CIFからecalj入力の作成 その2

CIFからecalj入力の作成では、結晶構造を表す標準的なファイル形式であるCIFから半自動的にecaljの結晶構造ファイル ctrls を作成する方法を書きました。しかしながら cif2cellのオプションが長すぎて明らかに暗記できないので、CIFからctrlsファイルを作成するシェルスクリプト(cif2ctrls_sh.txt)を書きました。

#!/bin/csh -f

set PREFIX=$1
cif2cell ${PREFIX}.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5
vasp2ctrl POSCAR
cp ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.${PREFIX}


更に制御ファイル ctrl まで一気に作ってしまうなら、以下のようなシェルスクリプト(cif2ctrl_sh.txt)を使います。ただし ctrlgenM1.py にオプションを渡すことは出来ないので強磁性体の計算をしたい場合などは、上のスクリプトを利用してください。

#!/bin/csh -f

set PREFIX=$1
cif2cell ${PREFIX}.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5
vasp2ctrl POSCAR
cp ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.${PREFIX}

ctrlgenM1.py ${PREFIX}
cp ctrlgenM1.ctrl.${PREFIX} ctrl.${PREFIX}



使い方


前提条件としてCIFからecalj入力の作成に従って cif2cell のインストールが成功していて、パスも通っている必要があります。

cif2ctrls_sh.txtcif2ctrl_sh.txtをパスの通った場所(例えば ~/bin/ など)に置いて実行権限を与えておきます。

wget -O ~/bin/cif2ctrls.sh https://blog-imgs-116.fc2.com/g/o/m/gomisai/cif2ctrls_sh.txt
wget -O ~/bin/cif2ctrl.sh https://blog-imgs-116.fc2.com/g/o/m/gomisai/cif2ctrl_sh.txt
chmod +x ~/bin/cif2ctrl.sh ~/bin/cif2ctrls.sh


シリコンのCIFファイルから制御ファイルを作って見ます。cif2cell の cifs/ ディレクトリにはいくつかのCIFが保存されています。
まず、計算を実行するフォルダに移動します。どこでも構いませんが、以下の例では ~/ecalj/project/Si-cif2ctrls/ とします。
つぎにcif2cellのディレクトリから CIF をコピーします。このときにファイル名を ecalj で使う拡張子と同じになるようにしておきます(参考: ecaljのファイル命名規則)。

cd ~/ecalj/project/Si-cif2ctrls/
cp ~/cif2cell-1.2.10/cifs/Si.cif si.cif


結晶構造ファイル ctrls を作成するには以下のようにします。
cif2ctrls.sh si


制御ファイル ctrl まで一気に作ってしまう場合は、以下のようにします。
cif2ctrl.sh si


作成された結晶構造ファイルや制御ファイルを用いて、通常通りにLDA計算やQSGW計算を行うことが出来ます。(参考: ecaljの実行手順(LDA計算), ecaljの実行手順(GW近似))

関連エントリ




参考URL




付録


このエントリで使用したファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。(参考:ねがてぃぶろぐの付録)


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CIFからecalj入力の作成

ecaljの入力ファイル作成は手動でやってもかなり簡単ですが、更に簡単な方法としてCIFファイルから半自動的に生成する方法もあります。具体的にはCIFから cif2cell を使ってvasp形式のファイルを作成し、そのvasp形式のファイルからecaljの入力ファイルを作成するという方法です。

stSrTiO3.png

Fig.1: SrTiO3の結晶構造。簡単すぎることも複雑すぎることもなく、例題として扱うのに丁度いい結晶。


今回は正方晶(tetragonal)のSrTiO3を例に入力ファイルを作成します。cif2cellがインストールしてあれば、以下の手順で作成できます。

cif2cell srtio3.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5
vasp2ctrl POSCAR
mv ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.srtio3



ecaljの入力ファイル


ecaljには、結晶構造ファイル ctrls.* からコントロールファイル ctrl.* を半自動的に生成するスクリプト ctrlgenM1.py が付属しています。従って、コントロールファイル ctrl.* がecaljの実質的な入力ファイルでありながら、ユーザーは結晶構造ファイル ctrls.* さえ作ればよいので簡単です。(参考: ecaljの実行手順(LDA計算))

結晶構造ファイルの中身はシンプルなので、人間が手動で作成してもたいした手間ではありませんが、ケアレスミスの可能性もあるので、自動化できるに越したことはありません。そこで今回は、結晶構造を記述するファイル形式として有名なCIFから結晶構造ファイル ctrls.* を半自動的に生成する方法について書きます。
対象にした結晶は、正方晶(tetragonal)の SrTiO3 です。この結晶構造ファイルは Crystallography Open Databaseからダウンロードすることが出来ます。このCIFをVESTAで描画したのがFig.1です。

cif2cellのインストール


SourceForgeからcif2cellをダウンロードし、ホームディレクトリに置きます。私がダウンロードした時点での最新版は cif2cell-1.2.10.tar.gz でした。これを展開します。

tar xzvf cif2cell-1.2.10.tar.gz


展開されたディレクトリへ移動し、インストールを行います。

cd cif2cell-1.2.10/
sudo python setup.py install


更に .bashrc に以下を追記してパスを設定しておきます。

export PATH=$PATH:$HOME/cif2cell-1.2.10


追記したら .bashrc を再読み込みさせます。

source .bashrc


cifから結晶構造ファイル ctrls.* の作成


まずcif形式のファイルを用意します。今回はCrystallography Open Databaseからダウンロードします。

wget http://www.crystallography.net/cod/cif/9/00/28/9002806.cif


次に cif2cell を用いてcif形式からvasp形式のファイルを作成します。

cif2cell 9002806.cif -p vasp --vasp-cartesian --vasp-format=5


このとき私の環境では、以下のような警告が出ますが、無視して進めます。

***Warning : Site occupancies not found, assuming all occupancies = 1.


すると POSCAR というファイルが出来ています。このファイルからecaljの結晶構造ファイルを作ります。

vasp2ctrl POSCAR


結晶構造ファイル ctrls.POSCAR.vasp2ctrl が出来ているはずです。 vasp2ctrl という名前ですが、作成されるのはコントロールファイル ctrl.* では無く、結晶構造ファイル ctrls.* です。

ecaljで強磁性鉄のスピン分極計算ecaljで反強磁性NiOなどの場合は ctrls.POSCAR.vasp2ctrl を基にして磁性の設定のための編集が必要になりますが、今回は単純に名前だけ変更します。

mv ctrls.POSCAR.vasp2ctrl ctrls.srtio3


あとは通常通りにLDA計算を行うだけです。

ctrlgenM1.py srtio3
cp ctrlgenM1.ctrl.srtio3 ctrl.srtio3
lmfa srtio3
mpirun -np 2 lmf-MPIK srtio3


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