LTspice部品モデル作成術

LTspiceユーザーの多くがひそかに期待していたであろう、部品モデルの設計方法に関する凄い本が発売されました。堀米毅著定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術: コンデンサ/トランジスタ/トランス/モータ/真空管…どんな部品もOK! (TOOL活用シリーズ)です。



この本は、入門書ではありません。

LTspiceの基礎はマスターしたものの「付属のモデルだけを使った大雑把なシミュレーション」と「より複雑な現実の回路の挙動」の間のギャップを埋めたいと考えている人に向けた、ワンステップ上の教科書です。


ねがてぃぶろぐが紹介されました


ねがてぃぶろぐが定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術の中で参考情報があるウェブサイトとして、以下のサイトとともに紹介されました。

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Fig.1: 第2章Appendix―LTspiceの参考情報があるウェブサイト(P44)


● ねがてぃぶろぐ
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-category-15.html
 ねがてぃぶろぐにあるLTspiceのカテゴリです.デバイス・モデリングにおいて等価回路技術を習得すると,自分で任意の電子部品の等価回路モデルを作成できます.そのとき等価回路をSPICE上のデバイスにするには,ABM(アナログ・ビヘイビア・モデル)ライブラリを活用します.そのABMの解説が丁寧に掲載されています.自分で試せるように,シミュレーション・データもアップロードされています.センサの等価回路モデルの作成方法の事例は,モデルの作り方の良い参考になると思います.


ABM(アナログ・ビヘイビア・モデル)の解説というのはLTspiceでビヘイビア電源ほかのことだと思います。

前述の参考情報があるウェブサイトとして挙げられている中で、ねがてぃぶろぐだけがアマチュア向けに個人がやってるブログというか、ありていに言うと小物臭が漂ってるのですが、それでもピックアップされたのは恐らく、多少なりとも自分でデバイスのモデリングまで手を付けているからだと思います。


パラメータ・モデルと等価回路モデル


定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、その名前の通りLTspiceでシミュレーションする際の部品のモデルをいかにして作成するかに着目をした書籍です。

この本では、SPICEモデルを以下のように2種類に分類しており、書籍中の前半でパラメータモデル、後半で等価回路モデルの作成方法の解説をしています。

● SPICEモデルは2種類ある
 SPICEモデルを分類すると2種類あります.パラメータ・モデルと等価回路モデルです.パラメータ・モデルは,モデル・パラメータのみで表現されているSPICEモデルです.等価回路モデルは,名前の通り,電子部品が何らかの等価回路で表現されています.これらは,SPICEモデルのネットリストの最初の行で判断できます.
  • パラメータ・モデルの場合
    ネットリストの表記が.modelで始まる
  • 等価回路モデルの場合
    ネットリストの表記が.subcktで始まる


必ずしも一対一対応ではないですが、直感的に言えば個別半導体と集積回路(IC)の違いと思えばよいかもしれません。
複雑な回路に対して精密なシミュレーションを行う場合、回路に階層構造を持たせます。(参考:LTspiceで74HC4053また階層を持つ回路標準CMOSロジックのトランジスターモデル:ベルが鳴っています)
この場合は、パラメータモデルがより下位の、等価回路モデルがより上位の階層を担います。
階層構造を作ってよく使う部分を使いまわすというのは、プログラミングにおけるライブラリと同じ考え方です。

等価回路モデルに関しては、ねがてぃぶろぐでも簡単なものをたくさん扱っています。
例えばLTspiceで7414では、7414のデータシートにある等価回路図から等価回路モデルを作成しヒステリシス特性のシミュレーションを行っています。これらの等価回路を他の回路シミュレーションから呼び出すためには、サブサーキットの使用法を用いてそれぞれをサブサーキットにします。

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Fig.2: 7414データシートの等価回路図

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Fig.3: LTspiceによる等価回路モデル


他にも、ねがてぃぶろぐでは以下のような例を扱って来ました。


その反面、ねがてぃぶろぐではパラメータモデルは全く扱っていません。これは、単純に私にとって難しいからです。私以外にもパラメータモデルの作成をどうしたらよいか分からないと感じていた方は多いのではないでしょうか?

これに対して定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、パラメータモデルと等価回路モデルの両方の具体的な設計方法が書かれています。

例えば、書籍の最初のほうにGSユアサの酸素センサ(KE-12)を等価回路モデルにするための具体的な方法が解説されています。

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Fig.4: 酸素センサの構造

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Fig.5: 作成された等価回路モデル


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Fig.6-7: 出力電圧のカタログスペックとシミュレーション結果の比較



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Fig.8-9: 応答速度のカタログスペックとシミュレーション結果の比較


定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、さらに複雑なデバイスのモデリングとして「周波数特性+逆起電力+物理特性」を含んだDCモータや太陽電池など、通常のSPICEには用意されていないようなデバイスの例も解説されています。

関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器




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