Open Databaseからダウンロードします。

wget http://www.crystallography.net/cod/cif/9/00/28/9002806.cif


次に cif2cell を用いてcif形式からvasp形式のファイルを作成します。

cif2cell 9002806.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5


このとき私の環境では、以下のような警告が出ますが、無視して進めます。

***Warning : Site occupancies not found, assuming all occupancies = 1.


すると POSCAR というファイルが出来ています。このファイルからecaljの結晶構造ファイルを作ります。

vasp2ctrl POSCAR


結晶構造ファイル ctrls.POSCAR.vasp2ctrl が出来ているはずです。 vasp2ctrl という名前ですが、作成されるのはコントロールファイル ctrl.* では無く、結晶構造ファイル ctrls.* です。

ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算ecaljで反強磁性NiOなどの場合は ctrls.POSCAR.vasp2ctrl を基にして自生の設定のための編集が必要になりますが、今回は単純に名前だけ変更します。

mv ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.srtio3


あとは通常通りにLDA計算を行うだけです。

ctrlgenM1.py srtio3
cp ctrlgenM1.ctrl.srtio3 ctrl.srtio3
lmfa srtio3
mpirun -np 2 lmf-MPIK srtio3


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