LTspiceでLED調光回路

LEDの調光回路について聞かれたので、30分ぐらいで簡単な回路を設計し、シミュレーションしました。
効率はかなり悪いですが、折角なのでそのLED調光回路のシミュレーションについて書いておきます。
可変抵抗で電流を調整し、カレントミラー回路でその電流をコピーするという構成です。
各LEDに流す電流は2-20mAで電源は5Vの安定化されたACアダプターで作ることにします。

【2009/04/30】シミュレーションに使うトランジスタモデルを変更しました。

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○要求仕様
求められた使用は以下のようなもの。


  • 電源はACアダプタで安定化された5V

  • LEDの順電流の可変範囲は2-20mA

  • LEDは白色(VF=3.5Vぐらい)

  • 並列数は9個

  • 1つの可変抵抗で調光



あとは、作る人がさほど電子工作が得意でなくても何とか作れるように部品点数が少ないというところでしょうか。

○カレントミラー
LEDの数が2この場合の回路をfig.1に示します。
R2は2kΩの可変抵抗で、この可変抵抗のつまみを回したときLED(D1)に流れる順電流がどのように変化するかシミュレーションしました。LEDのモデルQTLP690Cはおそらく赤LEDのモデルですが、トランジスタがが飽和しない範囲でなら(LEDの順電圧が3.5V程度を下回っている範囲でなら)何色のLEDでも挙動は、大きくは変わらないはずです。


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fig.1: LED数2のスケマティック

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fig.2: 可変抵抗R2の値とD1の順電流の関係


トランジスタのSPICEモデルは数理設計研究所さんのSpice Modelの物を使わせていただきました。
2SC1815のかわりにLTspice付属の2N3904のSPICEモデルを使うことにしました。

カレントミラー回路でQ1の電流が、Q2やQ3にコピーされます。LEDの順電圧特性にばらつきがってもほぼ同じ電流が流れることが期待できます。

○多LED化
出力がカレントミラー方式なので、簡単に並列化できます。fig.3,4にLEDの数を9個にした場合のシミュレーション結果を示します。


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fig.3: LED数9のスケマティック

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fig.4: 可変抵抗R2の値とD1の順電流の関係(並列数を増やしても変化していないことが分かる)


○関連エントリ


○参考URL


○付録
このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。


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tag: LTspice トランジスタ LED カレントミラー 直流動作点解析 可変抵抗 定電流 

100mA定電流源

ミリオーム抵抗 後編では、5mΩの抵抗の抵抗値を実測したと書きました。
今回はその測定に用いた100mA定電流回路の紹介をします。

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○写真と回路図

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fig.1: 写真

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fig.2: 回路図


fig.1が回路の外見、fig.2が回路図です。

○定電流回路
定電流回路の構成は、居酒屋ガレージ日記さんの低抵抗測定用10mA定電流源です。

○基準電圧回路
基準電圧はTL431で作った2.5Vを分圧してつくった1Vとしました。基本的には15kΩと10kΩでの分圧ですが、すべて10kΩの抵抗だけで作りました。更に微調整のため2kΩの他回転半固定抵抗を加えました。

○電源
電源は写真を見ても分かるとおり006P角型9V乾電池です。100mAも取り出す回路の電源が006Pとは正気の沙汰ではありませんが、使用する時間は短時間であろうということで我慢します。

○トランジスタ
トランジスタはTO-220パッケージの2SC3709Aを使いました。
TO-220の放熱器をつけないときの消費電力は2.5Wまでです。この回路の短絡時のトランジスタの消費電力は0.8Wですが、結構あたたかくなるので、消費電力の意味からも使用時間は短時間にする必要があります。

○関連エントリ


○参考URL


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tag: トランジスタ 抵抗 定電流 OPアンプ 

LTspiceのグラフの横軸を変更する

直流動作点解析を用いれば、抵抗値を横軸にとったグラフや温度を横軸にとったグラフを書くことが出来ます。
一方で、それ以外のものを横軸にとりたいと考えることもあります。
今回は、過渡解析や直流解析において時間やスイープさせる直流電源以外のものを横軸とする方法を書きます。
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○noritanさんの2SD2531モデル
noritanさんが2SD2531のシミュレーション・モデルを作るのエントリで2SD2531のSPICEモデル作成を行っています。
そのなかで、LTspiceのグラフの横軸に関して以下のように書いておられます。

参考文献では、 IB を変化させたときの IC の値を横軸に、 hFE すなわち IC/IB の値を縦軸にとっていたのですが、LTspiceの波形表示には、横軸の変数を任意に指定する方法が見つかりませんでした。


つまり、以下に示すfig.1のような、ベース電流をスイープさせた直流解析シミュレーションをした際に、fig.2に示したデータシートからの引用のようなコレクタ電流を横軸にとったグラフを書きたいという話です。
fig.3に示すように、LTspiceでも書くことが出来ます。


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fig.1: ベース電流をスイープさせた直流解析

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fig.2: コレクタ電流を横軸にとったグラフ

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fig.3: LTspieで書いたhFE-IC曲線


このように実は結構簡単に出来ますが、LTspiceのインターフェースがぶっきらぼうなおかげであまり知られていないようです。

○横軸の変更の仕方
noritanさんの回路の例で少し丁寧に解説します。

まず、fig.1のような回路でシミュレーションをRunするとベース電流Ibを横軸としたfig.4のようなグラフが表示されます。


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fig.4: ベース電流Ibを横軸に持つグラフ


この横軸付近にマウスのカーソルを持ってくると、カーソルが灰色の定規のような形に変化するのでそこでクリックします。(右クリックではなく、普通の左クリックです。)

すると、fig.5のような「Horizontal Axis」ダイアログがでます。


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fig.5: Horizontal Axisダイアログ


ここで、fig.6のように「Quantity Plotted:」欄に横軸にとりたい値を入力します。ここでは、Q1のコレクタ電流なのでIc(Q1)と入力しました。


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fig.6: Quantity Plottedの設定


OKを押すと、fig.7のようなグラフが表示されます。


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fig.7: 横軸が変更されたが、表示範囲がおかしいグラフ

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fig.8: Axis Limitsの設定


横軸の範囲が正しく表示されないので、ふたたび「Horizontal Axis」ダイアログを表示させて「Axis Limits」の「Left:」と「Right:」を設定します。今回は10mAと10Aにして完了です。

○リサジュー曲線
これだけではちょっと寂しいので、応用の一例として、LTspiceでリサジュー曲線(リサージュ曲線)を描いてみました。
グラフの色がいつもと違うのは、この方がオシロスコープぽいかと思ったからで、深い意味はありません。


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fig.9: 正弦波2つの過渡解析

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fig.10: リサジュー曲線


○ヒステリシス
他の応用としてはヒステリシス特性の確認があります。シュミットトリガの記号の由来となっているアレです。
過渡解析でシュミットトリガ・インバータやヒステリシスコンパレータのシミュレーションをすれば、入力電圧を横軸にとることによってヒステリシス特性を表示することが出来ます。

このシミュレーションはベルが鳴るさんが標準 CMOS ロジックのトランジスターモデルの記事の中(一番下)で行っています。わたしもこの記事で横軸が変更できることを知りました。

○付録
このエントリで使用したリサジュー曲線のLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。

tag: LTspice トランジスタ 

LTspiceでトランジスタ温度計

トランジスタやダイオードのジャンクションの温度係数を利用すると温度計を作ることができます。
この原理を利用したトランジスタ温度計をLTspiceで温度解析の手法を用いてLTspiceでシミュレーションしました。

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トランジスタ温度計


トランジスタやダイオードには温度係数があり、回路設計において温度ドリフトを考慮しなければいけない場合があります。
一方で、トランジスタやダイオードの温度係数を積極的に利用すれば、温度計を作ることができます。
LTspiceで温度解析のエントリでは、温度変化をシミュレーションする方法を書きました。
今回は、LTspiceを用いた直流動作解析と組み合わせてトランジスタ温度計のシミュレーションをしました。

シミュレーション



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fig.1: トランジスタ温度計

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fig.2: 100mV/℃


トランジスタ温度計の回路は、定本 OPアンプ回路の設計のP210のものを用いました。この際、R3の値を1.8kΩへ変更し100mV/℃となるようにゼロと感度を調整しました。
グラフの横軸は温度で単位は摂氏です。

付録


このエントリで利用したLTspice用シミュレーションファイルを添付します。



参考文献



tag: LTspice 温度解析 直流動作点解析 トランジスタ 

LTspiceで温度解析

トランジスタやダイオードといった半導体には温度特性が存在します。したがって、半導体を使った回路は多かれ少なかれ温度ドリフトの影響を受けます。この温度ドリフトの影響を評価するために、SPICEには素子の温度特性を表すパラメータが用意されています。

今回はこの温度特性パラメータを持ったモデルに対して、LTspiceで温度を指定したシミュレーションをする方法を書きます。

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トランジスタの温度特性


トランジスタやダイオードは、ジャンクションの温度によってその特性が変化します。
以下に示すのは、東芝セミコンダクタの2SC1815のデータシートからの引用です。


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fig.1: 2SC1815のIb-Vbe特性


このように、100℃と-25℃という極端な条件での比較になりますが、Vbeに約0.2Vもの差が出ることが分かります。

.tempを用いた温度解析



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fig.2: 2N2222のIb-Vbe特性試験回路

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fig.3: 2N2222のIb-Vbe特性試験グラフ


LTspiceで温度を指定する場合は、.temp命令を使います。書式は

.temp <T1> <T2> ・・・

で、<T1>,<T2>・・・は摂氏です。
上の例では、緑のラインが0℃、青が25℃、赤が50℃です。

また、この書式は

.STEP TEMP LIST <T1> <T2> ・・・

と同じ意味です。

温度解析をする上での注意


温度解析が意味を持つのは、温度特性を考慮したモデルを用いた場合のみであるということには注意が必要です。
SPICEモデルの現実とのズレの例 その1では、メーカー製のOPアンプのモデルが消費電力まで考慮に入れたモデリングをしていないということを書きましたが、おそらく温度特性も考慮されていない場合が多いと思います。
また、抵抗やコンデンサといった普通の回路素子も温度解析ができません。

関連エントリ




参考URL




参考文献




付録


このエントリで使用したLTspiceのシミュレーション用ファイルを添付します。ファイル名末尾の".txt"を削除して、"_"を"."に変更すれば使えるはずです。

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