実用電源回路設計ハンドブック ほか

東日本大震災による福島の原発事故に関連して、趣味の電子工作業界では、自作ガイガーカウンターに注目が集まっています。

また、今後の電力不足にそなえて、無停電電源装置(UPS)の存在が話題に上がることも多くなったように感じます。

思い立ったが吉日ということで、以前からチェックしていた戸川 治朗著実用電源回路設計ハンドブック ハードウェア・デザイン・シリーズを購入しました。どうせ私は作りはしないのですが・・・

第7章に無停電電源装置の設計法が解説されています。




UPSについて


実のところ、個人レベルで購入できるパソコン用のUPSは、不意の電源時にPCを安全にシャットダウンするための時間を稼ぐといった程度の使用を想定しているので、停電時にバリバリPCを動かす用途には使えません。

もしも、不意の停電ではなく、計画停電に備えるという意味でなら、あらかじめPCをシャットダウンしておけばよいだけなので、UPSは必要ないと思います。
不意の停電対策としては、ありうるかもしれませんが。

実を言うと、以前、使っていたものが最近壊れたため、新しいのを購入しようと思っていたところでの地震でした。
今購入すると、計画停電対策みたいに見えてちょっと嫌な感じなのですが、仕方ないのかもしれません。

個人利用でならテーブルタップ型が使い易かったです。



電源回路は、基礎にして奥義


(計画)停電の話題はさて置くとしても、電子工作において、電源回路の設計は、避けて通れないものです。マイコン入門の課題としてよく用いられるLED点滅だけでも、電源は絶対に必要です。

そんなわけで、電源回路の設計は電子工作の基礎の一角を担っているわけですが、その実、電子回路設計の中でもとりわけ奥が深いものでもあります。

私は、以前からスイッチング動作を含むアナログ回路が、趣味の電子工作の技術面においては一番面白いのではないかと考えてきましたが、そういう意味でもスイッチング電源は最高峰だと思います。

スイッチング回路設計をしたことのある友人から、改訂 スイッチング・レギュレータ設計ノウハウ―すべての疑問に応えた電源設計 現場技術者実戦シリーズが良書であると薦めてもらったのですが、積読状態です。

また、トランジスタ技術の連載をまとめた電源回路設計 成功のかぎ―要求仕様どおりの電源を短時間で設計できる (アナログ・デザイン・シリーズ)が出版されて既に結構たっていますが、私はまだ購入してません。これも良書だと聞いています。




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tag: スイッチング回路 トランジスタ技術 三端子レギュレータ 

三端子レギュレータの入力コンデンサ・出力コンデンサ

『三端子レギューレータの入力にはコンデンサが必須』という話はよく聞きます。

素人考えでは、三端子レギュレータはあまり綺麗でない入力電圧を安定化された出力電圧にする素子なので、出力側のコンデンサのほうが大事なような気がします。

しかし、入力コンデンサは、出力コンデンサよりも大事なようですね。
入力コンデンサを三端子レギュレータというアナログICのパスコンであると考えると納得できます。


3termC.png
fig.1: 三端子レギュレータの入力コンデンサと出力コンデンサ



入力コンデンサはパスコン


冒頭で、入力コンデンサは三端子レギューレータというアナログICのパスコンのようなものだと書きましたが、図にするとfig.2のような感じです。


3termC2.png
fig.2: 三端子レギューレータはゲインの大きいアンプ


三端子レギューレータは、大雑把に言えば基準電圧生成回路とゲインの大きなエラーアンプ(と出力段のパワートランジスタ)で構成されています。

当然ながら、このエラーアンプの電源は入力端子から取っています。
ゲインの大きなOPアンプを安定に動作させるためには、パスコンが必要ですが、三端子レギューレータにしても同じことですね。

一方で、出力コンデンサはただの負荷容量です。

低ドロップ型三端子レギュレータ


ただし、出力にコンデンサを接続することを前提としたICも存在します。
低ドロップ型の三端子レギュレータやシャントレギュレータなどです。

シャントレギュレータの負帰還安定性に関しては、以前「詰め回路:TL431」を解くに書いているのでそちらをどうぞ。

関連エントリ




付録


このエントリで使用したBSch3V形式回路図ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: 三端子レギュレータ OPアンプ 

バッテリ動作のマイコン電源に関するメモ

マイコンをバッテリ動作させたいという状況は多々あります。
バッテリ動作では、使えるエネルギーが限られるため、機器の使用時間や電源回路の変換効率など考えなければならないことが増えます。
携帯機器である場合は、大きさや重さの条件も加わるかもしれません。
今回は、バッテリ動作のマイコン電源設計に関して考えるべきことのうちいくつかをだらだらと書きました。(あまりまとまっていません。)


○三端子レギュレータと積層乾電池
9V角型積層乾電池と三端子レギュレータの組み合わせは、最も簡単にバッテリ動作のマイコン電源を作れる方法のひとつです。すべてこの組み合わせで問題がないなら楽なのですが、シリーズレギュレータゆえの効率の低さや、積層乾電池ゆえのエネルギー密度の低さが気に食わないこともあります。

レギュレータの効率は(出力電力)/(入力電力)であらわされますが、シリーズレギュレータの場合、三端子レギュレータの自己消費電力を無視すれば(出力電圧)/(入力電圧)でおよその効率を計算できます。

例えば、9Vから5Vを作る場合、効率は
5 / 9 = 0.555…
すなわち約56%となります。

そこで、単三型や単四型の電池を効率のよいスイッチングレギュレータで定電圧化することを考えます。

○エネルギーとバッテリ本数
バッテリーの本数は『理想的には』必要なエネルギーから決まります。例として、単三型のエネループ(1.2V 1900mAh)で5V1Aを2時間取り出すとすると、ものすごく大雑把な計算では少なくとも5本のバッテリーが必要になります。

5V1Aを2時間
5V * 1A * 2 = 10Wh
エネループ
1.2V * 1900mAh = 2.28Wh

10Wh / 2.28Wh = 4.39 ≒ 5本

もちろん、現実的にはスイッチングレギュレータの効率や出力電圧との兼ね合いで必要な本数は変わってきます。

○スイッチングレギュレータの回路形式
バッテリーが決まれば、次に考えるのは出力電圧・電流です。
スイッチングレギュレータの回路形式としては、昇圧型と降圧型があります。

昇圧型は、レギュレータの入力電流が大きくなるので、相対的にもろもろの寄生抵抗での損失が大きくなる欠点があります。(配線抵抗でのジュール損は電流の二乗に比例:P=R*I^2)
一方、降圧型は入力電圧が出力電圧を下回ると、出力が制御から外れてしまいます。使用とともにバッテリー電圧が下がることを考えると、直列数を増やさなければならないケースも考えられます。
昇降圧型や絶縁型もありますが、回路が複雑です。

メモなので、オチはありません。(むしろ参考URLの紹介の方がこのエントリのメインかもしれません。)

○関連エントリ


○参考URL


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tag: 三端子レギュレータ 

三端子レギュレータの本当の最大出力電流

TO-220Fパッケージの三端子レギュレータNJM7805は、最大出力電流として1.5Aを保証しています。しかし、現実的には三端子レギュレータの最大出力電流は、接合部温度Tjの定格によって制約されます。言い換えると、三端子レギュレータの発熱のほうが問題になるということです。今回は、接合部温度Tjの最大定格に起因する最大出力電流を求めてみました。


新日本無線のNJM7805のページからたどれるところに三端子レギュレータについてという資料があります。
この資料の中の「5. 放熱設計」が今回の話の核です。

この資料に沿って話を進めるに当たって、以下の条件を考えます。
(1)静的消費電流は無視できるほど小さい
(2)周囲温度Taはワーストケースを見込んで50℃
(3)最大出力電流を制約するのは接合部温度Tjのみ
(4)ヒートシンクを用いない

さらに、NJM7805データシートから以下の二つの条件を加えます。

(5)接合部温度Tj最大定格: 150℃
(6)接合部から周囲雰囲気間の熱抵抗θja: 60℃/W


001_20081112065401.png

002_20081112065407.png


この条件の下で、出力電流の最大値は以下の式で表されます。


_eq_biyo.png


よって、最大出力電流はΔVの入出力間電位差のみに依存することが分かります。
これをグラフにプロットしてみると、以下のようになります。


graph.png


以下に代表的な条件での最大出力電流を書いておきます。
以下に代表的な条件での最大出力電流を書いておきます。
・ 9V入力, 5V出力: 417mA
・12V入力, 5V出力: 238mA
・24V入力, 5V出力: 87.7mA
・24V入力,12V出力: 139mA

tag: 三端子レギュレータ 熱設計 

負電源三端子レギュレータを正電源用にするとドロップ分が負電源になる

今回はちょっとした発想の転換ネタ。
PIC等のマイコンとLM358等のOPアンプを使った、006P乾電池(9V)を電源とする携帯機器の電源回路を考えます。


回路の電源として5Vを正電源用三端子レギュレータ7805で作ると以下のような回路になります。


001.png


ここで、汎用単電源OPアンプLM358の入出力電圧範囲は0~VCC-2V程度なので3V以上のアナログ信号を直接扱えません。これに対してはレールtoレールOPアンプを使うなど、いろいろな対策が考えられます。しかし、今回のケースでは三端子レギュレータ以前の電源がバッテリーであるので三端子レギュレータを通さないものをOPアンプの電源とするという方法が簡単です。


002.png


LM358などの単電源OPアンプは負電源端子に入力した電圧まで出力をスイングできると謳っていますが、現実的には負電源付近での出力には非線形性がともないます。この対策には信号にバイアスをかける方法とOPアンプを両電源で利用する方法があります。
上で示した、正電源電圧に起因するOPアンプの入出力電圧範囲の上限が制約される問題に対する対策法と同じ考え方で、この負電源電圧に起因するOPアンプの入出力電圧範囲の下限が制約される問題にも対処できます。
この方法には、負電源三端子レギュレータ7905を正電源生成に使います。


003.png


負電源三端子レギュレータのドロップ分を回路上の負電源として使っていると考えれば、この方法は負電源を用意する対処法だととらえることができます。(回路のGND電位自体をバッテリーのマイナス端子電圧に対してバイアスをかけていると捕らえると、バイアス法とも考えられるでしょうか。)

負電源を生成していると考えれば、単電源OPアンプだけでなく両電源を要求するOPアンプ(たとえばOP07など)を使うこともできます。

負電源を用意する方法であるという考え方でまとめます。


004.png


上の図の一番左が、素の006P乾電池の9Vです。

これに対して左から二番目がごく普通に7805をつかって5Vを作るときの電位の関係です。乾電池のマイナス端子側をGNDと考えてこの点から安定した5Vを生成しています。この記事の2番目の回路ではドロップ分の4Vが加わった点(乾電池のプラス端子側)をVCC-2(9V)として使っています。

次に、左から3番目が負電源用三端子レギュレータ7905を普通の使い方で使ったときの電位の関係です。乾電池のプラス端子をGNDとして安定した5Vを負電源として利用します。この方法では、ドロップ分の4Vは利用されません。

最後に、一番右がこの記事で紹介した7905を正電源生成用に使いドロップ分を負電源であると考えるときの電位の関係です。負電源三端子レギュレータの出力端子をGNDであると考えています。

tag: 三端子レギュレータ 

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