LTspice部品モデル作成術

LTspiceユーザーの多くがひそかに期待していたであろう、部品モデルの設計方法に関する凄い本が発売されました。堀米毅著定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術: コンデンサ/トランジスタ/トランス/モータ/真空管…どんな部品もOK! (TOOL活用シリーズ)です。



この本は、入門書ではありません。

LTspiceの基礎はマスターしたものの「付属のモデルだけを使った大雑把なシミュレーション」と「より複雑な現実の回路の挙動」の間のギャップを埋めたいと考えている人に向けた、ワンステップ上の教科書です。


ねがてぃぶろぐが紹介されました


ねがてぃぶろぐが定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術の中で参考情報があるウェブサイトとして、以下のサイトとともに紹介されました。

001_20130602180145.jpg

Fig.1: 第2章Appendix―LTspiceの参考情報があるウェブサイト(P44)


● ねがてぃぶろぐ
http://gomisai.blog75.fc2.com/blog-category-15.html
 ねがてぃぶろぐにあるLTspiceのカテゴリです.デバイス・モデリングにおいて等価回路技術を習得すると,自分で任意の電子部品の等価回路モデルを作成できます.そのとき等価回路をSPICE上のデバイスにするには,ABM(アナログ・ビヘイビア・モデル)ライブラリを活用します.そのABMの解説が丁寧に掲載されています.自分で試せるように,シミュレーション・データもアップロードされています.センサの等価回路モデルの作成方法の事例は,モデルの作り方の良い参考になると思います.


ABM(アナログ・ビヘイビア・モデル)の解説というのはLTspiceでビヘイビア電源ほかのことだと思います。

前述の参考情報があるウェブサイトとして挙げられている中で、ねがてぃぶろぐだけがアマチュア向けに個人がやってるブログというか、ありていに言うと小物臭が漂ってるのですが、それでもピックアップされたのは恐らく、多少なりとも自分でデバイスのモデリングまで手を付けているからだと思います。


パラメータ・モデルと等価回路モデル


定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、その名前の通りLTspiceでシミュレーションする際の部品のモデルをいかにして作成するかに着目をした書籍です。

この本では、SPICEモデルを以下のように2種類に分類しており、書籍中の前半でパラメータモデル、後半で等価回路モデルの作成方法の解説をしています。

● SPICEモデルは2種類ある
 SPICEモデルを分類すると2種類あります.パラメータ・モデルと等価回路モデルです.パラメータ・モデルは,モデル・パラメータのみで表現されているSPICEモデルです.等価回路モデルは,名前の通り,電子部品が何らかの等価回路で表現されています.これらは,SPICEモデルのネットリストの最初の行で判断できます.
  • パラメータ・モデルの場合
    ネットリストの表記が.modelで始まる
  • 等価回路モデルの場合
    ネットリストの表記が.subcktで始まる


必ずしも一対一対応ではないですが、直感的に言えば個別半導体と集積回路(IC)の違いと思えばよいかもしれません。
複雑な回路に対して精密なシミュレーションを行う場合、回路に階層構造を持たせます。(参考:LTspiceで74HC4053また階層を持つ回路標準CMOSロジックのトランジスターモデル:ベルが鳴っています)
この場合は、パラメータモデルがより下位の、等価回路モデルがより上位の階層を担います。
階層構造を作ってよく使う部分を使いまわすというのは、プログラミングにおけるライブラリと同じ考え方です。

等価回路モデルに関しては、ねがてぃぶろぐでも簡単なものをたくさん扱っています。
例えばLTspiceで7414では、7414のデータシートにある等価回路図から等価回路モデルを作成しヒステリシス特性のシミュレーションを行っています。これらの等価回路を他の回路シミュレーションから呼び出すためには、サブサーキットの使用法を用いてそれぞれをサブサーキットにします。

001_20090328061018.png
Fig.2: 7414データシートの等価回路図

003_20090328061032.png
Fig.3: LTspiceによる等価回路モデル


他にも、ねがてぃぶろぐでは以下のような例を扱って来ました。


その反面、ねがてぃぶろぐではパラメータモデルは全く扱っていません。これは、単純に私にとって難しいからです。私以外にもパラメータモデルの作成をどうしたらよいか分からないと感じていた方は多いのではないでしょうか?

これに対して定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、パラメータモデルと等価回路モデルの両方の具体的な設計方法が書かれています。

例えば、書籍の最初のほうにGSユアサの酸素センサ(KE-12)を等価回路モデルにするための具体的な方法が解説されています。

004_20130603060903.jpg
Fig.4: 酸素センサの構造

005_20130603060903.png
Fig.5: 作成された等価回路モデル


006_20130603060903.png

007_20130603060902.png

Fig.6-7: 出力電圧のカタログスペックとシミュレーション結果の比較



008_20130603060902.png

009_20130603060902.png

Fig.8-9: 応答速度のカタログスペックとシミュレーション結果の比較


定番回路シミュレータLTspice 部品モデル作成術では、さらに複雑なデバイスのモデリングとして「周波数特性+逆起電力+物理特性」を含んだDCモータや太陽電池など、通常のSPICEには用意されていないようなデバイスの例も解説されています。

関連エントリ




参考URL




参考文献/使用機器




フィードバック



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

 ↑ 電子工作ブログランキング参加中です。1クリックお願いします。


コメント・トラックバックも歓迎です。 ↓      


 ↓ この記事が面白かった方は「拍手」をお願いします。

tag: LTspice 等価回路モデル パラメータ・モデル 

FC2カウンター
カテゴリ
ユーザータグ

LTspiceAkaiKKRmachikaneyamaScilabKKRPSoC強磁性CPAPICOPアンプecalj常微分方程式モンテカルロ解析状態密度トランジスタodeDOSインターフェース定電流スイッチング回路PDS5022半導体シェルスクリプト分散関係レベルシフト乱数HP6632AR6452A可変抵抗トランジスタ技術温度解析ブレッドボードI2C反強磁性確率論数値積分セミナーバンドギャップバンド構造偏微分方程式非線形方程式ソルバ熱設計絶縁ISO-I2Cカオス三端子レギュレータLM358GW近似マフィンティン半径A/DコンバータフォトカプラシュミットトリガLEDPC817C発振回路数値微分直流動作点解析サーボカレントミラーTL431アナログスイッチUSB74HC4053bzqltyVESTA補間電子負荷アセンブライジング模型BSch量子力学単振り子2ちゃんねるチョッパアンプLDA開発環境基本並進ベクトルFFT標準ロジックブラべ格子パラメトリック解析抵抗SMPMaxima失敗談ラプラス方程式繰り返し位相図スイッチト・キャパシタ熱伝導状態方程式キュリー温度gfortranコバルトTLP621不規則合金Quantum_ESPRESSO六方最密充填構造ランダムウォーク相対論ewidthスピン軌道相互作用FETQSGWVCAcygwinスレーターポーリング曲線GGA仮想結晶近似PWscfシュレディンガー方程式LM555ハーフメタル固有値問題NE555最小値ガイガー管QNAPUPS自動計測ダイヤモンドマントルTLP552格子比熱最適化MCU井戸型ポテンシャル最大値xcrysdenCIF条件分岐詰め回路フェルミ面差し込みグラフスーパーセルfsolveブラウン運動awk過渡解析起電力三角波第一原理計算FXA-7020ZRWriter509Ubuntuテスタ熱力学データロガーTLP521OpenMPubuntu平均場近似MAS830LトランスCK1026PIC16F785PGA2SC1815EAGLEノコギリ波負帰還安定性ナイキスト線図MBEOPA2277P-10フィルタCapSenseAACircuitLMC662文字列固定スピンモーメントFSMTeX結晶磁気異方性全エネルギーc/a合金multiplotgnuplot非線型方程式ソルバL10構造正規分布等高線ジバニャン方程式初期値interp1fcc面心立方構造ウィグナーザイツ胞半金属デバイ模型電荷密度重積分SIC二相共存磁気モーメント不純物問題PWgui擬ポテンシャルゼーベック係数ZnOウルツ鉱構造edeltquantumESPRESSOフォノンリジッドバンド模型スワップ領域BaO岩塩構造ルチル構造ヒストグラム確率論マテリアルデザインフラクタルマンデルブロ集合キーボードRealforceクーロン散乱三次元疎行列縮退化学反応関数フィッティング最小二乗法Excel直流解析PCTS-110TS-112日本語パラメータ・モデル等価回路モデルcif2cell入出力陰解法熱拡散方程式HiLAPW両対数グラフCrank-Nicolson法連立一次方程式specx.fifort境界条件片対数グラフグラフの分割円周率ヒストグラム不規則局所モーメントGimpシンボル軸ラベル凡例線種トラックボール

最新コメント
リンク

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ