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LTspiceで自己発熱するサーミスタ

LTspiceは電子回路シミュレータですが、上手にモデル化を行えば熱的特性を含んだ回路シミュレーションを行うことができます。
今回は、サーミスタの抵抗変化にたいして、自己発熱がどの程度影響するのかを調べるシミュレーションを行いました。

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サーミスタの温度解析


サーミスタは、温度に応じて抵抗値が変化する素子です。LTspiceでサーミスタ(温度係数を持つ抵抗)では、周囲温度に応じて抵抗値が変化する抵抗やサーミスタのモデリングを行い、シミュレーションをしました。

これに対して、現実の回路は同一基板内であっても(同一IC内でさえ)温度差を持ちます。LTspiceで温度勾配のある回路では、個別の素子に対して温度を設定する方法を書きました。

さて、回路基板上の温度勾配の原因として、最初に考え付くのはその素子自体が消費する電力による自己発熱です。

サーミスタの熱放散定数


サーミスタの自己発熱は、温度測定の誤差要因となるため、極力小さくするのが基本です。一方で、サーミスタを意図的に発熱させる用途も存在します。
トランジスタ技術2009年2月号P246-253に「乾電池動作のサーミスタ方式風速計」という記事が掲載されています。これはサーミスタを発熱させた上で、空気の流れによって冷やされ抵抗値が変化することを検出し、風速を算出しています。

今回のエントリでは、トランジスタ技術に掲載されているサーミスタの自己発熱を考慮したモデル化を行い、LTspiceを用いてシミュレーションをします。

モデル化


自己発熱と温度上昇の関係は、サーミスタのパッケージの熱的特性によって決まります。サーミスタのデータシートにはこの影響を表すパラメータとして、熱放散定数δがあります。

_eq_g76c.png

ここで、Pが抵抗での自己発熱で、ΔTが自己発熱による温度上昇です。

自己発熱による温度上昇ΔTを含むサーミスタの抵抗値は、以下のように書き表されます。

_eq_g76k.png


前述の熱放散定数とジュールの法則をもちいて、ΔTを書き換えると以下のようになります。

_eq_g76n.png


トランジスタ技術の記事にあるパラメータは、Rr=2100Ω,B=3850,δ=0.7mW/℃,Tr=25℃です。

自己発熱を回路シミュレータから入力するためには、LTspiceで電圧制御抵抗(VCR)の方法を用います。

シミュレーション


以上を踏まえて、自己発熱を考慮したサーミスタのLTspiceを用いたシミュレーションを行いました。


001_20091213230412.png
fig.1

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fig.2


サーミスタは定電流駆動としましたが、電流値によって得られる抵抗値が変化することがわかります。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


参考文献




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tag: LTspice 熱設計 温度解析 

セメント抵抗の温度特性 その2

セメント抵抗の温度特性 その1から、セメント抵抗の抵抗値が温度によって変化するという説を立てました。今回は、定性的に異なる温度条件での抵抗値測定を行い、抵抗値の変化が温度に起因するものであると確認しました。

また、抵抗値変化を温度計として、セメント抵抗のパッケージの熱的特性に関する議論のアイデアについても触れました。

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その1の再確認


セメント抵抗の温度特性 その1では、セメント抵抗を基板上に四端子接続し、その特性を測定しました。
その結果は、測定電流によって抵抗値が異なると言うものでした。


003_20091117050949.png
fig.1: 測定電流-抵抗値


抵抗は温度によって抵抗値が変わると言う性質があります。そのため、この抵抗値の変化は、測定電流による自己発熱の結果であると考えました。

今回のエントリでは、定性的ではありますが、異なる温度条件での抵抗値測定を行い、前述の抵抗値の変化が温度変化に起因するものであることを確認しました。

初期温度と抵抗値


まず、三段階(冷たい・普通・熱い)の温度に対して抵抗値を求めることを考えました。
回路構成は、fig.2のとおりで前回と同じです。測定電流はすべて約5Aで固定としました。


002_20091117050949.png
fig.2: 回路構成


冷たい条件での測定は、抵抗を冷蔵庫にしばらくおいておいたあと、「できるだけ手早く測定する」と言う方法で行いました。
普通の条件は、しばらく室温においておいた抵抗を、「できるだけ手早く測定」しました。
「できるだけ手早く測定」というのは、自己発熱によって温度が上がってしまわないうちにと言う意味です。
最後に、熱い条件は通電状態で10分程度放置したものを測定しました。

table.1に結果を示します。


条件電流[A]電圧[mV]抵抗[mOhm]
冷蔵庫4.9951494.999.08
室温4.9950495.999.28
触れないほど熱い4.9966506.9101.4
table.1: 温度と抵抗値


温度が高い条件の方が抵抗値が高いことが確認できました。

通電時間と温度の関係


次にデジタルマルチメータR6452Aをパソコンとシリアル接続し、連続的にデータをサンプリングしました。
fig.3に横軸に通電開始時間、縦軸に抵抗値の変化を示すグラフを掲載します。
測定電流は5Aです。


003_20091202040304.png
fig.3: 時間-抵抗値変化


熱のローパスフィルタ


これまでの考察から、セメント抵抗の抵抗値の変化は、抵抗の温度変化を表しているであろうという結論に至りました。そこで、この抵抗値の変化を温度変化とみなして、抵抗器の熱的特性に関して議論を行います。

熱抵抗を電気抵抗に、熱容量を静電容量に、熱源を電流源にそれぞれ置き換えれば、熱的特性は電気回路でモデル化することができます。このモデル化では、温度と電圧が対応します。

抵抗での発熱は、抵抗値の変化が小さいため一定と考えると、定電流源のモデルで表せます。セメント抵抗のパッケージを熱抵抗と熱容量が1つずつのもっとも単純なモデルとして考えると、fig.4のようになります。


004_20091202040303.png
fig.4: 熱のローパスフィルタモデル

005_20091202040303.png
fig.5: パッケージの温度変化


ここで、R1はセメント抵抗の発熱部とパッケージ間の熱抵抗、R2はパッケージと大気間の熱抵抗で、C1はパッケージの熱容量です。Tjは発熱部の温度、Tpがパッケージの表面温度、GNDに相当するのが大気温度です。

LTspiceでのシミュレーション結果から、fig.3の抵抗値変化の波形と形の似たパッケージ温度の波形が得られました。

デジタルマルチメータに熱電対を接続し、抵抗値変化の代わりにパッケージ温度を測定すれば、フィッティングからR1,R2,C1の値が得られるのではないかと思っています。(が、実際にやるつもりはありません。)

関連エントリ




参考URL




付録


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tag: LTspice 温度解析 熱設計 HP6632A R6452A 

セメント抵抗の温度特性 その1

電流測定用の四端子抵抗は比較的高価です。そこで、安価な二端子抵抗を基板上で四端子接続することで四端子シャント抵抗を自作できないかと考えました。
本エントリでは、セメント抵抗での試作を行い、電流値を可変した際の電圧降下を測定しました。
その結果、抵抗での損失にともなう自己発熱に起因すると考えられる抵抗値の変化が起こることが分かりました。

001_20091117050949.jpg 002_20091117050949.png 003_20091117050949.png


四端子シャント抵抗の自作


電流測定が必要な場面は非常に多いと思います。電流測定の方法として、最もポピュラーなのはシャント抵抗を用いる方法です。(ミリオーム抵抗 前編)
電流測定用のシャント抵抗は、抵抗値がとても小さく、実装の方法だけで抵抗値が変わってしまいます。(ミリオーム抵抗 後編)
そこで、高精度な測定を行う場合は、専用の四端子シャント抵抗を用います。とは言うものの、四端子のシャント抵抗は、1個1000円以上するため、ちょっとした実験に使うには高価です。

そんな訳で、安価な二端子抵抗を基板上に実装した状態で、あらかじめ抵抗値を測定しておけば、自作四端子抵抗として使えるのではないかという考えの下、セメント抵抗を用いた試作を行いました。

製作と測定


0.1Ω(100mΩ)のセメント抵抗を基板上に四端子接続となるようにハンダ付けします。(fig.1)


001_20091117050949.jpg
fig.1: 四端子セメント抵抗基板の外見(手前がセメント抵抗)


この基板には、5mΩのミリオーム抵抗もハンダ付けしましたが、今回のエントリでは使っていません。

上記のセメント抵抗に、HP6632Aシステム電源を用いて、0.2-5Aの範囲で0.2Aステップずつ電流値を上げていき、このときの電流と電圧をR6452Aデジタルマルチメータで測定しました。(ただ、1.4Aのデータを取り忘れました。ごめんなさい。)


002_20091117050949.png
fig.2: 接続概念図


このときの端子間電圧と電流値から、オームの法則をもちいて抵抗値を算出します。

_eq001_20091117050911.png … (1)

_eq002.png … (2)

測定結果とデータ処理


fig.3に測定結果のグラフを示します。横軸に電流値、縦軸に抵抗値をとりました。赤のプロットが測定データです。
誤差棒は、測定結果がR6452Aの初期確度を満たしていると信じて、電流誤差の最大・最小値、電圧誤差の最大・最小値から付けました。低電流側で誤差棒が大きいのは、電圧が測定分解能に対して小さいためです。


003_20091117050949.png
fig.3: 電流-抵抗測定結果


測定データから、放物線のような特性が見られました。そこで、これらのデータにたいして二次関数へのフィッティングを行ってみます。
緑の線が測定データに対して、gnuplotを用いて最小二乗法フィッティングを行ったものです。フィッティング関数として式(3)を用いました。ここで、a,bがフィッティングパラメータです。

_eq003.png … (3)

フィッティングの結果、a=0.07932972,b=98.9808となり、式(4)が得られました。

_eq004.png … (4)

発熱と温度


測定結果fig.3は、電流に対する抵抗値の変化が、誤差範囲内におさまらないものもあります。このことから、電流値に対する二次関数的な抵抗変化は、測定誤差ではなく、実際に1%程度の抵抗値変化が起こっているものと考えられます。
抵抗値を含む物性で、電流に対する二次関数になるものと言えば発熱、すなわち電力ジュールの法則(5)があります。

_eq005.png … (5)

fig.4に測定した電流と電圧の積から求めた抵抗での損失のグラフを示します。


004_20091117051003.png
fig.4: 電流-損失


緑のラインは、これらのデータに対して、抵抗値をフィッティングパラメータとした最小二乗法フィッティング結果です。
フィッティング結果から得られた抵抗値は、0.100452Ωでした。

温度と抵抗値


使用したタクマンのセメント抵抗の温度係数は、データシートより±200ppm/℃となっています。この値から見積もった1%の抵抗変化は、50℃の温度変化に相当します。

室温を約25℃とすると、抵抗の温度は75℃以上となっていなければならないことになりますが、5A通電時のセメント抵抗に触れてみたところ、触れられないほど熱かったので、この温度の見積もりは、まずまず妥当なものだと思います。

関連エントリ




付録


このエントリで使用した測定データとBSch3V形式の回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: 温度解析 熱設計 HP6632A R6452A 

KTXO-18Sの疑惑

高精度なクロック源と言えば、秋月の超高精度クリスタルモジュールKTXO-18Sですが、データシートが入手できなかったり、温度特性の項目が秋月のサイトの表記と、購入時についてくるペラ紙の表記とで食い違いがあったりと、よく分からないことが多いです。

今回はKTXO-18Sを使う際に覚悟しておかなければならない問題点を挙げておきます。
本エントリとしては、問題点を挙げるだけで明確な回答を返せないあたりがもどかしくもあります。

001_20090815025157.jpg 002_20090815025157.jpg



超高精度クリスタルモジュール(12.8MHz±1ppm) 18S-03A-4


秋月電子通商で扱っている超高精度クリスタルモジュールKTXO-18Sは、アマチュア電子工作で安価に高精度のクロックを得るためによく使われています。


001_20090815025157.jpg
fig.1: 秋月の超高精度クリスタルモジュール
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00227/ より


Web上でも周波数カウンタの自作記事などでよく目にします。

データシートが見つからない


非常に頻繁に利用されているKTXO-18Sですが、ネット上でデータシートを探しても何故か見つかりません。2007年のマイコン工作の実験室→FORUM MC9S08QG8で外部クロックを適用するでも、見つからない旨の報告がされています。(この会話してるのはのりたんさんですね・・・趣味の電子工作業界は狭いなあ。)

秋月のペラ紙


仕方たが無いので、データシートの代わりに秋月で購入した際についてくる「ペラ紙」の画像を上げます。


002_20090815025157.jpg
fig.2: 秋月のペラ紙


温度係数の怪


秋月の商品ページでは、この発振器の性能に関して以下のように書いています。

■12.8MHz ±1ppm/年 超高精度クリスタルモジュール
◆電源:DC5V
◆温度特性:±3ppm/℃(-20~60℃)
◆エージング特性:±1ppm/年
◆出力レベル1Vp-p


気づかれたでしょうか?温度特性の項目がfig.2のペラ紙の記述と異なっています。
2ちゃんねる電気電子板水晶振動子&水晶発振器を鋭く語るスレ 2 >>-157-158では、このことに関して以下のようなレスがついています。

157 名前:774ワット発電中さん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 23:36:29 ID:RZ58im/9
秋月で売っている超高精度クリスタルモジュール12.8MHz[KTXO-18S]を使って
PICマイコンで時計を作ったのですが、10時間で1秒ほど遅れます(電波時計との比較)
ソフトの方は 12.8MHz÷4÷8(プリスケラー)÷40000(タイマキャプチャ) で
1/10秒で割り込みかけているので 1時間に一回割り込みを取りこぼしていると
すれば計算が合うのでソフトの問題かもしれませんが調査中です。

無調整の場合 これくらい(-27ppm位)の誤差は普通なんでしょうか?

158 名前:774ワット発電中さん[sage] 投稿日:2007/12/30(日) 04:56:30 ID:Zayu2Cbs
>>157
まずは、問題の切り分け。
[KTXO-18S]の仕様は
◆温度特性:±3ppm/℃(-20~60℃) ←※
◆エージング特性:±1ppm/年

周波数カウンターを入手して、モジュールの周波数を確認するのが先決。
(周波数を確かめる方法は他にもあるが、これが一番確実。
まあ、今回に限りなら27ppm(346Hz)も違うので、他の手でもいけるが・・・)

モジュールに問題がなければ、PICの方に問題あり・・・と。

※これ、10度違えば最大30ppm違うという事になる。
しかし、これだと通常のAT水晶発振子(器)より特性が悪い事になる。
多分±3ppm(-20~60℃) なのだろうが・・・・一応秋月に問い合わせた方がいいかも。


また、杓子定規さんがKYOCERA 高精度水晶発振器 18S-03A-4 12.8MHzのエントリにてKTXO-18Sの分解、および温度試験を行っています。

18S-03A-4 12.8MHzを解剖して見た。基板に乗っているのはTRとCとRと思われる。高精度と付属のデータシートにあるが、周波数への温度管理をしている素子は私が浅学のためか見つからない。 温度特性が良いX'talを使用していることでの性能か?  様々な記事ではTCXOと誤解されて書かれているだけのことか。

X'talを交換してTS-830Sに実装しようと思ったのだが・・・・。 温度計を本体につけドライヤーで60℃まで炙ってみた なんと70Hz以上も動いた。 これは基準には使えない。極普通の発振器なら、200円は妥当な値段!?


温度に対する周波数変化を秋月のペラ紙を信じて±3ppmとすると±38.4Hzとなり、60℃にて70Hzずれたとする報告と一致しません。
逆に秋月のウエブページの±3ppm/℃を信じるとすると、周波数での変化はΔT=35℃(周囲温度25℃と仮定するΔT=60-25)とすると±1344Hzとなります。

KTXO-18SはTCXOではないのか?


TCXOとは、温度補償型水晶発振器(Temperature Compensated X'tal Oscillator)の略称であり、その名のとおり温度変化に対して周波数が変化するのを補償する発振器のことです。

これまでの議論を総合すると、KTXO-18Sは、±3ppm/℃が正解で、温度補償がなされていないと言うことになりそうです。
しかしながら、私はKTXO-18Sが、温度特性±3ppm(-20~+60℃)で温度補償されている可能性を捨てていません。
と言うのも、トランジスタと抵抗、コンデンサさえあれば温度補償回路が組めるからです。

LTspiceでトランジスタ温度計のエントリで書いたとおり、トランジスタは原理的に温度計としてつかえます。
ケース自体の保温性がよければ、周囲温度が60℃以下の条件で、トランジスタを発熱させケース内を60℃以上の一定温度の恒温槽にすることができます。
私も浅学なので、TCXOが実際にはどのようなメカニズムで温度補償を行っているのか知りません。したがって以上の話は仮説です。

とはいえ、温度を上げることにより周囲温度の変化に対応しているとすると、杓子定規さんの実験は別の示唆を与えてくれます。発振子の温度が周囲温度と等しいはずの電源投入直後と、恒温槽が機能して60℃以上となったときのKTXOの発振周波数は70Hz以上異なるはずだということです。
具体的にどの程度の時間が必要となるのかは分かりませんが、この手の温度補償を行う回路ではエージングが非常に重要だと言うことです。

直流動作点


Webで探すことのできるKTXO-18Sの回路例として超音波と赤外線の伝播時間差に着目したM系列変調方式距離測定法(PDF)では、出力端子をそれぞれ10kΩの抵抗でプルアップダウンしています。


003_20090815025207.png

京セラ製12.8MHz 水晶発振器”18S-03A-4”。出力がコンデンサ・カップリングされているので2.5V に抵抗でバイアスしてある。


他の多くのサイトでも、抵抗により動作点を決定しているようです。

出力レベルとインターフェース


秋月のサイト・ペラ紙ともに1Vp-pとされている出力電圧ですが、実際にはもう少し大きな振幅が取れるようです。出力波形はしっかりとしたデータを公開しているページがあるので、これを紹介するにとどめます。

Asa工房:KTXO-18S-03A-4 (京セラ), 12.8MHz 発振出力(PDF)
趣味の電子工作の部屋byすん:秋月 12.8MHz 高精度クリスタルモジュール(KTXO-18S)  波形です

クロック入力端子のしきい値電圧の条件によっては、プルアップダウン抵抗の選択はかなりシビアなようで、5V動作のPSoCの外部クロック入力に直結する場合の最適値は22kΩでプルアップ、10kΩでプルダウンとのことです。

関連エントリ




参考URL




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tag: PSoC トランジスタ 熱設計 

HAKKO PRESTO No.984-01

先週の話になりますが、今までメインで使っていた半田ごてHAKKO PRESTOを他所に置きっぱなしにすることにしたので、新しく家用の半田ごてを購入することにしました。

折角なので、使ったことのない温調ゴテを試してみようかとも考えたのですが、それは今後に見送って、またHAKKO PRESTOに落ち着きました。
本エントリでは、半田ごて選択に際して考えたことについて書きます。

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○セラミックヒーターとニクロムヒーター
正直に言うと、私には何が違うのかよく分かっていません。
『漏れ電流』とか『絶縁抵抗』とかのキーワードをよく聞きます。

セラミックヒータの半田ごての方が高性能であることは共通認識となっているようで、高級品になりますが、実際に値段を比べてみるとそれほど大きな隔たりがあるというほどでもないので、セラミックヒーター型を選ぶ方が無難でしょう。

○コテ先の熱容量とワット数
半田ごて選択の基本となるのは、コテ先の熱容量とワット数の二つです。
コテ先の熱容量は、コテ先の大きさでほぼ決まると考えて良いとします。半田ごてはコテ先がついた状態で売られているのが普通で、付属しているコテ先の大きさは、半田ごてのワット数に対して適切なものが選んであります。

この観点から行くと、ハンダ付けしたい部品(母材)の大きさ(熱容量)に対して適切なコテ先の大きさ(熱容量)を持ったものを選べば、おおよそうまくいくと言うことになります。

ハンダ付けする部品の大きさが大体同じぐらいのものばかりならば、1本の半田ごてだけですべてカバーできることになります。
パッケージがDIPのICやリード部品の抵抗・コンデンサのハンダ付けがメインになるマイコン関連の電子工作では、20-30W程度の半田ごてを選べばおよそ問題がないと思います。

しかしながら、もう一歩進んだ趣味の電子工作では、チップ部品(熱容量小)、リード部品(熱容量中)、リレーやコネクタ(熱容量大)といったさまざまな熱量量の部品が混在した回路のハンダ付けを行うことになります。特殊な半田ごてを使わずにこれらの部品をハンダ付けする場合、何本かの半田ごてを使い分けるか、何とかだましだましハンダ付けをするかということになります。

○コテ先の温度とワット数・熱容量の関係
冷静に考えれば、ハンダの融ける温度は(ハンダの物性から)決まっているはずです。
温度が低すぎると半田が溶けないことは当然ですが、温度が高すぎてもいわゆる「つのハンダ」になってしまいよくありません。

温度調整機能つきの半田ごては、コテ先温度をハンダの融ける温度になるようにフィードバック制御する機能を持った半田ごてです。

実を言うと、温調でないコテを使った普段のハンダ付けでも、無意識のうちにコテ先のコントロールを(手動で)やっています。
半田ごてのワット数、コテ先の熱容量、コテ先と大気の間の熱抵抗(空気への熱の逃げにくさ)の間には、電流源、コンデンサ、抵抗で構成された回路と似たような関係が見られます。
参考:放熱器の使い方 - ELM

以下に示すのは、半田ごての電源を入れてから温度が平衡に至るまでのモデルを、電流源、コンデンサ、抵抗であらわしLTspiceでシミュレーションしたものです。
単位は適当ですが、電流原が半田ごてのワット数を、コンデンサがコテ先の熱容量を、抵抗がコテ先と空気の熱抵抗を表しています。電圧がコテ先の温度に相当します。GNDが大気温度です。


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fig.1 & 2: コテ先温度の立ち上がりモデル


発生した熱がコテ先の熱容量に蓄積されることにより、温度が次第に上昇しますが、大気との温度差が大きくなると、熱抵抗を通じて放熱される量も大きくなるため、一定の温度で平衡に至ります。この平衡温度がこの半田ごてに出せる温度の上限です。

次に示すのが、熱容量C2、熱抵抗R2をもつ物質に断続的にコテ先を当てたときのコテ先温度と簿材温度の変化を示したものです。


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fig.3 & 4: 断続的にハンダ付けを行うモデル


このC2//R2を水を含んだスポンジだと考えれば、コテ先の温度をハンダ付けに適した温度に下げるための温度調整を行っているところのモデルだと考えることができます。
また、C2//R2という熱容量//熱抵抗をもった部品をハンダ付けしているところだと考えることもできます。

以降のシミュレーションは省略しますが、パラメータをさまざまに変更してみると、コテ先の熱容量が大きい方がハンダ付けする際の温度変化が小さく、ワット数が大きいほど熱回復特性が良い一方で平衡温度が上がる、また、母材の熱抵抗が小さい場合はワット数が大きくないとハンダ付け可能温度に至らない、などということが分かるはずです。

○結論
以上の考察から、コテ先の温度の低下時のみ高いワット数で加熱され、コテ先温度が高いときには自動的にワット数が下がる半田ごてが望ましい、また、コテ先の熱容量は大きい方が温度の変動が少なく望ましい、と言うことが分かります。

具体的な半田ごての理想像に焼きなおすとするならば、最大ワット数が大きい温度調整半田ごてで、コテ先の熱容量が大きな物というところでしょうか。

○コテ先形状
最初に書いたとおり、コテ先の熱容量はコテ先の物理的な大きさによってほぼ決まります。
熱容量を大きく確保しようとすると、必然的に大きなコテ先を選ばなければなりません。
しかしながら、小さい部品を半田付けする際には大きなコテ先は使いづらいです。

比較的大きな熱容量と、小さい部品のハンダ付けのやり易さを両立するコテ先として、円柱形を斜めに切断した形のコテ先が人気があります。私は使ったことがないのですが、機会があったら試そうと思っています。

○わたしがPRESTOを選んだわけ
HAKKO PRESTOは温度調整半田ごてではありませんが、状況に応じてワット数が切り替えられる半田ごてであり、切り替えの幅も大きく、なにより普通の半田ごてとお値段が大差ないところが特徴です。

○関連エントリ


○参考URL




○付録
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tag: LTspice 熱設計 開発環境 

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